老後・介護

判断能力があるうちに財産管理を託す。判断ができなくなったときにサポートしてくれる3つの制度。

要介護となった人の財産口座管理



要介護となってしまった近親者の財産口座は誰が、管理したりするのが良いのか
悩むことがあります。

ある程度自立していて、ちょっとした支援で自己管理できればいいのですが、あらためて考えてみるとどうしていいのかと困ってしまうことも多いと思います。

そこで今回は、どのような対策方法があるのか分かりやすく整理しておきたいと思います。


最近の高齢者の財産事情

金融関係のシステムの合理化を利用して、高齢者の方が良く理解できていないという心理を利用して、財産のある高齢者を標的にした詐欺が多くなりました

ニュースでよく耳にする詐欺のほかにも昔からある悪徳商法の事件も増えているのが現状です。

気を付けているにもかかわらずいつ巧妙な口車に騙されてしまうか、わかりません。

介護が必要になった時、認知症になった場合どのようにして財産を守り管理していくかの準備が必要です。

成年後見制度、信託など最近はいろいろな制度が注目されています。


1. 日常生活自立支援事業

・ 認知症高齢者
・ 精神障害者
・ 知的障害者
などのうち判断能力が十分でない方が、自立した生活を送れるようにサポートします。

利用者との契約に基づいて、サービスの利用援助を受けることができます。

都道府県・指定都市社会福祉協議会(窓口は市町村の社会福祉協議会)が実施主体となっております。

対象者は、判断能力が十分でない方(認知症高齢者、精神障害者、知的障害者であって日常生活を送るために必要なサービスを受ける場合の情報の入手や理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うことが困難)が利用できることと決まっております。

しかし、事業の契約の内容について判断できる能力を有していると認められる人であることも条件となっています。

利用したいとの意思表示ができることも必要です。

実施内容


定期的に自宅へ訪問し、必要なお金を近隣の銀行等にておろし、必要な支払いについて管理してくれます。

千葉県後見支援センターの場合

≪画像元:千葉県社会福祉協議会(pdf)≫


手続きの流れについて


実施主体に対し相談市申請を行います。

実施主体は利用希望者が事業の対象者として該当するか判断した場合は意向を確認しつつ契約を行っていきます。

*体が不自由であっても判断能力や理解力がしっかりしていて、認知症症状や知的症状 精神的症状が見られない場合は利用ができないこととなっています。




利用料金


1回につき1,000円程度です。生活保護者は無料です。

千葉県後見支援センターの場合

≪画像元:千葉県社会福祉協議会(pdf)≫



2. 成年後見制度

自身での判断が難しい方々に対し、支援することや保護することが成年後見制度です。

成年後見人は、ご自身の判断能力が低下してしまった人のために、親族や弁護士、司法職などがその本人に代わりに財産の管理や契約を行うことができます

後見制度は2種類あります。

「任意後見制度」



≪画像元:法務省 成年後見制度


本人が元気なうちから、自分が認知症になってしまったときために後見人を選んでおきます。

「法定後見制度」


既に判断能力が低下してしまっている場合、家庭裁判所が後見人を選びます。

どちらの制度を利用した場合にも、後見人が本人の代わりに介護施設の入居手続きや、銀行での預金の出し入れなどが行えるようになります。

不動産の売買などについては、本人が認知症になった場合は家庭裁判所で必要であると認められた場合のみとなっています。

いつどうなるかわからないので、はやめの手続きが必要ですね。

利用料金


申請についても毎月管理していただくためにも料金が発生します。



≪画像元:法務省 成年後見制度



3. 家族信託

「家族信託法」は平成19年9月30日に施行され、徐々に認知されつつあります。

財産の所有権は本人のままですが、信頼できる家族に管理する権利だけを託すことができる制度です。

家賃や売却代金についてはそのまま所有者が得ながら、不動産の管理は信頼できる家族に任ってもらうという契約です。


≪画像元:一般社団法人 家族信託普及協会


利用料金


契約に金額がかかります。


安全に「契約」を結べない

認知症、精神障害、知的障害などの理由で、判断能力が不十分な人は不動産や預貯金などの財産を管理することが難しいことが多くなります

また、身の回りの世話をしてもらうために必要な介護サービスや老人ホームなどの介護施設などへ入所するための契約を結んだり、遺産相続の協議などが必要な場合にあっても自分で判断することができない場合があります。

このようにご自身での判断が難しいといった場合に、ご自身の代わりに契約を結び管理を行ってもらう人が必要になってきます。

悪徳商法や詐欺の被害にあう方の中には、自分での判断ができずに言われるままに契約を結んでしまう方もも少なくありません。

理解力や判断能力の低下という状況となれば、なんらかの制度を利用し財産管理を行うことができます。

お金がかかることもありますが、
前もって必要な手続きを行っておくことで、亡くなったり認知症となってしまったときでも、しっかりと管理し大切な財産を守ってもらえる
こととなります。

家族と相談しながら今後のことについて相談しておくことが、なによりも大切です。月日の流れは早いものです。

忙しいがゆえに少し立ち止まって、ご高齢になられたご両親とゆっくり話をすることも大切な時間になります。(執筆者:佐々木 政子)

親の介護費用は介護度によってこれだけ変わってくる 要介護度別、介護保険を利用した場合の費用について

介護は突然やって来る。

こんな言葉は他人事と思っている方も多いのではないでしょうか?

親御さんもご高齢になられてくるにつれて介護の心配は少なからずお持ちの方は多いかと思います。

親がなにかしらの疾患により、介護を強いられなければならない状況になる場合、どれくらいの必要がかかるのか、知っておきたいところですよね。

年金で支払えるのであれば問題ないのですが、大きな金額が発生し、子どもが負担する場合もありますよね。

そこでどれ位介護費用はかかるのか、元気なうちから知っていたほうがいざとなった時の心構えになります。

転ばぬ先の杖で、今回は介護保険を利用した場合の介護費用について、要介護度別にまとめてみました

そして、在宅で利用できる介護保険サービスについて介護度の違いによってどのくらい金額の差が出るのかをお知らせしていきたいと思います




介護保険の介護度には

介護保険の申請をすると、ご本人の身体状況や生活環境等を踏まえた介護度が認定されます。

認定調査員による調査結果と主治医の意見書から、審査会というものが行われ、介護度が判断されます。

要支援1~要介護5までの7段階の認定があります

要支援1

 
はいせつや食事など日常生活が概ね自立しているが、身の回りの一部に介助(見守りや支援)を必要とする場合や、複雑な動作に一部支えなどを必要とする場合がある状況にあります

要支援2

  
排泄や食事など日常生活が概ね自立しているが、身だしなみや身の回りの世話に介助(見守りや支援)を必要とする場合や、複雑な動作に支えが必要な場合や、移動動作に何かしらの支援が必要である状況にあります

要介護1

  
はいせつや食事は自分でほとんどできるが、理解力低下が見られることがあります。

身の回りの世話に介助(見守りや支援)が必要であり、立位の保持など複雑な動作に支援を必要とし、移動の動作においても手すりや杖などの支えを必要とする状況にあります。

要介護2

 
はいせつや食事に介助(見守りや支援)が必要であり、理解力低下がみられます。

身の回りの世話の全般に介助(見守りや支援)を必要とする状況です。

立位動作や移動動作に支援が必要とする状況にあります。

要介護3

  
排泄が自分ひとりでできないです。

歩行や移動動作が自分でできないこともあり立位動作も支援が必要です。

不安からくる落ち着かない行動や様々なことへの理解の低下が見られる状況にあります

要介護4

  
はいせつがひとりではほとんどできません。

おおくの不安行動や様々なことへの理解力の低下があります。

ほとんど立位の保持ができない、移動の動作ができないという状況です。

要介護5

  
はいせつや食事が自分ではできず身の回りの世話が必要な状況や、立位保持や移動動作ができず認知症などによる不安行動や落ち着かない状態、さまざまなことへの理解の低下が見られるといった状況です。

要支援1.要支援2については、予防段階の認定結果であるため、介護保険のサービスを有効に利用し、介護にならないように予防していく必要がある段階といえます。

要介護1~要介護5については、何らかの介護が必要である人といえますが、介護度が上がらないようにしていく必要があります




限度額について

介護保険では、一か月に利用できるサービスについて限度額がきまっています

【要支援1】  
区分支給限度額  5万30円  
利用者負担(1割)5,030円

【要支援2】  
区分支給限度額  10万4,740円  
利用者負担(1割) 1万474円

【要介護1】  
区分支給限度額  16万6,920円 
利用者負担(1割) 1万6,692円

【要介護2】  
区分支給限度額  19万6,160円 
利用者負担(1割) 1万9,692円

【要介護3】  
区分支給限度額  26万9,310円 
利用者負担(1割) 2万6,931円

【要介護4】  
区分支給限度額  30万8,060円 
利用者負担(1割) 3万806円

【要介護5】  
区分支給限度額  36万0,650円 
利用者負担(1割) 3万6,065円

限度額が増えるということは、利用できるサービスはたくさん使えることとなりますが、それなりに金額を支払うこととなるため、利用料金も増えてしまいます。

(参考元:厚生労働省)


通所介護、通所リハビリの利用について

介護度が上がればその分介護の手間がかかるということで料金は上がっていきます。

利用する場所にもよりますが、食事代などかかるところでは、利用回数が増えれば増えるだけ料金もかさみます


訪問介護の利用について

要支援の人と要介護の人の金額設定がちがいます。

要支援の人は1週間に1回~3回程度までしか利用ができないので、金額的にもおさえた金額になります。

一方、要介護のかたは、生活援助と身体介護に金額が分かれているだけですので、介護度が違っても利用した分で金額が違います。

しかし、要介護5ともなれば身体介護が頻繁に利用しなければならない状況となるため、金額も大きくなってしまう可能性があります。


福祉用具貸与、住宅改修について

  
介護度に違いがあっても利用できるレンタル商品、住宅改修の金額は変わりません。


まとめ



介護度が上がれば通所介護などの通う介護サービス費用は金額が高くなります。

訪問介護の利用についても介護度が高くなれば利用する頻度も多くなると考えられるので、必要なだけ利用するとなると金額も大きくなると予想されます。

しかし、限度額内でおさめなければ10割負担がかかってしまうため、それ以上を望まなければ、かかる料金は、限度額範囲でということになりますので、毎月の金額のめどはおおむねの予想を把握することができます。

限度額を超えるサービスの発生となれば、担当のケアマネージャーさんと相談し、介護認定の見直しを検討することで、必要経費を抑えることができます

悩んだ時、困った時が相談する時です。

ケアマネージャーさんはいつでも皆さんの声を待っていますよ。(執筆者:佐々木 政子)

親に年金がなかったら、子どもが養う。親に仕送りをしなくてよいのは「年金のおかげ」という考え方。

「公的年金」とは



高齢や障害などで働けなくなった人たちや、大黒柱を失って生活に困っている人たちを、現役世代が払う保険料と税金で支える制度です。

「年金はあてにしていない」と言う現役世代の中にも、実は、すでにあてにして生きている人が多いのではないでしょうか。

そんな観点から、今回は、コラムというよりエッセイ的なテイストでお話しします。

親の年金がなかったら、今の私たちの生活は成り立たない

「自分たちの世代はどうせもらえないからあてにしていないし、年金制度なんて要らない」
と言う人は多いですね。でも、本当にあてにしていないのでしょうか。

年金には、
・ 老齢
・ 障害
・ 遺族
と3種類の給付があります。

老齢だけを考えても、私自身や周囲の人たちの生活を見ると、しっかりあてにしているし、まだ現役で働いているけど、間接的な意味では、既に年金制度の恩恵を受けています

親に「公的年金がない」場合


私たち昭和30年代生まれの親は昭和一ケタ世代で、年金のない親を養っていました

国民年金制度が施行されたのは昭和36年、厚生年金は先代の労働者年金保険法が昭和17年に制定されています。

国民年金が施行されたときすでに高齢だった人には「老齢福祉年金」が支給されましたが、扶養義務者(子どもなど)に一定の収入があると支給されませんでした。

また、年金を受給できたとしても金額は少なく、子どもが生活費を負担しなければなりませんでした。

つまり、私たちの親世代は、その親を養いながら保険料を負担してきたわけです。

親に「公的年金がある」場合




私たち夫婦は、両親に生活費を仕送りしたことがありません。盆・暮れにお小遣いをわたす程度です。

夫婦と子供二人の生活だけを守っていればよいのは、両家の親が老齢厚生年金で暮らしているからです。

事業収入や不動産収入のないサラリーマンは、雇ってもらえなくなったら収入が途絶えます。

親に年金がなかったら、子どもが養っていかなければなりません

どうしても養えない事情があれば、最終的には生活保護もあります。

親が自分で一生懸命働いて受給権を得た、使い道も自由な年金で暮らして孫たちに小遣いもくれる状況に、私は感謝しています。


「生涯独身」や「子を持たない選択」も、年金があるからこそ

近年では、生涯独身を貫く人や、子どもを持たない選択する人も増えています。それができるのは、年金制度が定着した時代だからだと思います。

年老いた親が年金で暮らしているから「子が親を養う」という概念が薄まり、
自分が年をとったときも「子どもに養ってもらう」という発想がなくなって家族をつくることにも必要性を感じなくなった
そのように私は解釈しています。

長生きで「おトク」


「老後は子どもに頼らず自己責任」ということで貯蓄をしていても、思ったより長生きしたら生活資金が足りなくなります

一方、公的年金は死ぬまで受給できるセーフティーネットとなります。

金融に関する知識がゼロでも老後に備えられ、厚生年金は会社が半分負担してくれる、長生きするほどお得な制度だと思います。


年金制度の仕組み

公的年金は、税金と現役世代が払う保険料を財源に高齢世代に仕送りし、保険料を払うことで次の世代に支えてもらう権利を得る、順送りの「世代間扶養」の仕組みとなっています。

2017年度の国民年金保険料は月額1万6,490円です。

2017年9月以降の厚生年金保険料の本人負担額は標準報酬月額(給与等の平均)に応じて8,052円から5万6,730円で、厚生年金保険料には国民年金の分も含まれています。

親を直接養うとなれば、これだけの出費では収まりませんね。

現在の年金制度には、将来の現役世代の保険料負担が重くなりすぎないように、現役の被保険者の減少と平均余命の伸びに応じて年金額を調整(減額)していく仕組みが導入されています。

少子化対策の強化を




現在の年金制度では、少子化がいちばんの問題となっています。

子どもが欲しいけど産める状況ではない、または、2人目に踏み切れない、本当は3人欲しかったけど2人で我慢した、という人も多いですね。

子どもを持ちたいと思う人が、理想の人数を産み育てられるような社会の実現を望みます。(執筆者:服部 明美)

「介護」関連の民間保険が多様化 介護度が改善すると支払った保険料の5倍の保険金が給付される場合も

従来の逆発想の介護保険

現状の民間の介護保険は、介護状態ではない被保険者がまだ元気なうちに加入し、保険会社が規定している介護状態に該当すれば、保険金が支給される保険が主流だ。

また介護状態が継続すれば、年金形式で継続的に給付金が支給される介護保険もあるため、介護状態が改善したことによる経済的なインセンティブは働かない商品設定である。

SOMPOホールディングスとアイアル少額短期保険が昨年9月から発売した「明日へのちから」は従来の民間介護保険とは逆の発想で設計されている保険




この保険に加入できるのは、要支援・要介護認定を受けた人で、介護度が改善すると保険金が給付されるという国内初のしくみだ

年間保険料は、5,000円、1万円、2万円の3種類。

介護度が改善すると支払った保険料の5倍の保険金が、年間最大2回まで支給される
  
加入できるのは、現状SOMPOグループの介護施設の入居者だが、将来的にはグループ外の施設での拡販も計画されているようだ。


介護離職防止を目的とした保険も登場



三井住友海上火災とあいおい損保が昨年10月に発売した特約は、要介護2以上に認定された親のために介護休業を取得した人の収入減をカバーする保険。

国の介護休業制度では家族1人当たり93日まで休業が認められ、雇用保険から休業前賃金の67%の給付金が受け取れるしくみだ。

しかし93日を超えると雇用保険からの給付もストップ、収入が途絶えてしまう。

この保険では、月収を上限に、雇用保険からの給付が終了した後も保険金が支給されるので、休業が長引いた場合の収入がカバーできる内容になっているのだ。

しかし、現状では企業と契約する団体保険の特約として販売されているため、誰でも加入できるわけではない。


保険会社の商品設計は損をして得を取るという発想はない

介護関連の新商品はこれからも発売されるだろうが、民間保険会社から発売される保険商品は、上記2例のように加入者を限定するなど、保険会社が一定の利益を確保できる設定でしか商品は投入されない。
  
介護にまつわる経済不安に対応するためには、将来を見据えた貯蓄方法を確立する自助努力はかかせない。(執筆者:釜口 博)

65歳以上の一人暮らしは600万人、孤独死は年々増加…「孤独死問題」の現状をしっかり知ろう。

65歳以上の一人暮らしは600万人



日本では、2000年に300万人だった65歳以上の単身者世帯(いわゆる独居高齢者)の数が、2015年にはおよそ600万人へ倍増したことが内閣府の調査により分かっている。

さらに、2035年にはこの数が735万人になるとの推計が国立社会保障・人口問題研究所から出されている。

ひとり暮らしの高齢者が急増することによって、孤独死も増えている

「孤独死」は変死


孤独死という言葉は、社会の高齢化や核家族化が進んだ1970年から1980年頃にかけて登場した。孤独死の発生が珍しくなくなった昨今、もはや誰もが知る社会的問題となった。

孤独死というのは法的に定義された言葉ではなく、警察の死因統計の中にも孤独死という項目はない。孤独死は「変死」という項目で集計されているようだ。

孤独死を数字でみる


孤独死の発生傾向を確認するため、厚労省が発行している「人口動態統計」の死因統計から「立会者のいない死亡」というものをピックアップして、孤独死数の推計として捉えてみた。

データは、1999年から2014年までの16年間のものだが、孤独死の数は2000年代前半まではおおむね1,000件前後で推移をしていたが、その後は年々増加していき、2010年には約2500件のピークをつけた。

2011年以降も多少の増減はするものの2,000件を大きく上回っている状況だ。

男女の比率は、2000年以降では概ね男8:女2で男性の孤独死が圧倒的に多いことも分かった。

おそらくは、女性の方が,男性よりも人づきあいの頻度が高いことが背景にあるのだろう。


孤独死の現状

孤独死に関する公式な統計データが少ない中、日本少額短期保険協会による「孤独死の現状レポート2016年3月(pdf)」の内容が衝撃的だ。

東京23区内の65歳以上の孤独死者(賃貸住居内における)の数は、2002年の1,364人から2014年には2,885人と2倍を超える増加となった。


≪画像元:日本少額短期保険協会HP(pdf)≫


遺体発見までの平均日数は男性で23日女性で7日だという。


≪画像元:日本少額短期保険協会HP(pdf)≫


先に挙げた、厚労省による全国データの孤独死(立会い者のいない死亡)の数よりも、日本少額短期保険協会レポートによる東京23区内の孤独死者数が多い点に矛盾を感じる方もいるでしょう。

おそらく厚労省のデータが孤独死の発生を正確に把握しきれていないために、実態よりも相当過少になっているからだと考えられる

いずれにしても、東京を中心に都会での孤独死が圧倒的に多くまたその数は近年急増しており、さらには死後遺体が発見されるまで相当な日数が経過しているケースが大半であることは事実であろう。


孤独死のさらなる問題

孤独死が増加していること自体深刻な問題だが、さらに大きな問題は死んだ後であることも見逃せない。

住宅で孤独死が発生し、遺体が何日もそのまま放置されると、腐敗が進行して近隣に異臭騒ぎが起きることがあるからだ。

ある特殊清掃会社にはよれば、3階で亡くなった人の体液が2階を通過して1階の天井まで染み出したケースもあったとのこと。

ハエの駆除だけでも大変な作業になり、完全にきれいにするためには部屋全体をリフォームするしかないことも多いようだ。

部屋をリフォームするにしても、その後の入居者がなかなか見つからないという問題もあろう。



残置物処理費用や部屋の原状回復費用の負担


「孤独死の現状レポート」によれば、孤独死者の残置物処理費用や部屋の原状回復費用の合計額は平均60万円に及ぶとのことだ。

賃貸物件に住む身寄りのいない高齢者が亡くなった場合、その費用は家主が負担するしかない。

孤独死が社会問題化した2015年頃から、大手損害保険会社は賃貸物件の家主向け専用の保険商品を相次いで発売した。

孤独死保険





正確には、家主を対象にした火災保険に特約サービスとして付帯する「家主費用・利益保険」といわれる保険商品である。

孤独死が発生した際、遺品整理などの事故対応費用や敷金を超える清掃・修復などの現状回復費用が最大で100万円家主に支払われるという補償内容だ。

また、事故後に借り手がつかず空室となった場合の減収分なども補償対象となる。

入居者個人が加入する保険


家主が保険料を支払い、万が一孤独死が発生した時に家主が補償を受けるタイプの保険に加えて、高齢者である個人が賃貸物件に入居する際に加入して保険料を負担するタイプの孤独死保険も今後は増えていくことが予想される。

少額短期保険各社が、家財保険のオプションとして販売する「孤立死現状回復費用特約」がその一例だ。




投資用マンション・アパート経営を提案するシノケングループのジック少額短期保険によれば、同特約は2014年に販売を開始し契約件数は既に1万5,000件を超えている

保険料は2年間で2,000円、万一の際の補償額は最大で50万円とのことだ。

保険加入が入居条件も増える


保険料の負担は大きくはないが、高齢で家族や身寄りがいない人が賃貸物件に入居希望する際、家主が同特約の加入を条件にするケースが多くなることが予想される。

高齢の入居者からすれば、部屋を借りる前から「あなたは孤独死しそうな人だ」と言われるようなもので不愉快極まりないことではある。

しかし「孤立死現状回復費用特約」に加入しなければ入居できない賃貸物件が増加していることは現実である。

保険加入は「貸し渋り」よりはいい状況


身寄りのいない高齢者にアパートやマンションを貸し渋る家主は実際に多い。

急速な高齢化とともに生涯未婚率は上昇の一途で、今後、高齢者の独り暮らしは、今よりもっと当たり前の時代になっていくことは想像に難くない。

そういった状況の中、単身高齢者へ貸し渋りをしていた家主が、「孤独死保険」の加入を条件に入居を認めるケースが増えていくことは朗報なのかもしれない。


老後の課題



孤独死が頻発する現代社会が私たちにとって喜ばしい社会であるはずは決してない。

老後の課題といえば、
・ 年金
・ 老後生活資金の確保
がとかく大きな問題としてクローズアップされる。

しかしそれよりも、
・ 高齢になっても健康な心身を保つ

・ 家族をはじめとする親類との繋がりや友人たちとの交友関係を維持する
などを強化し、孤独死に至る事態を回避できる人間関係や社会を築き上げていきたいと考える。

これから人生100年時代を迎える私たちは、孤独死という問題に正面からしっかり取り組んでいく必要があろう。(執筆者:完山 芳男)

介護保険料は満40歳から強制加入 保険料、介護給付費の仕組みはどうなっている?

介護保険の使い方はなんとなくわかってきたけど、介護保険料、いつから徴収されるのかご存じですか?

社会保障制度の1つである介護保険制度の被保険者は一定の条件に該当することで本人の加入や非加入の意思の確認なく、また手続きもなく資格を取得することとなります

いわゆる強制適用(強制加入)ということになります。

近年の日本においては、超高齢化社会となってきており介護保険の利用者の増大が問題になりつつあります。

介護による離職を免れるためにも、介護保険サービス事業所の新たな増設などが必要となり国としての予算も今後は莫大にとっていくことが予想されます。

そんな中、強制加入である介護保険

どんな人が保険料を支払い、どれぐらいの料金の支払いを余儀なくされるのか調べてみました。




介護保険被保険者とは?

介護保険の被保険者には資格要件があります。

市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(第1号被保険者)。
市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者であって、特定疾患に該当する者(第2号被保険者)

です。

市町村の区域内に住所を有することによって、加入非加入の有無を問わず、また届け出ることなく被保険者となるのです。

生活保護受給者であっても65歳以上は第1号被保険者となります

しかし、第2号被保険者であって医療保険に未加入者については被保険者にはなれません。

外国人については当該市町村に住所を有している方についても被保険者となります。

ただし、住所移転等は新たに市町村の第1号被保険者の資格を取得しなければならず、転入後14日以内に転居届を市町村に提出しなければならないこととなっています。


介護保険はいつから?

介護保険料は満40歳に到達したときより徴収開始となります。

満40歳到達とは誕生日の前日のこととなります。

その日が属する月から介護保険の第2号被保険者となり、介護保険料が健康保険料と一緒に天引きされます

その後、65歳以上からは第1号被保険者となりますので、65歳到達前日に属する月より介護保険第1号被保険者となり、年金等より天引きされるようになります。

2か月に一度の年金の日に2か月分の介護保険料が天引きされているのです。

その時点で健康保険料を支払っている人に関しては40歳以上から同様、健康保険料と合わせて天引きされることとなります。

介護保険料の支払いについては、いつまでという設定はなく、亡くなるまで支払いを続けていくことになります。

皆で支える介護保険。40歳以降は亡くなるまで終わることなく支払いは続きます。

元気な高齢者の方も介護サービスを使わないと損! と考えてしまいますよね。利用できないのは元気な証拠です。

介護サービスは便利で魅力的に見えますが、健康で元気なお体にはかないませんよ。なんでも自分でできるというのは一番の宝です。




保険料について

介護保険制度における保険料は制度を支える中心的な財源です。

すべての被保険者から負担能力に応じた保険料負担を確実に求めることが、負担の公平とし制度の安定的な運営につながっています。

保険料の保険料率は、保険者である市町村が政令で定める基準に従って条例で定め、3年に一度設定しています。

保険料率の算定基準も負担能力に応じた負担をということから、低所得者に対しては負担を軽減し高所得者への負担は所得に応じたものとなっています。

保険料は、第1号被保険者は市町村が算定して徴収する形がとられています。

特別徴収と普通徴収によるものがあり、特別徴収は「老齢年金・遺族年金・障がい年金」の受給者であるものの年金支給時に年金保険者が年金から天引きする方法です。

一方、普通徴収は、特別徴収対象外の方に市町村が直接納付書を交付して年一回または分割によって徴収する方法です。


介護給付費の仕組み

介護保険料は税金で全体の50%が賄われています。

国の負担が2.5%都道府県が12.5%市区町村が12.5%です。

そして、50%は保険料で賄われています。40歳から65歳の第2号被保険者、65歳以上の第1号日保険者が負担する保険料です。

介護保険制度がスタートした時には、被保険者の負担金は全国の平均としては月額2,011円という数字でしたが、2017年度は5,514円そして2025年には8,165円になるのではないかと厚生労働省で予想されています

高齢者の増加とサービスの利用率の増加に伴いどんどんと金額があがってきています。ぎょっとしてしまいますよね。

働き盛りの人たちなら何とか支払うことはできたとしても、年金暮らしの高齢者の方々から徴収するのはちょっと大変なこととなってしまいます。


介護保険滞納者について

介護保険は強制加入となっており多くの人が天引きなため支払いを忘れることも少ない状況となっておりますが、中には滞納されている方も中にはいます。

介護を必要としないという保証のない中で、毎月請求が来ても支払わないことを選択してきた人については介護を必要となった時には大きなペナルティーが起こります。

介護保険料を一年以上滞納した場合


利用料金の支払いが、1割または2割で利用できるのですが、滞納分の納付が完了後に利用したサービスの利用料金をまずは10割負担を支払のちに領収書等を提出します。

役所へ申請手続きが終わってから9割が返還されるという形をとることとなります。

介護保険料を一年半以上滞納した場合


介護サービス費用を全額支払い。されに後日申請すれば払い戻されることになっている金額が一時差し止めされます。

2年以上滞納した場合


保険料を2年以上滞納してしまうと、自己負担が1割から3割に引き上げられてしまいます

第2号被保険者の者であって医療保険も滞納している場合、保険給付がすべてまたは一部が差し止めになる場合があります




まとめ

介護保険料は、年々高くなってきています。

利用料金が1割の人も2割負担の人もいます。今後所得により3割負担の人もいることとなります

超高齢社会の日本にとって、みんなでお互いに支え合っていかなければならないため、滞納することなく支払を行う必要があります。

また、実際の介護サービスについても過度、不要な利用は避けたいものです。

安心で便利な介護サービスに頼りたい気持ちは当然ですが、適切な利用をしていくことが今後の介護保険料の向上を抑えるカギになりそうです。(執筆者:佐々木 政子)

介護疲れで共倒れにならないための「ショートステイ」 嫌がる方に利用してもらう対応法とは

在宅介護を続けていく中で、大きな問題点として「介護疲れ」があります

特に仕事と介護を両立させながらというのは非常に難易度が高く、常に同じ状況が最期まで続くとは限りません。




ショートステイを嫌がる本当の理由を聞き出す

まず初めに出てくる理由は他人には介護されたくないという方が多いです。

介護サービスを拒否するという行為は決して珍しいことではありませんし、徐々に馴染みが深くなり、警戒心を解くところから介護サービスは始まります

ショートステイを強く拒否するケースも多く、中には施設に到着してから「無理やり連れてこられた」と職員に愚痴をいう方もいます。

ショートステイを拒否していることは悪いことではありませんが、ご家族に対して倒れるまで介護してもらいたいと希望しているのでしょうか。

近くに信頼できる身内がいることに依存している可能性もあります。

理由を聞きだすには第三者の立場が有効


ショートステイを嫌がる理由を聞き出すためには身内よりも第三者の介入がおすすめです。

認知症などの症状にもよりますが、会話がきっちりと成立する状態なのであれば、第三者の方(ケアマネージャーや相談員)などに、「なぜショートステイを嫌がるのか」をヒアリングしてもらいましょう。

身内であるあなたには甘えや依存がでてしまい、本音を聞き出すことは難しくなります。本当の理由が分かれば、次のステップに進むことも可能です。




あなたの在宅介護の着地点を考える

在宅介護は常に同じ状態がずっと続くとは限りません。あなたの考える在宅介護の着地点はどこでしょうか。

少し難しい言い方になってしまいましたが、キーパーソンであるあなた自身が最後まで健全な状態でないと、在宅介護は成立しません

今の状態が続けば、あなたは本当にボロボロになって倒れてしまうでしょう

「たら、れば」という言葉がありますが、介護にはなかなか適用が難しいです。

もし夜中だけでもしっかりと眠ってくれたら…もしショートステイを嫌がらずに利用してくれれば…などです。

その前にあなたが体調を崩して入院してしまうなどの事態になることがあれば、ご本人は緊急的に入所施設に入ることになるでしょう。

時には少し強気に説得する時があってもよいかと考えます。あなたが倒れてしまったら在宅介護自体できなくなってしまいます


ショートステイのお試し利用は上手に

本人がかたくなに拒否しているケースの場合です。

一度ショートステイを利用して、慣れてもらえれば土日をあなたの休養に充てることも可能ですが、ショートステイを利用した上で完全に嫌になってしまえば、あとは入所施設を利用するしかありません。

ケアマネージャーはショートステイの介護スタッフに本人は拒否しているうえでの利用という事を、必ず相談しています。

介護スタッフは、自ら好んで利用する人はいないことを心得ていますので、上手く対応してくれます

ショートステイの窓口になっている相談員もいます。

初回利用の際には利用者の希望、不安などに寄り添ってご本人が抱えている思いを聞きだしたり、安心して話ができるように対応してくれるものです。

お試しをして再度利用したくないと言われてしまえば、ご家族の介護負担が軽減できないことも十分に承知しています。

ショートステイの介護スタッフも全力で対応してくれます。介護スタッフの中に気の合う人がいるかもしれません。

ショートステイは短い宿泊の利用ですが、すぐに介護スタッフが親しみを持って迎えてくれます。

あまりご自分のことをお話しされない方の場合には事前にご家族から好きな物や趣味、お仕事のことなどを伺っておくこともあります。

仲良しの介護スタッフができると、ショートステイが楽しみになります。話相手だけではなく相談や思いなどのはけ口になることでしょう。

ご家族には言えない感謝の気持ちなど介護職員にこぼされる方も少なくありません。

自分の話を聞いてくれる相手がいると分かれば、次回も利用してもいいかなと思ってもらえるものです。


ショートステイは老人ホームではない

ショートステイも介護施設という事で老人ホームと同じ施設を利用することが多いです。

なんとなく気が引けるという方も多いのですが、介護スタッフもショートステイで泊まられる方に対しては、入居者の方に対する対応と少々違います。

やはりご自宅があり少しの間過ごしていただく、といった思いがありますので、食事のテーブルなどもショートステイの方々と分けている施設がほとんどです

しかし、入居者の方と仲良くなる方も多いため、その場合には仲良しの方と一緒に食事がとれるような配慮などもしています。

老人ホームは暗いというイメージがあるかもしれませんが、最近の老人ホームは働いている介護スタッフも多趣味で話が面白いことも多いです。

遠慮がちな方の希望を察して声をかける優しい介護スタッフ、入居者の方を飽きさせないように考え入居者の方が好きそうな映画や落語などを持参して楽しんでいただくといった場面も多くみられています。




介護者の緊急事態には、早い時期に強引も必要

介護者が疲労困憊している場合にはケアマネージャーと連携を取り、すぐに半ば強引にでも、ショートステイ(1日~2日)を体験してもらうことをおすすめします

介護者の負担増大による緊急対応は決して珍しいケースではありません。

そしてあなた自身が一人で落ち着ける時間を作り、今後の在宅介護について考えてみましょう。

あなたの在宅介護に対する着地点が決まれば、自信を持つことにもつながります。

介護者が具合が悪いので、今だけ少しショートステイの部屋で過ごしてほしいことを訴えればとりあえずは移動してくれるでしょう。

ご本人が納得した上で、とりあえず移動してもらえるだけで大成功なのです

もし「一人でも大丈夫だから」といわれたら、それでは心配で具合がもっと悪化すると伝えましょう。

自分が少し我慢すれば大切な家族が救われると分かれば、しぶしぶでも重い腰を浮かしてくれるものです。

ショートステイの施設まで到着すれば、ご心配は要りません。介護スタッフがご本人の気持ちを聞いたり、気持ちに寄り添って話相手にもなります。

初回の場合、利用者の不安をお解消していただくためにまずは、介護スタッフがしばらく付き添います。

窓口となっている相談員もなるべく顔を出して声を掛けに行きますので、ご家族は気負いすることなく安心して体を休めていただきたいと思います。


介護には正解がない

在宅介護を最期まで続けていきたいと考えた時、誰しもが自分の力で介護を続けることが正解だと考えてしまいます。

しかし、在宅介護は人それぞれ生活背景が異なっており、一概に正解というものも存在しません

介護サービスを併用しながら在宅介護を続けるケースもあれば、入所施設で頻繁に面会しながら顔を合わせる方も大勢います

一番つらいことは、在宅で介護者が共倒れしてしまうことです。

私の考える正解は、常に介護者、被介護者ともにベストの状態であることです。その状態から逸れていくにつれ、どちらかに必ず負担がかかってきます。

どのような環境になってもお互いを思いやる気持ち、行動は必ず相手にも伝わります。

仮にショートステイを利用することに慣れてくれば、またあなたの環境も変わるかもしれません。

逆にショートステイを利用できずに入所施設に入ることになっても、仕事を終えた後や休日の日に頻繁に面会に訪れるなど、違う角度から援助することもできるでしょう。

あなた自身をまずは健全な状態に戻すことで、判断力にも気持ちにも余裕が生まれます


まとめ

在宅で介護するということは並大抵のことではありません。それを現在まで続けてきたあなたは意思の強い方です。

今までの自分を認めてあげた上で、これからのよりよい介護につなげていただくことを切に願います。(執筆者:佐々木 政子)

「介護離職」する前に考えたい「公的支援、収入源の確保、再就職」について

親の介護を理由に職場を離職する事例が現在増えてきています。

今現在住んでいる家に親を呼ぶのではなく、もともと馴染みのある地方の実家での介護を決めた場合、仕事を転職することが一般的です。

現在の職場に介護に対する理解が深く、インターネットやパソコンなどを介して遠方から業務に携わることができるように配慮してくれる会社も出てきてはいるものの、すべての職種に当てはまるというわけではありません。

年齢や生活環境などを考慮して、一から仕事を探すことになります。

そこで仕事が見つかるかどうかなど、今の仕事を辞める前に考えてみましょう




仕事に対するこだわりが強い場合は注意が必要

現在働いている仕事を辞めた時、再び同じような職種を探したい場合は注意が必要です。

都心と地方では人口密度ももちろん異なりますが、都心で募集している職種が地方でも同じように募集しているとは限りません

「現在の仕事と同じでないとできない」というこだわりがある場合、地方の実家周辺では仕事が見つからない可能性があります。

仕事に対するこだわりがない場合には、地方でも求人は見つかる可能性が高いでしょう。

特に介護に関する求人は比較的多く、他職種からも転職している方が多いので、地方でも募集が出ていることが考えられます。


介護中の収入源はどこにあるか

現在の仕事を退職し条件を満たしていれば、失業保険の申請をおこなうことが可能です。

介護を理由に退職する場合は自己都合退職になりますが、「特定理由退職者」という扱いになります。

そのため、通常の自己都合退職だと約3か月の待機期間が必要ですが、特定理由退職者の場合は待機期間なしで失業保険を受けることができる可能性があります

そのままずっと親と同居し、できる限りの在宅介護をおこないながら生活を続ける場合、収入源は親の年金に頼ることになります。

自治体によっては、独自に在宅介護をおこなっている家族に対して手当を支給してくれることがあります(家族介護慰労金など。【例】大阪市)。

ただ同居していれば支給されるというわけではなく、いくつか条件があります。

被介護者が介護度4、もしくは5であり、世帯全員が市町村税非課税対象者であること、介護サービスを過去1年以上利用していない、などです。

もちろんいろいろと条件はありますが、お住まいの地域が実施している制度をあらためて確認し、自身の過程が条件に該当する場合には申請をおこなうことをおすすめします。


転職時には在宅介護に理解のある職場を探そう

転職をおこなう時、親の状態によっては仕事をフルタイムで勤務することが難しい場合もあります。

早く就職を決めたいがために、在宅介護の現在を説明せずに入社してしまうと後にトラブルになる可能性があります

在宅介護をおこなっていることを面接時にはしっかりと話しておきましょう。

もし上司にも在宅介護の経験がある場合、介護の大変さなどを知っているため融通を利かせてくれたり、配慮をおこなってくれることも考えられます。

お互いにしっかりと現状を話し合った上で、双方の納得のいくまで話合うことを心掛けましょう。


介護を終えたあとの身の振り方を考えよう



ここで今一度じっくりと考えておいてほしいことがあります。

現在の仕事を辞め、地方に戻り、親と同居して介護をおこない、介護を終えた「その後」はどのように行動したいのかを考えてみましょう

親の年金を介護費や生活費に充てていた場合、親が亡くなったあとは年金の支給も終了しますので収入源が無くなるということになります。

その後の生活をそのまま地方でおこなうのか、再度都心に戻って仕事を探すのかなどを事前にしっかりと計画しておくことが大切になります。

将来まで一度イメージをしてみることで、新しい答えが見えてくることでしょう。(執筆者:佐々木 政子)

介護費用を上手に抑えている家庭の事例を2つ紹介します

介護にかかる費用というのは、1割(または2割)の自己負担が必要になるため、介護サービスを多く利用していたりすると負担金額は増えていきます。

しかし介護費用を無理に抑えようとすると、逆に家族に負担が重くなってしまい、元も子もありません。

今回は少しでもうまく介護費用を抑えている家庭の事例を紹介します。




姉弟で連携し、在宅介護を継続する

Aさん(90歳)は在宅で生活している方ですが、徐々に物忘れなどの認知症があり、自宅で雨戸を閉めまわしてしまったり、往診で受け取った薬を自分で管理できないなどの症状が出始めました。

隣に住んでいる息子は介護の経験もなく、どのように対応してよいかわからず、とりあえず身の周りの援助(ごみ捨て、掃除など)をおこなっている状態でした。

近所に住んでいる娘はそんなAさんの状態を少しでも改善しようと、訪問介護を利用せず、自分の主婦の経験を生かして息子に足りない部分を補うようにしました。

具体的には、自分で管理が難しい箇所火の不始末、冷蔵庫の管理、服薬の管理、洗濯など)を娘がおこなうことにより、Aさんは継続して在宅で生活することができるようになりました。

在宅で訪問介護を利用する場合、生活援助や身体介助がメインとなりますが、その部分を可能な限り姉弟で連携しながら経過をみていくことになりました。

幸いなことに在宅生活で困難となりがちな徘徊などの異常行動はみられず、身内でカバーしあうことにより一人にかかってくる負担を軽減し、本人も在宅生活が可能という箇所まで援助することで介護費用を抑えることができています。

抑えておきたいポイント


ここで必要なことは、本人の様子をよく観察することです。

認知症といっても症状は様々で、物忘れなどの場合もあれば、性格が急に変わってしまうなどの症状もあります。

今までと違う行動をとり始めたり、会話が成立しにくくなったからといって、すぐに「介護サービスを使おう」と判断するのは早い場合もあります

もちろん、要介護状態であると認定を受けてからではないと介護サービスを利用することはできませんので、早めに申請をしたいということも間違えではありません。

認知症が進行していても自力で生活を続けていける部分は残っていることがあります。

そのポイントをしっかりと観察して、本人ができないところだけを周りがフォローすることで、介助者の体力や介護費用を負担することなく継続して生活することができます。

また、今回は姉弟でポイントを補い合うことにより実現した事例でしたが、介護者が一人であるケースも珍しくありません。

その場合は週に一度でも介護サービスを利用するなど、介護者に負担がかからないようにすることが最も大切です。


介護の資格を取って在宅介護に生かす



Bさん(94歳)は自宅で転倒して骨折、入院となり退院後は介護度4の状態で在宅にて生活を送っていました。

自宅には介護ベッドをレンタルし、ほぼベッドの上で生活する状態でした。

在宅で介護をしたいという家族の意向から、介護職員初任者研修を取得し、できる箇所の介助は自分でおこなっていました。

食事の介助、排せつの介助はもちろんですが、入浴に関しては身内に手伝いに入ってもらい、週1~2回介助をおこないました。

初任者研修の資格を取得した上で、自らも勉強を怠らず、在宅で最期までBさんをみとることができました。

本来であればデイサービスなども利用してもよかったのですが、本人が通所を拒否していたこともあり、Bさんの意見を尊重し在宅で静かに介護を続けた結果でした。

抑えておきたいポイント


Bさんは介護度4の認定が出ていましたが、在宅で過ごすための大きなポイントとして、介護者の負担の増大が考えられました。

特に介護の経験がない人にとっては、その労力も計り知れません。

Bさんの家族は事前に介護職員初任者研修を取得していましたので、介護に必要な基礎を習得できたおかげで今回の結果が得られたのではないでしょうか。

また特に体力を必要とする入浴介助も、協力が得られれば入浴(シャワー浴)し、難しい場合にはベッド上で清拭をおこなったり、髪を洗ったりするなど、身の回りにある物を活用して介護を続けました。

本人の意向もありデイサービスなどは利用しませんでしたが、介護者の資格取得により専門的な知識に沿った介護により身体的負担をできる限り減らし、また介護費用を抑える結果にもつながりました


まとめ

介護費用を抑えるというのは簡単なことではありませんが、少しの観察、少しの知識が積み重なることにより、大きな介護費用削減にもつながると考えています

介護者の負担が限界を超えるほど介護費用を抑えることはおすすめできませんが、少しのことからお互いに助け合う気持ちを持ち合わせることで、負担がかからないように介護費用を見直すことができますよ。(執筆者:佐々木 政子)

必要としている介護をスムーズに受けるために 3種類ある「有料介護老人ホーム」の違いや費用を比較してみました

自分の親を介護することになった時、有料介護老人ホームという選択肢があります。

数多く存在する介護施設の中の一つですが、有料介護老人ホームには現在三種類の有料老人ホームが存在しています

この種類の違いと費用の差を知っておくことにより、現在必要としている介護をスムーズに受けていくことができるでしょう。




本人の状態によって、適切な有料老人ホームを選ぼう

有料老人ホームは名前も似ていることもあり、全て同じように見えるかもしれませんが、全て異なるシステムで運用されています

それぞれの有料老人ホームの特徴と、費用の目安をみていきましょう。

1. 介護付有料老人ホーム


介護付有料老人ホームは、老人福祉法の定める人員配置を満たした施設であり、バリアフリーの環境などの基準、介護職員、看護職員、機能訓練指導員などの人員を配置している施設となっています。

人員の配置が決まっているため、24時間専門のスタッフのケアが受けられるという場所も多くあります。

場所によって金額にも開きはありますが、大きな特徴として、入居一時金を先に支払っておくことにより、終身まで生活をする権利を得ることができます

生活していた年数によって払い戻しの制度もありますが、入居前には数百万円というまとまった金額が必要になります

その上で月々10~30万円の利用料が必要になってくるため、入居前にはしっかりと金額の詳細を確認しておきましょう



2. 住宅型有料老人ホーム


住宅型有料老人ホームは、「居室を賃貸形式で借りる」というイメージを最初に持っていただくとわかりやすいと思います。

月々の部屋代(家賃)などを支払い、介護に必要な人員として「訪問介護員」を別途委託するシステムになります。

介護が必要になる時間帯に応じて、訪問介護員が居室に訪ねてくるというものです。

比較的状態の安定している方などが対象となりますが、場所によっては医療スタッフを配置している場所もあります。

入居一時金を廃止している場所もありますので、一度にまとまったお金を用意しなくてもよいというのもメリットです。

しかし、場所によって提供しているサービスにもばらつきがあり、本人にとって必要なニーズを満たしている施設かどうかを入居前にしっかりと確認しておきましょう。

また、居室を賃貸で借りた場合、必要な介護用具は自分で用意しなければならない場合があります

個人で自由にレンタルできるというケースもありますが、入所施設とは異なり、手続きを再度おこないながら必要な物品をそろえていきましょう。

介護度の高い方の場合、状態によっては頻繁に介護が必要になることがあります。

外部の訪問介護員が訪ねてくる時間がずれてしまうと、転倒などの事故がおきるリスクも高まるというデメリットがあります。

場所によってはスタッフが常駐している場所もありますので、入居前にはホーム側に1日の体制を確認しておくことをおすすめします。

月々の利用料も、委託する介護サービス内容によってばらつきはありますが、おおむね10~20万円が必要になってくることが多いです。

3. 健康型有料老人ホーム


健康型有料老人ホームは全国的にみても数は多くはありませんが、介護を必要としない方が対象となる施設です。

自宅で一人で過ごすことに不安があったり、他者と交流しながら過ごしたいという方が利用します。

介護が必要となった時点で退去しなければならないため、老後を施設で元気に過ごしたい方に向いている施設ともいえます。

入居一時金が他のホームよりも高めに設定されており、まとまったお金が必要になります

月々の利用料にも開きがありますが、おおむね10~40万円が必要になってくることが多いです。




まとめ

有料老人ホームにも種類がいくつも存在しており、名前だけでは判断がつきにくい場合があります。

本人にとって必要な介護サービスを受けることにより、家庭にとっても、本人にとっても満足のいく費用でおさえたいものです。

特に介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームの違いを知っておくことにより、ホーム見学の際にいろいろと質問をすることもできるようになります

本人のニーズにあった有料老人ホームを見つけることが、何よりも大切な第一歩になります。(執筆者:佐々木 政子)