課税

こんなメルカリ販売は課税される 出品タイプ3つで説明します 

すっかり国民の生活に定着したフリマアプリ「メルカリ」。



≪画像元:メルカリ


リアルなフリマへの出店やオークションサイトへの出品に敷居の高さを感じていた人も、メルカリのおかげで日常品を気軽に売買できるようになりました。

ここで気になるのが税金です。メルカリでの売買益は、確定申告の対象にはならないのでしょうか。


よくあるこういう出品は課税の対象外

結論から言うと、

多くのメルカリ出品は課税されない可能性が高い

となります。課税されないのは、次の2つのいずれにも該当している場合です。

生活用動産が大半だから


使用目的で購入された生活用動産の売却については、所得税法上、譲渡所得課税の対象外となっています

生活用動産とは家具、什器、通勤用の自動車、衣服などといった生活に必要な動産をいいます。

ただし、貴金属や骨董、宝石などのように、1個あるいは1組の時価が30万円を超えるものは生活用動産とはならず、課税対象となります

また、お宝マンガやお宝グッズ、金額の高いブランド服やバッグも、相当の理由がない限りは生活用動産に該当せず、課税対象になる可能性が高いのではと思われます。

また、生活用動産でも、最初から営利目的で購入され、かつそれが頻繁かつ継続的に販売されている場合も課税対象となります

頻繁ではないから


一般人がメルカリで販売する場合、「いらなくなったとき」、「処分したいと思ったとき」だけ販売することが多いのではないかと思われます。

その場合、これが継続的・反復的である場合には、課税対象となります。

こんなメルカリ販売は課税


フリマなどで個人が売買し、利益が発生した場合、その利益には所得税が課税されます。

ただし、その利益(所得)がどのような内容かによって、税金の計算の仕方が異なります




(1) 使用目的で買い、たまたま要らなくなったから売却した場合

この場合の所得は譲渡所得に該当します。

譲渡所得はまず、その保有期間に応じ、短期譲渡所得か長期譲渡所得かに分けて所得額を計算します。

短期譲渡所得:保有期間が5年以下の場合


短期譲渡所得の総収入金額(※1)-(取得費(※2) + 譲渡費用(※3)) = 短期譲渡所得

長期譲渡所得:保有期間が5年超の場合


長期譲渡所得の総収入金額(※1) - (取得費(※2) + 譲渡費用(※3)) = 長期譲渡所得

※1総収入金額 : メルカリでの売却金額に当たります。

※2取得費 : メルカリで売るために直接かかった費用を言います。

具体的には、メルカリで販売した商品の取得価額の他、インターネット代や郵送代を言います(ただし、インターネット代など家事と共通してかかる項目は按分計算が必要です)。

上記の2つの所得に分けて計算した後、譲渡所得そのものを次の算式により算出します。

譲渡所得 = 短期譲渡所得 + 長期譲渡所得 × 1/2 ― 特別控除50万円(※3)

※3特別控除50万円 : 短期譲渡所得から先に引き、引き切れない金額があるときは長期譲渡所得 × 1/2から引きます。

譲渡益の合計額が50万円の場合は、その金額が上限となります

この算式により算出されたメルカリ販売の譲渡所得は、総合課税の対象となります


(2) たまたまではなく営利目的で、独立して頻繁かつ継続的に、事業的規模で売買を行っている場合

この場合の所得は事業所得に該当し、総合課税の対象となります。

通常は白色申告ですが、事前に青色申告の承認申請を行い、かつ、記帳を行っている場合には、青色申告が可能です

ここでいう事業的規模とは、「メルカリ販売に時間的にも金銭的にもかなりのコストをかけている」、「職業として周囲から認知されている」、「生活の糧になっている」といった点がポイントになります。

事業所得と判断されれば、損失については他の所得との損益通算が可能です。


(3) 営利目的で、独立して頻繁かつ継続的に行っているものの事業的規模ではない場合

この場合の所得は雑所得に該当し、総合課税の対象となります。

具体的には「週末だけ、あるいは夜だけメルカリ販売をやっている」といった片手間的かつ小遣い稼ぎ程度のものなどが該当します。

雑所得の場合、損失が発生しても他の所得と損益通算はできません(ただし、FXにかかわる雑所得以外の雑所得と内部通算は可能)。


まとめ



よほどメルカリ販売に熱を入れている方以外はあまり心配しなくてよさそうです。

ちなみに、先日、メルカリで振袖が大量販売された旨のニュースが流れました。

これでもし利益が発生していたら課税の対象になるかと思われますが、前後に発生した疑惑が的中していたら、税法よりも刑法や民法の問題が重視されることになりますね。(執筆者:鈴木 まゆ子)

ふるさと納税の課税ラインに要注意 「50万円以上」になると所得税も住民税も発生します

師走になり、今年もあと1か月を切りました。

年末年始の準備もさることながら、今年中にできるふるさと納税で忙しいことと思います。

所得が高い世帯になればなるほど、高額返礼品がもらえるふるさと納税に意識が行きがちです。

しかし、返礼品によっては、おいしいどころかむしろ所得税がかかることがあるので注意が必要です。




ふるさと納税はあくまでも「寄附」

「返礼品で税金を納めなきゃいけないってどういうこと? だってこっちはふるさと納税という税金を納めているのよ!」

と感じる方もいらっしゃることでしょう。

ここであらためてふるさと納税の位置づけについて説明いたします。

ふるさと納税というのは「納税」ではありません。

税法上はあくまでも「寄附」なのです。

自治体に対する寄付だからこそ、所得税や住民税においてその寄附した金額から2,000円を差し引いた金額が控除されます。

つまり、寄附した分、税金が安くなるのです。

一方、返礼品は納税という対価を支払って買える商品ではありません。

これはあくまでも「お礼」です。「おまけ」、「ノベルティグッズ」と同じようなものでしかありません。

税金には原則として「この税金を払ったからこのサービスを受けられますよ」という考え方は存在しないからです。

そのため、現実には、ふるさと納税の都度返礼品がもらえるのですが、税金の理論上は「たまたまもらえただけ」、「単なるオマケ」という位置づけであり、寄附とは何ら関連性はないのです。


いくらもらったら税金がかかるの? 計算の仕方は?

では、返礼品でいくらもらったら税金がかかるのでしょうか。

返礼品は所得税および住民税では「一時所得」に該当します。

一時所得は、次の算式で計算した金額が課税対象となります。

算式




総収入金額 - 収入を得るために支出した金額(注) - 特別控除額(最高50万円) = 一時所得の金額

(注) その収入を生じた行為をするため、または、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります(ふるさと納税はあくまでも寄附です。この「直接要した金額」に該当しません)

つまり、50万円を超えると所得税も住民税も課税されるということです。

ただ、ここで気になるのが「もらった返礼品がいくらなのか」。基本的に次のように考えます。

金銭、商品券、クーポン券など → 額面金額

宝飾品、タンス、スーツケースなどの物品 → 時価相当額

サービス → 通常そのサービスを受けるのに必要な金額

例で考えてみる


では、ここで実際に一時所得になる例を考えてみましょう。

A市からもらった返礼品 : スーツケース15万円
B市からもらった返礼品 : テレビ20万円
C市からもらった返礼品 : 真珠のネックレス30万円

それぞれは50万円未満なのですが、この場合は総額が50万円を超えているので一時所得として課税対象となります

(15万円+20万円+30万円) - 50万円 = 15万円

もし、所得税の税率が30%、住民税の所得割税率が20%であれば、この15万円に対し所得税4万5千円を、住民税3万円が課税されることになります

また、食べ物や飲み物、消耗品などいわゆる「消えモノ」だからといって税金がかからないわけではありません。

その内容や金額次第では税金がかかることがあります。

数千円のものを10件程度返礼品でもらっても税金はかかりませんが、それが365日もらうようなケースだと一時所得に該当する可能性がありますので注意しましょう。

さらに、一時所得の対象は返礼品だけではありません。

他に懸賞や福引の賞金や賞品、生命保険の一時金や損害保険の満期払戻金がある場合にはこれらも合算して一時所得となります。


最後に

ふるさと納税はメリットが大きい反面、デメリットも伴います。

両方のバランスを考えながら、上手に活用し、気持ちよく新年を迎えたいものですね。(執筆者:鈴木 まゆ子)