130万円の壁

【読者の質問に回答】扶養の範囲内でいくらまで働けるんですか?

最近立て続けに質問を受けたので、この話を共有したいと思います。

「いくらまで働いていいんですか?
〇〇の壁っていろいろあるみたいですがわかりません。
わかりやすい言葉で教えてください。」

聞きなれない言葉が多いです。

被保険者とか、被扶養者とか、直系尊属とか…

この質問は下記の家族構成の方からの質問、ということで進めていくことでリアルな感じになればいいと思います。


奥さまからの質問

最近子供も大きくなってきたので、プラスで収入を増やしていきたいのですが、扶養から外れるとか○○の壁とかあるみたいでネットで検索していました。

「で、結局どうなの?」とわからなくなってしまいました。教えてください。

ご主人 : 42歳、会社員(年収500万円)
奥さま  : 40歳、パート主婦(年間収入100万円前後)
お子様 : 10歳と8歳のお二人
(おそらくお子様はここにあまり登場しないかもしれません)

こんな設定で進めていきます。




質問の内容

扶養の範囲内でいくらまで働いていいんですか?

という質問です。

最近「〇〇円の壁」ということばをかなり頻繁にテレビ等でもやっているのですが、いろいろあって困ります。

103万円の壁
106万円の壁
130万円の壁

こんな方は多いと思いますが、ここでは、いくらまで扶養の範囲で働けて、どういうメリットがあるのかをお伝えしたいと思います。


社会保険の扶養の範囲は130万円未満

扶養の範囲というのですが、扶養って言っても「所得税に関すること」「社会保険(年金・健康保険)に関すること」とあるのですが、社会保険の扶養の条件がこうなっています。

順序立てて解説します。


扶養者の範囲は

1. 被保険者と同居している必要がない者・配偶者・子、孫および兄弟姉妹・父母、祖父母などの直系尊属

2. 被保険者と同居していることが必要な者・上記1.以外の3親等内の親族(伯叔父母、甥姪とその配偶者など)・内縁関係の配偶者の父母および子(当該配偶者の死後、引き続き同居する場合を含む)(日本年金機構より)


日本年金機構からの抜粋ですが、こんなふうに決まっています。

聞いたことがないことばも出てきますので、一応解説します。(必要ない方は読み飛ばして下さい)

直系尊属とは、父母・祖父母など自分より前の世代で、直通する系統の親族のことです

また、養父母も含まれます。叔父・叔母、配偶者の父母・祖父母は含まれません。言葉の説明までもが難しいです。

簡単にすると、「お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんが直系尊属で、おじさんとかおばさん、奥さんのお父さん、お母さん、旦那さんのお父さん、お母さんは含まれないですよ」ということです。

ついでに、直系卑属とは、子・孫など自分より後の世代で、直通する系統の親族のことです。

また、養子も含まれます。兄弟・姉妹、甥・姪、子の配偶者は含まれません。

※被保険者…例えば奥さまのお立場でこのお話を聞いている場合、被保険者は会社にお勤めしている「ご主人」ということになります。被扶養者が奥さんとなります。


被扶養者の認定

被扶養者に該当する条件は、被保険者により主として生計を維持されていること、及び次のいずれにも該当した場合です。

(1) 収入要件


年間収入130万円未満(60歳以上又は障がい者の場合は、年間収入※180万円未満)かつ

同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満(*)
別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満

※年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。(給与所得等の収入がある場合、月額10万8,333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること。)

また、被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれますので、ご注意願います。

(*)収入が扶養者(被保険者)の収入の半分以上の場合であっても、扶養者(被保険者)の年間収入を上回らないときで、日本年金機構がその世帯の生計の状況を総合的に勘案して、扶養者(被保険者)がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認めるときは被扶養者となることがあります。

(2) 同一世帯の条件


配偶者、直系尊属、子、孫、兄弟姉妹以外の3親等内の親族は同一世帯でなければなりません

この場合は、同一世帯であって、収入が130万円未満、被保険者の方の収入の半分以下です。

しかし130万円をオーバーしてしまう場合は、ご主人の扶養から外れなくてはいけない。ということになってしまいます。

年収が106万円を超えた場合(厳密には超える見込みの場合)、勤務先の社会保険、つまり厚生年金・健康保険への加入義務が生じる、というものです。

厚生年金・健康保険は労使折半なので、企業側にも負担が生じるという内容です。

しかしながら、所得税や住民税のお話になると、ちょっと扶養の考え方が違います。

続いて税金面での扶養のお話をしていきたいと思います。


所得税の扶養控除



所得控除があります


実際には、「配偶者控除」とか「配偶者基礎控除」です。

所得税や住民税に関しては、範囲がある、と言うよりかは、所得控除が受けられるかどうか? そういう話になっていくわけです。

所得控除って何ですか? ということですが、ご主人の収入から決められた金額を控除して(引いて)税金を計算するわけです。

その分税金が安くなる、ということですね。

38万円の税金が安くなるのではなく、「税金計算のもととなる金額を38万円分引いて計算しますよ」という意味ですので、注意してくださいね。

会社員の方は「税金の計算」と言ってもわかりにくいかもしれませんが、毎月給料から税金がいつの間にか引かれていますからね。

それはあらかじめ引いているもので、多く引きすぎてしまっている場合もあります。

その場合は、「年末調整」といって大体12月とか年末に調整をかけるわけです。

税金を控除しすぎた場合は返し、足りなかった場合はプラスで徴収するということですね。

話がそれましたが、その「配偶者控除」、「配偶者基礎控除」のお話と、平成30年からちょっと変わるので、それらもお話していきます。


配偶者控除って?

控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。

(2) 納税者と生計を一にしていること。

(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。

(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

※ 平成30年分以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。(国税庁HPより抜粋)


103万円って随分半端だな。と私はこれを初めて聞いた時思いましたが、給与収入と所得金額の違いがわかりにくいという方が多いので、少しだけ解説します。


収入と所得の違い



給与収入は、税引前年収、所得とは必要経費や給与所得控除を引いたあとの金額のこと。です。

給与所得控除って何? という話ですが、ご存じの方も多いと思います。

給与収入に対して一定金額を引く仕組み、と覚えておけばよいのですが、収入によって違います。



≪画像元:国税庁HP(クリックして拡大)≫


給与収入103万円、合計所得金額38万円以下の場合は、配偶者控除を受けられる、と言うのはどういうことかというと、上記の表を見ながらご覧ください。

103万円 ― 65万円 = 38万円

ということです。

国税庁のHPに簡単に収入から所得金額を出す計算表があるので、よかったらご覧ください。

所得金額が38万円を超えちゃったらもうだめなのか…

そう思っている方も多いですし、これで人を雇う立場の方も年末ご苦労することが多いです。

社長、103万円超えそうなので、シフト調節してもらえませんか?」って言うあれです。

しかしそれは、早合点です。

御存知の通り「配偶者特別控除」という物があるからです。

そのお話をしていきたいと思います。


配偶者特別控除って?

配偶者特別控除の概要

配偶者に38万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。これを配偶者特別控除といいます。

なお、配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできません

配偶者特別控除を受けるための要件

(1) 控除を受ける人のその年における合計所得金額が1,000万円以下であること。

(2) 配偶者が、次の五つの要件すべてに当てはまること。

イ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。

ロ 控除を受ける人と生計を一にしていること。

ハ その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

ニ 他の人の扶養親族となっていないこと。

ホ 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満(注)であること。

(注)平成30年分以後は、配偶者の年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であることが要件になります。(国税庁HPより)


ま、こういうことです。と言うのは乱暴です。

収入と所得でわかりにくいのですが、国税庁HPを参考にまとめてみました。

現行の場合、どれだけの収入まで、と配偶者特別控除を受けられるのか? が、わかります。



≪クリックして拡大≫


実際には149万9,999円まで配偶者特別控除を受けることが出来ます。

それと、104万9,999円までは38万円ですから、実際には103万円の壁じゃなくて105万円の壁だったのかもしれません。


平成30年からどうなるの?

平成30年から、上の国税庁HPからの抜粋の中にも書いてありましたが、平成30年分以後は、配偶者の年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であることが要件になります。

と書いてありました。

この概要は下記のようになります。



≪クリックして拡大≫


ご主人の給料が年収900万円以下の場合ですと、201万4,286円まで配偶者特別控除を受けることができ、38万円の控除を受けることができる金額も150万円になります。

国からすると、

パートの主婦はなるべく社会保険に加入させて社会保険に加入させ、配偶者特別控除の枠を広げて税金を軽減させよう

というかたちです。


パート先等で社会保険に加入するとどうなる?

実は収入によって変わるわけです。

全国健康保険協会(協会けんぽ)ですと、こんな風になります。

お住いの都道府県や一部職種によっても違います。

(1) 協会けんぽのHPを開く


→ 全国健康保険協会のHPはこちら

(2) 該当の期間を選択




≪クリックして拡大≫


(3) 都道府県を選択



(4) こういうPDFが表示されます




上の表は見づらいので、拡大します。

↓ ↓ ↓



≪クリックして拡大≫


加入したての金額は会社に聞いたほうがいいですが、大体契約金額とか時間から確認できるでしょう。

例えば、月10万円くらい、だった場合、確認できます。

10万円ですと、等級5となりますね。

40歳を超えている方ですと介護保険2号被保険者に該当する場合となります。

健康保険料:5,644円
年金保険料:8,967円
合計:1万4,611円

年金は厚生年金のため、国民年金 + の上乗せですので、生涯受け取ることを考えるとこの支出を損得にいれて考えるのは妥当ではありませんが、月の収入が8万円で社会保険未加入だった人が収入10万円になった場合の試算です。

年間収入金額


100万円 → 120万円 + 20万円

社会保険料


0円 → 17万5,332円 + 17万5,332円

配偶者控除、配偶者特別控除の額


38万円 → 21万円(平成29年)
38万円 → 38万円(平成30年~)

所得税・住民税の変化


年間約3万円の増加

現状ですと、毎月の家計については、100万円を120万円にしても現状では行って来い…という感じですが、

長めで見るとそんなに損することではないと思います

さらに、来年以降は120万円収入があっても基礎控除が増えますので、結構良い環境かもしれませんね。

また、増やした収入の一部を将来の資産形成に当てたり、自分で収入を得るためなどのスキル習得にかけたり、いろんなお金の使いみちが出てきます。楽しみも増えると思いますよ。


考え方一つで選択が変わります



で、結局どうしたら得なんですか? 損なんですか? という話に行き着きます。

それはご家庭によって違うでしょうが、

世帯の収入を上げたい、でも手取りはどう変わるの?

となると思いますが、選択肢はこうなります。

A 105万円の年間収入で38万円の控除を受けながら、社会保険も扶養範囲内で暮らす

B 130万円の年間収入で社会保険に加入し、配偶者特別控除を受ける

C 年間収入をもっと増やす

で、結局のところ何が得で、何が損なんだ…

ここからという話に行き着くのですが何が得で何が損? と考える前に

1,000万円の手取り収入があって、500万円税金を払っている状態と

300万円の手取り収入があって、30万円の税金を払っている状態…

どっちがいいですか? というお話です。

これはちょっと極論ですが、今の時代はこういう考え方も大切だと思います

節約も大切ですが、それ以上に収入が増えることにはメリットもたくさんあります。

しかしながら、これは人それぞれのライフプランやライフスタイルによることは事実ですが、これからも安定した収入を得て、必要なことにお金をかけ、将来お金の不安がないように…。

そう考えていくと、いろんなアイデアが湧いてくるのではないでしょうか?

難しい言葉も多かったですが、ぜひ参考にしていただければと思います。(執筆者:阿久津 和宏)

配偶者控除等の見直しで「働く妻の壁」はなくなったか? 年末調整で提出する申告書の様式変更と合わせて考えてみる

今年も年末調整の時期



今年もサラリーマン・会社員の年末調整に関する書類が配布される時期がやってきた。

便宜上、勤務先からは「扶養控除等申告書」と「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」の2つが同時に配布されるが、扶養控除等申告書は平成30年分のもので保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書は平成29年分のものになる。

「毎年同じ様な書類に、例年通りに記入して人事部(給与担当課)へ提出すれば済むことだから…」と安易に考えている人は多いと思われる。

しかし、実は平成30年分以降は「配偶者控除・配偶者特別控除の見直し」が実施されることにともない、年末調整書類の一つである「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の様式が変更されていることには注意が必要だ。

本稿では「平成30年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を参照しながら、様式の変更点と配偶者控除等の控除額がどの様に改正されたかをポイントを絞って説明したいと思う。


≪クリックで拡大≫



申告書の大きな変更点

申告書における大きな変更点は、区分Aの「源泉控除対象配偶者」という名称が新しくできたことだ。

平成29年分では「控除対象配偶者」と表記されていた。

源泉控除対象配偶者とは


源泉控除対象配偶者とは、平成30年中の本人(家計を支える世帯主)の合計所得の見込額が900万円以下(給与収入のみの場合、年収1,120万円以下)の者と生計を一にする配偶者のうち、平成30年中の所得の見込額が85万円以下(給与所得だけの場合、給与収入金額150万円以下)である配偶者をいう。

平成29年分までの控除対象配偶者は、本人と生計を一にする配偶者のうち、平成29年中の所得の見積額が38万円以下(給与所得だけの場合、給与収入金額103万円以下)の配偶者となっていた。

平成30年分から控除額38万円となる配偶者の範囲が拡大され、平成29年以前は対象とならなかった所得の見積額が38万円超85万円以下の配偶者も、この「区分A」欄に記入することになるので記入漏れがないようにしたい

「同一生計配偶者」という名称について


また今回の制度改正で、あらたに「同一生計配偶者」という名称ができた。

同一生計配偶者とは、納税者本人(所得制限なし)と生計を一にする配偶者のうち、所得の見込額が38万円以下(給与所得だけの場合、給与収入金額が103万円以下)の人となっている。

なお、少しややこしくなるのだが「控除対象配偶者」という名称は平成30年分以降も残る

これまでの「控除対象配偶者」の定義が変わる


しかし、平成29年以前とは定義が異なっており、同一生計配偶者のうち、世帯主本人の所得の見積額が1,000万円以下である者の配偶者となっている。

もちろん、控除対象配偶者が70歳以上であれば、老人控除対象配偶者として配偶者控除額に一定の上乗せがある

平成29年までと異なり平成30年分からは配偶者の所得の見込額が38万円以下であっても、納税者本人の合計所得金額1,000万円超(給与所得だけの場合、給与収入金額が1,120万円超)であれば配偶者控除の適用が受けらないので、扶養控除等申告書に記入できなくなった。この点も要注目だ。

配偶者の範囲を以下に図解したので、本人(世帯主)所得と配偶者所得の関係でどのような取り扱いになるのかあらためて確認をしてほしい。



≪画像元:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」≫



控除対象の扶養親族について

控除対象の扶養親族についても触れておこう。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の区分Bの控除対象扶養親族には16歳以上の扶養親族が対象となる。

この年齢は年末時点の年齢なので、平成30年分の申告書については、平成15年1月1日以前に生まれた人が該当する

したがって、平成30年春から高校生になる子どもがいる場合は、必ず「区分B」欄に記入すること

控除額が3段階に区分される


既に説明した通り、平成30年からは本人の合計所得金額が1,000万円(給与収入のみの場合は1,220万円)を超える場合、配偶者控除の適用を受けることはできなくなる

ただ、配偶者控除の控除額は納税者本人の合計所得金額により、控除額が3段階(所得金額900万円以下・900万円超~950万円以下・950万円超~1,000万円以下)に区分される

対象配偶者の合計所得金額も拡大される


また、「配偶者特別控除」の対象となる配偶者の合計所得金額が、38万円超123万円以下(給与収入のみ場合、103万円超201万円)に拡大されることも平成30年からの大きな変更点だ。

配偶者控除と同様、納税者の合計所得金額に応じて控除額が3段階に区分される

尚、納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、従来どおり配偶者特別控除の適用はない

世帯主本人と配偶者の収入(所得)に応じて、配偶者控除及び、配偶者特別控除の控除額がいくらになるかを表にまとめたので、自身の控除額がどれに当てはまるか確認してみよう。






税金の面からは存在しないこととなる「働く妻の壁」だが

平成30年から適用される今回の改正によって、配偶者の収入が一定以上になると世帯主の手取りが逆転してしまう現象(いわゆる「働く妻の壁」と表現される)は、少なくとも税金の面からは存在しないことになった。

しかしながら、いわゆる「130万円の壁」や「106万円の壁」といった「社会保険上の壁」はこれからも残ったままになる。

社会保険上の壁を超えてしまうと、妻(配偶者)は自分で社会保険(厚生年金保険・健康保険など)に加入する義務が発生し保険料を負担することになるため、年収が一定以上になるまで手取の逆転現象がおきてしまう。

また、妻(配偶者)に対して、夫の勤務先から支給される「配偶者手当等」がある場合は、妻の年収が増えることで手当が支給されなくなる可能性もある


最後に



今回の配偶者控除等に関する改正で、妻(配偶者)が働き方を調整する理由がなくなったとはまだいえない状況だ。

ただ、税負担という観点だけでみると、今回の改正は多くの世帯にとって妻(配偶者)の収入を増やすための追い風もしくはインセンティブになるかもしれない。

妻(配偶者)が働くことで、世帯全体の収入が増えれば、経済的な余裕が生まれて現役時代だけでなくリタイア後もライフプラン上の選択肢を増やすことができるだろう。

「働く妻の壁」を過度に意識することなく、その仕組みをしっかりと理解して自身のライフプランを考えた際、どのような「働き方の選択」がより良いのか、長期的な視点で判断していくことが大切だ。(執筆者:完山 芳男)