節約本などを読むと、
「クレジットカード・電子マネーはお金を使った感覚が薄く、出費が増える。なるべく現金を使うべき」
と書かれていることも多いものです。
節約のためにはカードより現金を使うべきなのでしょうか?
実際に現金払い・カード払いで節約生活をした経験のある筆者が、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
現金払いのメリット・デメリット
以前筆者は、「項目ごとに予算を分けて封筒に現金を入れ、その範囲でやりくりする」という方法を試してみたことがあります。いわゆる袋分け管理です。
確かにこの方法だと、目に見えて手持ちのお金が減っていくので、なんとかこの予算の範囲でおさめようという気持ちが沸いてきます。
しかし、結局日用品の買い足しなど、「どうしても必要なお金」というのは出てきてしまうものですし、なし崩し的に他の項目の予算に手をつけてしまうと、管理も複雑になってしまいました。
お金をおろしにいったり、レジで小銭を出したりといった日々の手間もストレスになり、結局長くは続けられませんでした。
カード払いのメリット・デメリット
現在筆者は、現金でしか支払えないものをのぞいて、ほぼ全ての支払いをクレジットカードや電子マネーで行っています。支払い方法は一括払いのみです。
カード払いにする大きなメリット
カード払いにする大きなメリットの1つとして、「クレジットカード・電子マネー支払いなら〇%割引」というサービスが利用できることが挙げられます。
例えば、dカードを使うと、ローソンやマクドナルドでの支払いが3%オフになります。
イオンカードを使えば、20日・30日はイオンでの買い物が5%オフになります。
たかが3%や5%、と思うかもしれませんが、1万円分の支払いに対して5%の割引なら、500円分節約できます。意外と無視できない金額です。
また、カード払いのときに付与されるポイントも見逃せません。
1ポイント = 1円換算で使えることが多いので、こちらも節約に役立ちます。
工夫次第では、ポイントの価値がより高くなる方法で使うこともできます。
例えば、dカードを使ってためたdポイントを、ローソンのお試し引換券で使えば、1つ140円ほどで売られているお菓子を、60ポイントで手に入れられます(引換券の内容は時期によって異なります)。
さらに、カードでの「支出の痛み」を明確にするため、マネーフォワードという家計簿アプリを利用しています。
カード情報を登録しておけば、自動で項目を振り分けて支出を一元化してくれるため、家計簿をつける必要もなくなりました。
履歴が自動で残るので、現金利用でありがちな「使途不明金」を減らすこともできました。
多くのメリットがあるカード生活ですが、デメリットとしては、カードを使いこなす生活には、ある程度の知識や工夫が必要で、手間がかかるということです。
自分の生活に最もお得なカードは何か
ポイントを有効活用するにはどうすれば良いのか
使い過ぎないよう支出管理するにはどんな方法があるのか
といったことを、自分で調べたり考えたりする必要があります。
さまざまなサービスを探したり申し込んだりするのはめんどうだと感じる方には、あまり向かない節約方法だといえるでしょう。
現金払い・カード払いは自分に合った方法を選ぼう!
カード払いの生活を始めた当初は、やはり予算をオーバーして使い過ぎてしまう傾向がありました。
しかし家計簿アプリに収支の記録が増えていくと、「今月は食費を使い過ぎ」、「先月よりカードの引き落とし額が1万円も多い」といったことが表示されるようになるため、自然と支払いに気を遣うようになりました。
今では、現金払いのときと支出額は変わりませんが、カード払いはポイントが付く分、家計にはプラスになっています。
ただ、現金払い・カード払いにはそれぞれのメリット・デメリットがあり、どちらが良い・悪いというものではありません。
カードではどうしても使い過ぎてしまうという方は現金払いの方が節約になるでしょうし、お得なカードやポイントの有効活用に興味があるという方は、カード払いの方が良いでしょう。
王道の現金払いか、サービスを駆使してカード払いにするのか、自分に合った節約方法を試してみてくださいね。(執筆者:青海 光)
支払いはできるだけクレジットカードを利用してポイントをためてトクをする。
節約情報に関心のある方なら、いまや常識のワザです。
もちろん、わたしも支払いのほとんどを楽天カード払いにして、年間約1万円分のポイントをゲットしています。
同じ金額を支払うのなら、ポイントをもらったほうが安く買ったのと同じ効果があるので、どう考えてもおトクですよね。
でも、クレジットカードのポイント還元率の平均は利用額の1%程度。
カード払いすると割引になるなどのさらなるサービスもありますが、それでも大きくて10%オフ程度ではないでしょうか。
けっして、その程度のポイントや割引などたいしたことないと言いたいわけではありません。
しかし、ポイントがたくさんついたということは、それだけたくさんお金を使ったということを忘れてはいけません。
無意識に2割増の支出を許容してしまうクレジットカード払いのワナ
精神学医のデビッド・クルーガー博士著書の『「お金」のシークレット』には次のような興味深い記述があります。
現金で支払うよりもクレジットカードで支払うほうが、無意識に23%も支出が増える
数%のポイントが付いてオトクだからとクレジットカードを利用しているのに、引き換えに20%支出が増えてしまっているとしたら滑稽な話です。
しかも、ポイントがたまってトクしたつもりでも実はポイントの使い方がヘタで、よけいなモノを買ってしまったりうっかりポイントを消滅させてしまったりという残念な結末になっている可能性もあります。
ですから、クレジット払いで「多用テク」を実践して節約しているはずなのに、なぜか貯金ができていないという方は、一度クレジット払いをやめてみてはいかがでしょうか。
財布から払う日々の支払は現金にしよう
この6~7年でスーパーのレジでクレジットカードや電子マネーで支払う方がとても増えたと感じています。
おそらく、会計が速いということだけでなく、提携したクレジットカードで払えば割引やポイントアップなどのサービスを行うスーパーが増えているからでしょう。
みなさん、きっと少しでもおトクになるよう節約を意識されてるんですね。
しかし、現金払い主義の場合、もし財布に3,000円しか入ってなかったら、レジで足りなくならないように 慎重に買い物しますよね。
ですが、クレジットカード払いならレジでお金が足りない不安がないので、買いたいと思ったらいま必要なモノでなくてもカゴに入れてしまうということはないでしょうか。
さらに、洋服などもっと単価の高い買い物の場合、現金払いよりクレジットカード払いをするほうが5,000円と6,000円(つまり20%)の違いをあまり気にしないのではないかと思います。
このように、ちょっと想像しただけでも、クレジットカードを使うと支出が2割増しになるというのが真実味を帯びてきます。
まずはクレジットカード断ちを3か月
クレジットカード名人を自負しているけど支出を見直したい・貯金ができてないと思っている方は、3か月ほどクレジットカードを持ち歩くのをやめてみましょう。
固定費用をクレジットカード払いにしている場合はそのままでよいです。
その他の支払いにクレジットカードを使わないように、封筒などにカードを入れて封をしておきましょう。
もちろん、ネットショッピングもガマン。
これで支出減の効果を感じたらそのまま現金払い生活を続けてもいいですし、やはりポイントなどのオトクがほしいのなら、現金払いの感覚でクレジットカードを使えるように工夫しましょう。
たとえば、買い物にいくときはクレジットカード払いをする予定でも予算分の現金を財布に入れておきます。
そしてカード払いするたびに財布から現金を出して別の封筒に移すなどして、お金を使ったという事実をその都度確認しましょう。
もちろん、用意した現金以上の買い物はできませんよ!
クレジットカード払いは1~2か月先に請求が来ますので、請求金額を見てビックリすることが起こりがちですが、使った分の現金をストックしておけば引き落とし口座に入金するだけでOKなので平常心でいられます。
支出をコントロールできるようになってはじめてクレジットカードでトクをする
わたしは学生のころから、航空会社のクレジットカードでマイルをためてはタダで飛行機に乗ったりとクレジット払いのメリットは利用していましたが、ポイントはたまっても貯金はたまりませんでした。
主婦になると、支払いにタイムラグがあるクレジットカード払いは家計簿の管理方法がむずかしく、一旦クレジットカード利用をやめたことがあります。
そのときはちょっと不便でしたが、現金を持ってないと欲しいモノがあってもわざわざATMに行かないと買えないことが抑止力になり、支出が減りました。
そしてムダな支出をすることがなくなった今は、再びクレジットカード払いを駆使してポイントをガンガンためています。
今やポイント時代になり、現金払いでは損をする風潮すらあります。
ですが、クレジットカード払いによって実はポイントゲット以上に損をする消費者行動がみられるということをぜひ知っていてください。
もともと払ったお金からバックされるポイントのおトクに惑わされず、まずはムダな支出を増やさない習慣づけが最優先です。
クレジットカードのポイントゲットの研究は、支出をコントロールできるようになってからでもじゅうぶんですよ。(執筆者:野原 あき)