選挙

選挙に勝つための「バラマキ政策」は借金しか残さない。社会福祉が充実するなら「増税」にも賛成します。

2017年9月28日に衆議院が解散し、10月22日投開票に向けて選挙戦がスタートしました。「安倍一強体制」を阻止しようと、各党がさまざまな公約を掲げています。

自民党vs希望の党vs立憲民主党の三つ巴の戦いが始まりました。

そこで今回は、衆院選で最大の争点となっている消費増税問題に焦点を当てて考えてみたいと思います。




各党の「消費税」についての政策

消費税引き上げか、それとも現状維持か3政党をみてみると次のようになります。

自民党


基本的には消費税を8%から10%へ引き上げる政策です。

希望の党


消費増税を凍結し、現状の8%のまま据え置く政策です。

立憲民主党


消費増税に反対という政策です。

これを踏まえたうえで、日本の財政状況と世界各国の消費税などを見ていきましょう。


日本の財政状況

日本の財政は、世界の主要国で断トツで悪いというのをご存じでしょうか?

日本は、世界一の借金大国なのです。日本の借金総額は、なんと1073兆円もあります。どうやって返済するのでしょうか?

このようなことを言うと、
「日本は借金も多いが資産もたくさん持っているから大丈夫だ」

「そもそも、国の借金など返す必要がないのだから、どんどん国債を発行して借金を続ければよい」
という人もいるでしょう。

本当にそれでいいのでしょうか?

問題点1. 日本が持っている資産で本当に売却できる資産がどのくらいあるのでしょうか?

問題点2. どんどん国債を発行し、財政状態が悪化をすれば、どうなるのでしょうか?
資産とは、売却できて初めて価値があります

日本円の価値は、日本銀行の信用があってこそ成り立っているのです。

世界中の人々に
「日本の財政は、本当に不安だ。もう日本円なんて信用できない」
と思われた瞬間に、日本円の価値は大暴落を起こします。

大幅な円安になり、物価が物凄い勢いで上がってしまうハイパーインフレになってしまうかもしれません。そうならないためにも、財政規律は大変重要なのです。

ちなみに、世界の主要国の政府債務残高を対GDP比で比較してみたら、下記の表のようになります。



GDPとは


簡単に言うと、国力です。言い換えれば、国の稼ぐ力です。世界の主要国で、稼ぐ力の2倍以上も借金がある国などないのです。

こんな状態になってしまった原因は、政治家のバラマキ政策です。

幼児教育無償化やこども手当などが典型例


選挙の時に「〇〇無償化や〇〇手当」など一見、国民が喜びそうな政策がありますよね。

選挙に勝つために、将来の日本のことを考えずにばらまいてきた結果が、世界一の借金大国です。

こんなにひどい財政状態にもかかわらず、消費税を引き上げないでいいのでしょうか?


大きな政府vs小さな政府

学生時代に、社会科で「大きな政府」と「小さな政府」という言葉を習ったと思います。

大きな政府&高い税金


政府が社会福祉などのサービスを充実させる代わりに、税金も高くするというものです。

社会福祉とは、
・ 医療
・ 介護
・ 年金
・ 教育
などです。

これらの面倒を政府が見ますので、国民の皆様には安心した生活を送ってくださいということです。



小さな政府&低い税金


社会福祉などのサービスは政府があまり関与せず、民間に任せます。その代り、税金は低くしますというものです。
・ 病気が心配なら、自分で民間の保険に加入してください
・ 老後の年金も、自分で貯めてください
・ 介護や教育費なども、自分で用意してください
その代わりに、税金は低く致しますので、お願いしますということです。

皆さんは、どちらがいいですか?


今までの日本は、大きな政府&低い税金でした。これを、バラマキ政策といいます。しかし、そんな都合の良いことが長続きするはずはありません

お金が天から降ってくると、最初はうれしくて拾うかもしれません。

しかし、毎日毎日、お金が天から降ってこれば、やがてお金の価値は下がり、インフレになることは誰でも理解できるでしょう。


北欧における社会福祉の充実度は世界トップクラス

北欧の国は、世界でもトップクラスの社会福祉の充実度です。デンマークやスウェーデンでは、医療費無料、出産費無料、教育費無料…多くのサービスが無料で受けられるのです。

これぞ世界トップクラスの社会福祉の充実度です。しかし、消費税率は25%です。

たくさん税金を払えば、あとは国が面倒を見てあげますよということです。



社会福祉の充実を求めるなら「増税」


日本も北欧のように、充実した社会福祉を求めるのであれば、消費税は絶対に引き上げるべきです。

ちなみに、国際通貨基金(IMF)は、
日本の消費税率を少なくとも15%以上に引き上げるべきだ
といっています。正しく税金を使ってくれれば、増税は必要な政策だと思います。

政治家の皆様には、目先の選挙対策だけを考えず、将来の日本のことを考えた政策をお願いしたいです。(執筆者:渡邊 一慶)

「消費税を引き上げると誰にどのような影響があるのか」あなたはどこまで知っていますか?

衆議院議員選挙が始まる



10月10日に公示された衆議院議員選挙(投開票10月22日)の争点の一つでもある消費税。その税率を引き上げるのか、はたまた使い道をどうするかについて議論されています。

しかし「消費税がどういうものなのか」を、身近過ぎて実はよく分かっていない人も多いようです。

そこで、消費税の仕組みを解説し、もし消費税を引き上げると誰にどのような影響があるのかについても解説したいと思います。

*このコラムでは、地方消費税も含めて「消費税」と表記します。


消費税について

消費税は間接税と呼ばれていますが、これは「税金を負担する者」と「税金を納める者」が異なることを意味しています

消費税を負担するのは、私たち「消費者」です。しかし、私たちがいちいち消費税の確定申告をすることなどありません。消費税を納付するのは、商品を売った「事業者」だからです。

逆に、所得税や法人税のように、「税金を負担する者」と「税金を納める者」が同じ税金のことを「直接税」と呼びます。

ここで、つい誤解されてしまうのが、
「事業者だって商品を買う(仕入れる)んだから、消費税を負担するじゃないか」
ということです。しかし、事業者は消費税の「負担」はしません。次のようなケースで考えてみましょう。

ケース1 事業者側から消費税




この場合、製造業者Aは8円の消費税を預かり、その8円を税務署へ納付します(材料仕入が無かったと仮定)。製造業者は預かった8円を納めただけなので負担は0円です。

販売業者Bは一時的に8円の消費税を払っていますが、その代わり消費者Cからは24円の消費税を預かっています。差額16円のお金が残ることになるので、それを税務署へ納付します。
「預かった24円-払った8円=納付した16円」
です。

結果として、販売業者Bは消費税を全く負担していません。結局、消費税を負担しているのは消費者Cのみです。

つまり、消費税をあえて悪く言えば、「消費者のみから負担させる税」と言い換えることができます。

仕組み上、商売をしている立場からすると、消費税率の引き上げは計算のパーセンテージが変わるだけに過ぎません。

だからこそ、事業者側から消費税率引き上げに関して、大きな反対の声が上がってきません

事業者にとって消費税率の引き上げが経営にダメージを与えないか?


いえ、着実にダメージを与えます。

一般的にも言われている通り、「消費を冷やす」と考えられます。たとえば、たばこ税を引き上げる際には、税収増と共に喫煙者の減少を期待します。

税負担が増えることで、その消費が減るのは当然です。

同様に、消費税率を引き上げれば、消費全体が減るのも当然です。とはいえ、昨今は消費税率5%時の消費を取り戻しつつあると言われています。

結果的に元に戻るのであれば、消費税率を上げても長期的に問題ないではないかとも考えられます。特に、ヨーロッパを始めとする先進国では、20%前後の消費税率もあたり前になっています。



日本は消費税を上げる余地があるか?


まだまだ、日本も消費税を上げる余地があるという人が多いのも事実です。

しかし、ヨーロッパは移民の受け入れや少子化対策によって人口が拡大し、ある程度の消費維持が期待できる経済基盤があります

その一方で、日本では人口の減少が始まり、消費の減少が懸念されています。

はたして、今の日本経済が消費税率引き上げという、消費減退策に耐えうるだけの経済基盤を有していると言えるのでしょうか?


消費税先進国のヨーロッパで導入されている「軽減税率」

結論から申しますと、消費者にとって軽減税率は無意味です。

ケース2 軽減税率




消費者Cは値段が高くなるため、支出が増えます。このままでは生活が困るので、消費者C以外の人たちが買い控えるようになります。販売業者Bは売上数量が減って困るので、値下げをします。

あくまでも机上の計算ですが、売上数量を保つことを優先すれば、税込金額で消費税引き上げ前と同様の水準に至るまで値下げすることが想定されます。

一般的に、消費税率を引き上げると物価が上がると思われがちですが、実は大して変わらない、それよりも実質的に物価を下げてしまう結果を生みます

販売業者Bは、このままでは利益が減ってしまうので、製造業者Aにも値下げ交渉するものと予想されます。

一皿100円の回転寿司が平日限定で90円にしたり、大手牛丼チェーン店が割引券を配って実質的な値下げをしている姿を目にしますね。

具体的に軽減税率が適用されたケースを考える




つまり、この商品が食料品だとして、ケース2のように税率を引き上げず、ケース1のままだったとした場合です。

結論はもう、お分かりですね。

単に販売業者Bが「値下げしない」だけです。消費者Cの支出に変化はありません

事業者側・消費者側共に
「これは軽減税率適用の商品か?」
「適用されない商品か?」
を考える手間が増えるだけです。

そもそも、軽減税率を適用しているイギリスやフランスで、日本よりも安く食料品を買うことができるのでしょうか?

もちろん、赤字が続く財政を立て直すためには、消費税率引き上げを含めた税収増の議論が必要でしょう。

しかし、併せて
「消費税以外に税収を増やす方法は無いのか?」

「歳出を削減する余地はないのか?」
といった幅広い議論も望まれるところです。

投票日まで時間をただ消費するのではなく、建設的な議論が行われることを期待しています。(執筆者:小山 信康)

過去10年3回の衆議院総選挙から「選挙関連銘柄4社」の動きを分析してみました。

選挙のたびに注目される会社のその後

衆議院が臨時国会冒頭で解散されるという報道がされてから急騰した選挙関連株。毎回大きな選挙が行われる度に注目されています。

選挙後はこれらの株はどのような動きをしているのでしょうか。気になったので過去の衆議院解散・総選挙後の動きを調べてみました。


過去10年間の衆議院解散と総選挙



解散日 2009年7月21日




総選挙日 2009年8月30日

この当時は自民党の麻生太郎氏が首相、そして郵政解散後の選挙による任期満了が9月に迫る中での解散となりました。

2007年の参議院選挙で連立与党が敗北しており「ねじれ国会」といわれていた時期です。

この衆議院選挙後、民主党が政権交代を果たし鳩山由紀夫氏が首相となりました。

解散日 2012年11月16日



≪画像元:野田よしひこTwitter

総選挙日 2012年12月16日

当時首相であった民主党の野田佳彦氏は8月の時点で「近いうちに解散する」といっていましたが解散への動きを見せず、首相問責決議案が参議院に提出されるなど、国会運営に混乱を招きました

結局、野田首相が衆議院議員の定数削減に関する法案を了承するなら11月16日に解散しても良いと発言し、国会で急遽解散日が決まりました。

解散日 2014年11月21日



≪画像元:安倍晋三Twitter

総選挙日 2014年12月14日

第二次安倍内閣下において、2014年4月に消費税が5%から8%へ引き上げられました

2015年10月にはさらに税率を引き上げるという方針でしたが、2017年4月へと先送りされ、その判断を国民に仰ぐとして解散を実施しました。


選挙時に注目される銘柄

ムサシ[7521]


株価:1,997円(9/29終値)
売買単位:100株
最低投資金額:199,700円
1株当たりの年間配当金:24円(2018年3月期予想)
配当利回り:1.20%

選挙関連株で真っ先に上がる会社です。

印刷システムや情報システムなどのほか、投票箱や投票用紙の読み取り機などの選挙用機材に強みがあります。




ムサシの株価は選挙の影響が色濃く出ているのが分かります。

過去3回の衆議院解散の際の動きを見ると、解散月に非常に大きな値動きです。

月足のチャートですので、各月の中でどのように値動きしたかまでは分かりませんが、少なくとも解散月の翌月には値動きは沈静化、株価が下がっている傾向が見られます。

衆議院解散の話題が出た時点で買い、上がればすぐに売るという短期狙いなら良さそうです。

りらいあコミュニケーションズ[4708]


株価:1,298円
売買単位:100株
最低投資金額:129,800円
1株当たりの年間配当金:36円(2018年3月期予想)
配当利回り:2.77%

以前は「もしもしホットライン」という社名でした。

テレマーケティングを中心としてきましたが、時代の変化もありインターネットも活用した顧客対応やバックオフィス事業なども行っています。

選挙時においては、世論調査などの業務を請け負っています。




こちらはムサシと違い、選挙だからという値動きとは言えません。むしろ他の月に大きな値動きが見られます。

解散月の翌月は多少値下がりが見られるもの、通常の値動きの範囲内です。

選挙関連株として名前は挙がりますが、投資対象としてみるのであれば、選挙に惑わされない方がよさそうです。

グローリー[6457]


株価:3,985円
売買単位:100株
最低投資金額:398,500円
1株当たりの年間配当金:62円(2018年3月期予想)
配当利回り:1.55%

金融機関向けの出納システムやレジの釣銭機などを作っている会社です。

選挙用品としては、投票用紙分類機や投票用紙自動交付機などがあります。




チャートを見ても、解散月に大きな動きは見られません。3回の解散とも、翌月以降は少なくとも数か月以上株価が上昇しています。

2012年末頃から株価の上昇トレンドがスタートし、2013年には急に出来高が増えてきました。

業績を振り返ると、2011年に赤字を脱却して黒字転換、2013年の決算では売上で前年比約30%増となっています。

あくまでも会社の業績の方が株価へ影響しているようです。


イムラ封筒[3955]


株価:592円
売買単位:100株
最低投資金額:59,200円
1株当たりの年間配当金:10円(2018年1月期)
配当利回り:1.68%

封筒の製作から封入までを行い、DM発送も手掛けている会社です。

選挙となると、候補者の選挙活動の際に封筒やDMの需要が高まるとされ、選挙関連銘柄としてみなされています。




チャートを見ると(1) では解散月の翌月に株価が上がり、(2) では翌月に株価が下がっています。

(3) の時には300円台だった株価が一時は1000円台まで急騰しています。

翌月には値を下げ、動きは沈静化しています。(3) の時だけが異常ともいえる値動きで、業績の裏付けがあるわけでもありません。

これは明らかに選挙の影響といえますが、毎回ここまでの動きをするとは必ずしも言えません


結論

今回は選挙関連株とされる会社の中でも、ネット関連を除いて過去3回の解散後の動きを調べてみました。

結論としては
「上がったとしても選挙関連株の上昇は一時的な傾向が強い」
ということです。もし手を出すのあれば、飛び乗り・飛び降りは必須と考えておいた方がよいでしょう