解約

お得で便利なはずの「定期購入」でトラブル続出 国民生活センターに相談された実例から、上手に使う方法を考えました。 

「お得な定期コース」



通販で化粧品やサプリ、健康食品などをインターネットで買う時に「お得な定期コース」を見かけることが増えましたよね。
「あれ? すっごい安い!」
と思ったら定期購入が条件で初回限定価格でがっかりしてしまう人も多いはず。

私もあまりにも安い初回限定価格に心を奪われて、契約しかけたことがあります。

解約できないトラブル


定期購入ということに気付かずに購入してしまい解約できないというトラブルに陥る人も少なくありません。

国民生活センターからも、11月16日に定期購入に関する注意が発表されました。


≪画像元:国民生活センター(pdf)≫


10代の若者から高齢者まで、幅広い年齢層が定期購入でトラブルを抱えているのです。

上手に使えば問題ない


今やだれでも知っている大手企業でも定期購入を取り入れている時代。

すべての定期購入を避けてしまっては、お得に買い物ができませんよね。

そこで、国民生活センターに寄せられた定期購入のトラブル例をご紹介するとともに、上手な定期購入との付き合い方をまとめました。


定期購入って何?

定期購入とは、あらかじめ決めておいた間隔と回数、商品が届き続ける仕組みの購入方法です。

通常であれば、化粧品を注文したら注文後に1回だけ届いて、その後使い切ったらもう一度自分で注文します。

ところが、定期購入の場合は1度購入すると、決められた回数を消化するまでずっと届き続けます。
月に1度の定期購入で購入した場合は毎月1日に商品が届き続ける
とうような仕組みです。

トラブルの原因1 しばり


解約したいと思っても「3回以上継続」などの回数縛りがある場合が多く、好きなタイミングで解約ができないこともあります。

「じゃあなんでそんな面倒くさい定期購入なんて契約するの?」と思うかもしれませんが、定期購入には
「低購入限定初回お試し価格」
「送料無料」
「通常価格よりも○○%お得」
などの甘い蜜が用意されているのです。

トラブルの原因2 わかりづらい




定期購入かどうかがわかりづらい作りのサイトも少なくありません

知らず知らずのうちの定期購入で契約してしまう人が続出しているのです。


国民生活センターに寄せられた定期購入トラブル

実際に起きた定期購入トラブルを簡単にご紹介します。

お試しのつもりで申し込んだけど定期購入が条件だった


・ ダイエット青汁をお試しのつもりで注文したら2回目が届き、定期購入契約であったと初めて知った。電話をすると4回の定期購入だと言われた(40代女性)

・ 男性用化粧品セットが500円だったので購入したら定期購入だった。2回目以降は8,000円で自分は高校生だから支払えない(10代男性)

・ 定期購入と知らずに500円のサプリを注文したら、2度目が届いた。

飲んだら全身に湿疹がでたのでやめたいと連絡したら「通常価格と定期購入価格の2回分の差額1万6,500円を支払わなければ解約できない」と言われた。(40代女性)

解約したいけど電話がつながらない


定期購入とわかっていて、購入したが使うとチクチクと刺激を感じるので解約しようと思った。

ホームページに掲載されている解約条件に合致していたため、解約の電話をしても全くつながらない。メールをしても無視される。(30代女性)

参照:国民生活センター「お試し」のつもりが「定期購入」に!?第2弾(pdf)


グラフでみるトラブルの状況

多くの人が定期購入と知らずに購入して、後から解約できないという落とし穴に陥っています。

国民生活センターに寄せられた相談から、トラブルの状況をグラフにしてみました。

1. 定期購入に関する相談件数




定期購入の増加とともに、定期購入で困っている人も急増しています。

2. 相談者の男女比




2011年から2017年10月31日までに相談した人の性別は男性が20.5%、女性が79.5%、と圧倒的に女性の割合が多くなっています。

3. 相談した女性の年齢層




なんと、びっくりすることに60代以上よりも30歳から50代が半数を占めているのです。

確かに、女性は30代を過ぎると急にお肌や体力の衰えを感じて、スキンケアやサプリなどのケアを真剣に検討します。

私も何度、美白化粧水を注文しかけたことか…。

30代から50代の女性は、特に気を付けましょう。

4. 2016年度に寄せられた相談の内訳




効果がなかったというものや健康被害があったものを抜いて「連絡が取れなかった」という相談が多いことが分かります。

多くの人が、解約したくてもできなくて困っているということです。


定期購入で泣き寝入りしないための3つの自己防衛策

定期購入トラブルに遭わないために、3つの自己防衛策をご紹介します。

1. 定期購入かどうかを見分ける


定期購入は今や、購入方法の1つとして定着しつつあります。

通信販売で何かを買う時は
「定期購入では?」
と疑いながら購入を検討しましょう。

多くのサイトが「定期コース」と明記するようにはなっているものの、いまだにびっくりするくらい小さな字で「※こちらは定期コース」などと書いてあるサイトもあります

定期購入サイトでよく使われているワード

このワードが出てきたら「定期購入かも」と疑ってみましょう。

・初回限定価格

・初回限定お試し価格

・安心お届け便

・定期便お試し価格

2. 回数縛りの有無を確認


定期購入とわかって購入する場合、大切なのは回数縛りです。

多くの定期購入が、回数縛り制度を導入していて「2回以上継続したら解約できます」などと定めています。

「定期購入〇回縛りあり」とか「3回届いたら解約できます」とは大きく書いてないので、自分で回数縛りの有無を探す必要があります

私が、数十個の通販サイトを確認したところ、ほとんどが定期購入ボタンをおした後に回数縛りについて触れていました

そこにもない場合はサイトの一番下の「特定商取引に関する法律に基づく表示」というページに書かれている場合もあります。

回数縛りが5回以上などと、長く設定されている場合は「本当にそんなに使うかな」と自問自答して慎重に検討しましょう。

3. 本当に解約できるかどうか電話で確認




先ほどの国民生活センターに寄せられた相談の中でも一番多かったのが「連絡不能」でした。

解約用の電話番号に電話をかけてもつながらず解約したくてもできない、というトラブルが続出しています。

超大手企業以外は、契約する前に解約用の電話番号に電話をしてみましょう。

何回電話をしても話し中だったり誰も出なかったりするようであれば、トラブル例のように解約できない可能性があります。

本当に大人気で電話が混みあっているだけというケースも考えられますが、大人気で電話が混みあってつながらないのであれば解約できないので同じことです。

ちゃんと電話に出たら
「公式サイトで購入を検討しているけど解約方法を知りたい」
と正直に言えば、より分かりやすく説明してもらえるはずです。

そこで、解約をすすめないようなトークが繰り広げられるようだったら、購入は避けた方が無難です。

解約するときに、あの手この手で阻止しようとする可能性があります。


メリットとデメリットを知るとトラブルも減る

定期購入について、トラブル事例をいくつがあげました。

多くの場合は商品を購入する際に、一度確認するとトラブルを回避できます。

メリット


・ 在庫切れの心配がない

・ 注文する手間が省ける

・ 通常購入よりも安い

・ 送料無料になる場合が多い

・ 初回限定価格が激安

デメリット


・ 回数縛りがある場合は、気に入らなくても使わなければならない

・ 解約手続きが面倒

・ 解約できないなどのトラブルに遭う可能性がある

本当に使い続けるつもりあれば、お得に購入ができる仕組みです。

定期購入を決めたら、「回数縛りの有無」や「解約できるかどうか」を自分で確認するようにしましょう。(執筆者:平林 亮子)

「保険料の支払いが苦しい」解約を検討する前に活用したい保険の機能 第4弾:高度障害保険金

今回は、健康を損い、保険料の支払いに窮したケースで役に立つ保険の知識を紹介します。

病気やケガで就業不能となった場合など、保険料を支払えないからと保険を諦める人も多いですが、保険料の支払いが不要となるケースもあることを知っておきましょう。

関連記事

第1弾:払済保険と延長保険

第2弾:減額・特約解約と転換

第3弾:自動振替貸付と契約者貸付


高度障害保険金を請求する



生命保険で保障されるのは、死亡時だけではないことをご存知でしょうか。

「高度障害状態」になったときも、保険金(死亡保険金と同額)を請求することができます。この保険金を「高度障害保険金」と呼びます。

高度障害保険金が支払われると、同時に保険契約は終了し、保険料の支払いも不要です。

請求できる条件は以下のとおりです。

所定の高度障害状態とは


約款には、所定の高度障害状態として以下のように記載されています。

約款の文言は少しわかりづらいので、【具体的な状態】もそれぞれ説明します。

1. 両眼の視力を全く永久に失ったもの

【具体的な状態】両眼を失明した状態。矯正視力が0.02以下で回復の見込みがない。

2. 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの

【具体的な状態】音声言語による意思の疎通がまったくできない状態(失語症、声帯全摘など)。または、そしゃくの機能障害で流動食以外のものが摂取できない状態。

3. 中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの

【具体的な状態】脳から脊髄まで続く神経の中心部・精神、呼吸器、循環器などの障害により、介護なしでは生活できない状態。

(1) 食物の摂取

(2) 排便・排尿・その後の始末

(3) 衣服の着脱・起居・歩行・入浴

いずれも自力でできない状態。

4. 両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの

【具体的な状態】両腕を失ったか、まったく動かなくなった状態(完全硬直)。

5. 両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの

【具体的な状態】両足を失ったか、まったく動かなくなった状態(完全硬直)。

6. 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの

【具体的な状態】片腕を失い、かつ片足を失ったかまったく動かなくなった状態(完全硬直)。

7. 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

【具体的な状態】片腕がまったく動かない(完全硬直)、かつ片足を失った状態。

高度障害保険金を受け取る条件


・高度傷害状態の原因が、保険の責任開始日以後の傷害(不慮の事故)または疾病であること

・約款所定の高度傷害状態に該当すること

・症状の回復が見込めないこと

・保険会社所定の診断書に、医師がこれらを証明すること

これらの状態をすべて満たした場合のみ、高度障害保険金を受け取ることができます

例えば、一時的に両腕が動かなくなり、リハビリをすれば回復する、というケースは対象外です。


保険料払い込み免除



一般的な生命保険は、不慮の事故からその日を含めて180日以内に、被保険者(学資保険の場合は契約者)が所定の身体障害状態になったとき、以後の保険料の支払いが不要です。

所定の身体障害状態の例


・ 1眼の視力を全く永久に失ったもの

・ 両耳の聴力を全く永久に失ったもの

・ 脊柱に著しい奇形または運動障害を永久に残すものなど

高度障害保険金の支払い要件はどの保険会社もほとんど差がない一方、保険料免除の条件である「所定の身体障害状態」は保険会社によってさまざまです。

ご契約の保険の約款を確認し、どのようなときに保険料が免除となるのか確認しておきましょう。

保険料免除が認められれば、以後の保険料は不要となり、保障は満期まで継続されます。

商品によってはその他の状態で保険料免除となる場合も


保険料免除特約(特則)のついた契約なら、上記以外にも一定の状態となったときに保険料の支払いが免除となります。主な要件を以下に列挙します。

・三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)と診断されたとき(入院や手術、労働制限があることが条件になるものもある)

・所定の身体障害状態になったとき(視力・聴力の障害や、上肢・下肢(手指含む)の障害、内臓の障害など)

・所定の介護状態が継続しているとき

この条件も保険会社や保険商品によってかなり差があります

もしこの特約をつけるのであれば、比較的条件が厳しくないものを選ぶことがポイントです。

大病を患ったり身体が不自由な中、保険料を払い込むことなく保険を継続できれば、保険はよりありがたい存在となるでしょう。


保険を賢く役立てましょう



高度障害保険金の支払い、保険料免除に該当する条件は、いずれも「回復の見込みがない」ことが条件であるなど、非常に重篤な状態に限られています。しかしだからこそ、困ったときに役立つ機能です。

保険料の支払いに窮したとき、役に立つ保険の機能を4回にわたって紹介してきました。保険料が払えないとき、解約ばかりができることではありません

保険を有効に役立てるため、ぜひ参考にしてみてください。(執筆者:近藤 あやこ)

【「保険料の支払いが苦しい」時の対応シリーズ】
第1弾:払済保険と延長保険
第2弾:減額・特約解約と転換
第3弾:自動振替貸付と契約者貸付
第4弾:高度障害保険金 ←いまここ

「保険料の支払いが苦しい」解約を検討する前に活用したい保険の機能 第三弾:自動振替貸付と契約者貸付

保険料の支払いが難しいとき、契約に変更を加えるばかりができることではありません。

自動振替貸付や契約者貸付を活用すれば、保障金額や保障期間を変えることなく契約を継続できるかもしれません。

関連記事

「保険料の支払いが苦しい」解約を検討する前に活用したい保険の機能 第一弾:払済保険と延長保険

「保険料の支払いが苦しい」解約を検討する前に活用したい保険の機能 第二弾:減額・特約解約と転換




自動振替貸付

自動振替貸付とは、保険料の払い込みが一定期間なかったとき、解約返戻金の範囲で保険会社が貸付というかたちで自動的に立て替える制度です。

通常、生命保険や医療保険は、保険料の払い込みが一定期間なければ「失効」してしまいます。

しかし、保険料をカバーする解約返戻金があれば、それを元に保険を有効に継続させることができるのです。

注意点


自動振替貸付は、特に手続きをしなくても行われる場合がほとんどです。

そのため、保険料の支払いが滞ったとき、知らぬ間に保険会社から借金をしていることになるので、注意が必要です。

また、返済はいつでも可能ですが、所定の利息がつきます

そのため、うっかり払い込みを忘れてしまったなど、一時的に保険料の支払いが困難になったときには便利な制度ですが、長期に渡り支払いの見通しが立たないのであれば、早めに契約内容の見直しをすべきです。

元利金の合計額が解約返戻金を上回ると、保険は失効してしまいます。

自動振替貸付を希望しない場合


あらかじめその旨を保険会社に申し出ておく必要があります。




契約者貸付

まとまったお金が必要となった場合、加入する保険会社からお金を借りることも可能です。

これを契約者貸付と言い、解約返戻金を担保にお金を借りることになります。

借りられる金額


解約返戻金の70〜90%の範囲、貸付利率は複利で3〜6%ほどが多く、加入する保険や保険会社によって異なります。

契約者貸付の申し込みをしたい場合


保険会社のコールセンターに電話をして書類を取り寄せます。返済はいつでもでき、信用情報などに影響を及ぼすこともありません

注意点


ただし、複利が適用されますから、借入期間が長くなれば借入金はふくらんでいきます

もしも解約返戻金を上回れば、保険は失効してしまい、いざというとき保障を受けることができません

また、祝い金や満期金を受け取る際、借入金が差し引かれます。

本来資金が必要なタイミングで、必要なお金が受け取れなくなる可能性があるので、本当に困ったときだけ契約者貸付制度を活用しましょう。




自動振替貸付と契約者貸付は計画的に!

いずれも
・ 保険料の支払いが難しいとき
・ 一時的に大きなお金が必要なとき
に有効な制度ですが、利息がかかるため慎重に行うべきです。保険を賢く有効に活用しましょう。(執筆者:近藤 あやこ)

「保険料の支払いが苦しい」解約を検討する前に活用したい保険の機能 第二弾:減額・特約解約と転換

前回は払済保険・延長保険という以後の保険料の支払いをまったくなくす方法を説明しました。

今回は、「少しでも負担を減らせれば」とお考えの方に役立つ保険の機能をご紹介します。

前回の記事はこちら→「保険料の支払いが苦しい」解約を検討する前に活用したい保険の機能 第一弾:払済保険と延長保険


減額・特約解約



減額とは、保障の一部を解約することを言います。

例えば死亡保障3,000万円の契約を、1,000万円に変えるような手続きです。

2,000万円の保障に充てられる部分の保険料は下がります。このとき、解約返戻金があれば受け取ることも可能です。

また、特約の解約によって保険料を下げることもできます。特約保障の減額を行うことも可能です。

本当に必要のない保障だけを減額の対象にする


いずれも、単純に保険料負担を減らしたいから、という理由で行うのではなく、本当に必要のない保障だけを減額の対象としましょう
・ 子どもの独立によって大きな保障の必要性がなくなった

・ 住宅購入の際団体信用生命保険に加入したため、生命保険で大きな死亡保障を備える必要がなくなった
などのケースに有効と言えるでしょう。

ただし、保険会社によっては最低保障金額を設定している場合があり、それを下回る金額へ減額することはできません

また、主契約の減額を行うと同時に特約部分も減額の対象となるケースもあります。




転換

転換とは、現在加入する保険を活用し、新しい保険に加入する手続きを言います。イメージとしては、車の乗り換えに似ています。

新しい車(保険)を購入する経済的負担を少しでもやわらげるため、古い車(保険)を下取りに出すのです。

保険を手厚くもできます


転換は、保険料を下げる以外にも、今と同じ保険料で保障を手厚くすることに役立てられる場合もあります
・ 主契約と特約の組み合わせ
・ 保障額
・ 保険料の払込方法
・ 保険期間および保険料払込期間
・ 配当方法
など、さまざまな要素を見直し、新しい保険へ切り替えを行います。

注意!転換は慎重に


掛け捨て型の定期保険に変わっていた、払い込み期間が延長されていたなど、保険料を下げるため、本意でない変更が行われることも少なくありません

また、予定利率が高水準の、昔に加入したいわゆる「お宝保険」は、転換すると結局損をしてしまうことがほとんどです。

転換をすると、その時点での予定利率で保険料が計算されるためです。

一見お得に見えても、後々トラブルを引き起こすおそれのある転換。保険会社の営業社員の勧めに飛びつかず、冷静に判断することが大切です。




まとめ

保険料負担を減らす方法として
・ 減額
・ 特約解約(減額)
・ 転換
を紹介しました。

いずれも保険料を減らすには有効な手段ですが、慎重に行わなければ後のトラブルにつながるので注意してください。

次回は、契約者貸付、自動振替貸付といった保険の継続方法について解説します。(執筆者:近藤 あやこ)

「保険料の支払いが苦しい」解約を検討する前に活用したい保険の機能 第一弾:保障の減額や保障期間短縮

契約時よく検討し、保険料支払いの見通しを立てて加入した保険でも、家族や仕事を取り巻く環境の変化などにより、支払いが困難になることもあるでしょう。

そんなとき、保険は解約するしかないのでしょうか。

全4回に分け、解約を検討する前に活用したい保険の機能についてお伝えします。

今回は、保険料の支払いをなくし、契約を継続する2つの方法をご紹介します。




1. 払済保険

保障(死亡保険金・満期保険金)の金額を下げた同じ種類の保険、または養老保険に変更するのが払済保険です。

それまでに積み立てた解約払戻金を一時払保険料に充当することで、保障期間を変えることなく保険を継続できます。

解約すると以後の保障がまったくなくなってしまうだけでなく、元本割れ(支払った保険料を解約払戻金が下回る)を起こす可能性があります

払済保険なら、元本割れを避け、有利に契約を続けられる点が大きなメリットでしょう。



払済保険の特徴


・保障期間:契約時のまま

・保険料:以後の支払いは不要

・保障金額:減額する

・解約払戻金:一旦0になるが、払済へ変更後も契約時の予定利率で運用されるため、少しずつ増える


2. 延長保険



こちらも保険料の支払いが苦しくなったとき、検討したい制度です。

解約払戻金を一時払保険料に充当し、以後の保険料負担をなくすことができる点は、払済保険と同様です。

異なるのは、保障期間と保険金額。保険金額はそのままで、保障期間を短くするのが延長保険です。要は、元の保障と同額の定期保険に切り替えるのです。

延長保険へ変更後の保障期間は、積み立てた解約払戻金の金額に応じて変わります。

また、解約返戻金は使い切り、掛け捨ての定期保険に切り替えることになるため、変更後解約しても受け取れる解約返戻金はなくなります

延長保険の特徴


・保障期間:短縮する

・保険料:以後の支払いは不要

・保険金額:契約時のまま

・解約払戻金:なくなる


払済保険・延長保険へ変更する際の注意点

払済保険・延長保険は便利な仕組みですが、以下のデメリットを知っておかなければなりません。



(1) 特約が消滅する


変更を加える保険に特約が付いていた場合、特約は消滅します。つまり、変更後はシンプルな死亡保障のみの保険です。

医療特約や介護特約など、さまざまな特約を上乗せしている場合は注意が必要です。

ただし、リビングニーズ特約のみ残せることが多いです。

(2) 一定の解約払戻金がないとできない


当然ながら一時払保険料に充当できる解約払戻金がなければ変更はできません。低解約返戻金型保険では、難しい可能性があります。

(3) 変更を取り消すには「復旧」をする


払済保険・延長保険に変更した後に、やはり元の保障に戻したいと思った場合、一定期間であれば元に戻すことができます。

この手続きを「復旧」と言います。ただし、再度告知や診査を求められたり、未払い保険料を一括で支払わなければならないなど、一定の制約があります

そのため、保険の変更は慎重に行ってください。

保険の見直しの方法はさまざまです。

保険を解約しなくても、既契約保険を活用する道はあります。次回は、保険料の負担を少しでも減らす方法を考えてみます。(執筆者:近藤 あやこ)