複雑になった主婦の「収入の壁」 注意すべき3つの壁と、一番大切な壁について説明します。

働く主婦が注意する「3つの壁」



2018年から、主婦の働き方が変わりました。

主婦がパートで働く場合、収入によって注意する3つの壁があります。
・ 壁1 配偶者控除の壁
・ 壁2 会社の社会保険に入る壁
・ 壁3 夫の扶養の壁
3つの壁について、1つずつ見ていきましょう。


壁1 配偶者控除の壁

今までは、

・ 夫(世帯主)がサラリーマンだったり、夫が自営業者でも夫と一緒には働いていない(青色申告、白色申告の事業従事者でない)

・ 妻の年収が103万円以下

上記の場合なら、夫は所得から38万円の配偶者控除を差し引くことができました(住民税は33万円)。

また、夫の年収が1,220万円(年間の合計所得金額が1,000万円)以下なら、妻の年収が103万円を超えても、141万円までは夫は配偶者特別控除も受けることができました。

変更後


・ 年収103万円だった妻の働く壁が、2018年からは大幅に引き上げられて150万円になりました。

正しくは、配偶者控除は103万円までですが、配偶者特別控除が150万円まで配偶者控除と同額ついています。

・ 配偶者特別控除も201万5,999円ならまでつきます。

夫の年収が1,220万円を超えている人は、配偶者控除そのものが受けられなくなりました

年収1,120万円(合計所得900万円)以上は、控除が段階的に減ります

税金について


今まで、配偶者控除の103万円の壁を気にして、それ以上は稼がないようにしていたという方も多かったようです。

実は、一般的なご家庭の主婦なら、103万円を超えて住民税や所得税を払っても、家計全体の収入を考えると増えるご家庭がほとんどでした。

それでも、気にする人が多かったのですが、今年からは、それが全くなくなったということです。




壁2 会社の社会保険に入る壁

2016年10月から、従業員が501人以上の企業に勤め、労働時間が20時間以上、年収が106万円以上(月8万8,000円以上、残業代は対象外)、勤務期間が1年以上の見込みの方は、会社の社会保険に加入することになりました。

配偶者控除の壁は主婦が働きに出る時の夫の税金の控除の壁ですが、実はこの106万円壁というのは、税金の壁ではなく社会保険料の壁です。

106万円を超えても、150万円までは税金配偶者控除は満額つかえます


もともと週30時間以上働く人は、会社の厚生年金保険、健康保険にパートでも加入しなくてはなりませんでした。

これが、従業員501人以上の会社で働く人はパートでも年間収入が106万円を超えると、会社の厚生年金保険、健康保険に加入しなくてはならなくなったのです。

さらに2017年4月からは、労使の合意があれば、従業員500人以下の企業でも厚生年金保険、健康保健に入れるようになりました

パートでも手厚い保障を確保しやすくなる


パートでも、会社の社会保険制度に加入しておけば、将来的には基礎年金に厚生年金部分が上乗せされるので、もらえる年金が多少増えます

また、病気や怪我などで会社を休まなくてはならなくなった時には、傷病手当金として、給料の3分の2を休んでいる間はもらえます

傷病手当金は最長で1年半有効なので、そうした状況になったら国民健康保険に加入しているよりも手厚い保障を確保できます。

また、子供を出産するときなども優遇されます。

自己負担が軽くなる「労使折半」


さらに、会社の社会保険料は労使折半になるので、自営業者の社会保険料よりは割安です。

独身やシングルマザーで働いている女性にとっては、負担が軽くなるという面があります。

ただし、サラリーマンの妻でそれまで社会保険料を支払っていなかった人は、会社で給料から社会保険料が天引きされるようになるぶん、手取りが減ります




壁3 夫の扶養の壁

現状では、収入が106万円を超えても、会社の社会保険には加入せずに働くパートの主婦の方がたくさんいます。

また、従業員数501人以上で年収が106万円を超えていても、月に常に8万8,000円を超えている必要があるので、ある月は7万円だったなどという人は、会社の社会保険には加入できません

こうした人は国民年金、国民健康保険に加入しますが、サラリーマンの妻の場合、第3号被保険者なので、パートの収入が129万9,999万円までは夫の扶養に入れます

夫の扶養に入っていれば、社会保険料は夫が加入している厚生年金から出してもらえることになっています。

自分では保険料を支払わなくても、病気や怪我をしたら国民健康保険が使えますし、将来、年金をもらったり、障害年金、遺族年金なども受けることができます

要注意

収入が130万円になった途端に、それまで払わなくてよかった国民年金保険料、国民健康保険料の合計額約25万円を、自分で支払います

そうなると、配偶者控除が使えてもマイナスのほうが大きくなる可能性があります。


パート主婦が1番気を付ける壁とは



パート主婦が一番気にしなくてはいけないのは、
「夫の扶養に入れなくなる130万円の壁」
です。

今まで払わなくてよかった国民年金保険料、国民健康保険料の合計額約25万円が増えます。

もし収入が130万ここを超えるなら、160万円くらいまで一気に増やす働き方を考えましょう。(執筆者:荻原 博子)

「○○の壁」の前にある基礎控除の38万円の分岐点を賢く活用 収入からの控除額を増やす方法と注意点

本当の損益分岐点は基礎控除の38万円



扶養されている主婦が仕事で稼ごうという時に気になるのが103万円の壁と言われますね。たしかに給与という所得区分では年収103万円までなら税金がかかりません。

でもパートやアルバイトの給与所得ではない場合は、実はもっと小さな額から損益分岐点が存在します

それが基礎控除額である38万円です。年収が38万円以内の場合は、所得はゼロになります(住民税は33万円以下の場合ゼロです)。

注意点


扶養されている主婦の収入が38万円を超えた場合、扶養している夫の収入から、段階に応じて、配偶者控除額が減額されます。

ここでも小さな額ですが、損益分岐点が生じているわけですね。

パートやアルバイトのケースでは給与所得控除の65万円があるために103万以下の収入では税金がかかってきません。

しかしながら、
・ 株の売買や配当
・ モニター収入などの謝礼
・ 短期の在宅ワーク
などの場合は、基礎控除額を超える38万円から税金がかかってきます

逆に言うと38万円までは税金もかからず、扶養にも影響しません。その38万(給与所得である場合は103万)の控除額ですが、実は増やせます。


収入からの控除額を増やす

収入からの控除額を増やす方法はいくつかあります。

1. 生命保険料控除




一番簡単なのは、生命保険料控除です。もちろん生命保険料控除は収入の高い方が控除するほうがお得です。

ただし、生命保険料控除は年間およそ10万分までですので、年間10万以上の保険料の支払いがある場合は、夫婦で分けて申請することも可能です。

ちなみに我が家では、夫名義の保険料は夫が、私名義の保険料は私が利用するようにしています。生命保険料控除によって、最大で5万円の控除されます。

2. 医療費控除


医療費控除も所得の多い方で申請するほうがお得です。

課税標準の5%か、10万円のどちらか低いほう以上の医療費の支払いがあれば控除になるため、およそ300万以下の収入の場合は10万円以下でも申請が可能になる場合があります。

そのため、10万円に届かない場合でも収入の低い方の控除として申請ができる場合があることを知っておきましょう。

3. 確定申告


パートやアルバイトで雇用された場合、たいていの場合が事前に所得税が差し引かれます。

これは、月当たり約8万を超える場合は所得税の徴収が義務付けられているためですが、給与所得控除の65万円があるので合わせて103万円の控除を加味して、年末調整で返還となる場合が多いです。

しかし控除できる他の要素がある場合や、年末調整で還付されない場合は、自分で確定申告を行ってみてください


主婦やサラリーマンの副業



「基礎控除の38万円に加えてその他の控除分を合わせた所得」に対しては、所得税はかからず、扶養にも影響しません

株の場合、源泉徴収のある特定口座を開設している場合でも、他に収入のない方の場合は「38万円とその他の控除分を合わせた額以内の所得」であれば、市確定申告によって税金は還付されます。

また、パートやアルバイトの収入がメインの場合、その他の雑所得として、株の売買や配当、その他モニター収入などの謝礼がある場合でも、その分はサラリーマンと同じく20万までは申告不要です。

確定申告は申告内容が還付であれば、5年間は提出でき、遅れても延滞税などのペナルティも発生しません。

副業を大いに利用する時の注意点


このような税制の優遇は特に子どもがいる場合において、幼稚園や保育園などの所得に応じた保険料の決定を左右するので、年度内に行い、次年度の所得収入に反映させるのが賢明でしょう。

ただし所得税は非課税になっても住民税は課税対象になることもあります。そのため20万円以下だからと申告しないと、住民税の方で追徴課税がかかることもあることに注意しましょう。

資産を増やすには収入を増やすことが言われますが、その収入が増えた時には、自分の収入を多く確保できるよう、税制を理解しうまく活用していきたいですね。(執筆者:小柳 結生)

【配偶者控除の改正】プチ起業「扶養の壁」はどう動く? 世帯手取りが増減する「壁の位置」をチェックしよう。

「扶養の壁」プチ起業とパートの違い



家庭に軸足をおきながら、得意なことをいかして個人で仕事を始める女性が増えています。
「プチ起業」
「ママ起業」
と呼ばれるワークスタイルの女性にとっても、配偶者控除の改正は気になる話題の一つではないでしょうか。

今回は、妻が個人事業を営む世帯の、税制改正の影響と世帯手取額の変化についてご紹介します。

まず、プチ起業の扶養の壁について、パートとの違いを確認しておきましょう。


税制上の扶養の壁と配偶者控除等の改正

配偶者控除等の改正について「パートの壁が103万円から150万円に拡大」などと報じられていますが、妻が個人事業を営む場合、103万円も150万円も関係ありません

妻が個人事業者の場合、配偶者控除等の適用基準は、収入ではなく所得です

所得とは、売上から必要経費を引いた金額です。
 所得 = 売上 - 必要経費
*青色申告者の場合は青色申告特別控除も引くことができます。

配偶者控除等の改正により、平成30年から次のようになります。

1. 配偶者控除は縮小


妻の所得が38万円以下の場合、夫は配偶者控除(控除額38万円)を受けることができます

ただし、
・ 夫の所得が900万円(年収1、120万円)を超える場合は控除額が減額されます。

・ 夫の所得が1,000万円(年収1,220万円)を超える場合は配偶者控除が適用されません。

2. 配偶者特別控除は拡大


妻の所得が38万円を超えても、所得が1,000万円(年収1,220万円)以下の夫は配偶者特別控除を受けることができます

これまで配偶者特別控除が適用される妻の所得は76万円まででしたが、改正により123万円までと適用範囲が拡大されます。


社会保険上の扶養の壁と健康保険の扶養の認定基準



夫が会社員や公務員等で健康保険に加入している場合、扶養される配偶者は第3号被保険者として、保険料の負担なく社会保険に加入しています。

この扶養の認定基準が、パートの場合は「年収130万円未満」ですが、配偶者が個人事業者の場合は「何が130万円未満か」という基準が保険者によって異なります

中小企業の従業員が加入する協会けんぽの場合は所得基準。つまり売上から必要経費を差し引いた金額が130万円未満となります。

一方、健康保険組合の場合は独自に基準を定めており、おおむね次の3つに分けられます。
・ 所得が130万円未満

・ 売上が130万円未満

・ その他(所得が130万円未満だが経費項目に条件がつくもの、開業届が条件となるものなど)


わが家の世帯パターンチェック

妻が個人事業者の場合、配偶者控除等の改正の影響や世帯手取りの変化は
a) 世帯主の職業

b) 世帯主の所得

c) 世帯主の勤務先の健康保険の扶養認定基準
によって異なります。

そこで、世帯パターン別に、配偶者控除改正前後の「妻の事業所得と世帯手取りの変化」について、それぞれの特徴を紹介したいと思います。

まずは下記のチャートを使って、わが家はどのパターンに該当するかチェックしてみてください。


≪クリックして拡大≫


加入している健康保険の確認方法


加入している健康保険については、健康保険証の「保険者」の欄をご確認ください。

協会けんぽの場合は、このような水色の健康保険証に「保険者」として「全国健康保険協会〇〇支部」と記載されています。

健康保険組合の場合は、「保険者」の欄に「〇〇〇〇健康保険組合」などと記載されていると思います。



では、世帯パターン別に税制改正の影響と世帯手取りの変化をみていきましょう。


プチ起業の扶養の壁と世帯手取り額の変化

手取額計算の前提条件は下記の通りです。

1. 税金計算上の夫の控除は、基礎控除、社会保険料控除(妻の分も含む)、配偶者(特別)控除、生命保険料控除(満額)のみとします。

2. 税金計算上の妻の控除は、基礎控除のみとします。

3. 国民健康保険の保険料は東京都大田区を使用。

便宜上、世帯主を「夫」、扶養される配偶者を「妻」として話を進めていますが、逆のご家庭では「夫」と「妻」を読み換えてご確認ください。

Aパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,120万円以下、夫の勤務先の健康保険の扶養の認定基準が「所得130万円未満」であるケースです。

下のグラフは夫の年収を500万円とし、妻の事業所得と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻の事業所得が40万円超123万円未満である場合は、改正前より世帯手取りが増加します。

扶養の壁

改正前後ともに所得が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じます。

夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Bパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,120万円以下、夫の勤務先の健康保険の扶養の認定基準が「所得」以外の基準であるケースです。

下のグラフはBパターンの一例として、健康保険の扶養の認定基準を「売上」とした場合で、
・ 夫の年収500万円
・ 妻の事業所得80万円
・ 売上130万円
と仮定した場合の世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻の事業所得が40万円超123万円未満である場合は、改正前より世帯手取りが増加します。

扶養の壁

改正前後ともに所得が80万円、つまり売上が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じます。

ここでは所得80万円に社会保険の壁がありますが、社会保険料の認定基準、事業の利益率により社会保険の壁の位置は異なります。

夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Cパターン


夫は会社員など給与所得者で年収は1,120万円超1,170万円以下、夫の勤務先の健康保険の扶養の認定基準が「所得130万円未満」であるケースです。

下のグラフは夫の年収を1,150万円とし、妻の事業所得と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

水色の部分は「配偶者控除等」の控除額の減額により増税になる部分、ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻の事業所得が55万円以下である場合は改正前より世帯手取りが減少し、56万円から123万円である場合は、改正前より世帯手取りが増加します。

扶養の壁

改正前後ともに所得が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じます。

夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Dパターン


夫は会社員など給与所得者で年収は1,120万円超1,170万円以下、夫の勤務先の健康保険の扶養の認定基準が「所得」以外の基準であるケースがです。

下のグラフはDパターンの一例として、健康保険の扶養の認定基準を「売上」とした場合で、
・ 夫の年収500万円
・ 妻の事業所得が80万円
・ 売上130万円
になると仮定した場合の世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

水色の部分は「配偶者控除等」の控除額の減額により増税になる部分、ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻の事業所得が55万円以下である場合は改正前より世帯手取りが減少し、56万円から123万円である場合は、改正前より世帯手取りが増加します。

扶養の壁

改正前後ともに所得が80万円、つまり売上が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じます。

ここでは所得80万円に社会保険の壁がありますが、社会保険料の認定基準、事業の利益率により社会保険の壁の位置は異なります

夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Eパターン

夫は会社員など給与所得者で年収は1,170万円超1,220万円以下、夫の勤務先の健康保険の扶養の認定基準が「所得130万円未満」であるケースです。

下のグラフは夫の年収を1,200万円とし、妻の事業所得と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

水色の部分は「配偶者控除等」の控除額の減額により増税になる部分、ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻の事業所得が65万円以下である場合は改正前より世帯手取りが減少し、66万円から123万円である場合は、改正前より世帯手取りが増加します。

扶養の壁

改正前後のいずれも所得が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じます。

夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Fパターン


夫は会社員など給与所得者で年収は1,170万円超1,220万円以下、夫の勤務先の健康保険の扶養の認定基準が「所得」以外の基準であるケースです。

下のグラフはFパターンの一例として、健康保険の扶養の認定基準を「売上」とした場合で、
・ 夫の年収1,200万円
・ 妻の事業所得80万円
・ 売上130万円
になると仮定した場合の世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響
水色の部分は「配偶者控除等」の控除額の減額により増税になる部分、ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻の事業所得が55万円以下である場合は改正前より世帯手取りが減少し、56万円から123万円である場合は、改正前より世帯手取りが増加します。

扶養の壁

改正前後ともに所得が80万円、つまり売上が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じます。

ここでは所得80万円に社会保険の壁がありますが、社会保険料の認定基準、事業の利益率により社会保険の壁の位置は異なります

夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。


Gパターン

夫は会社員など給与所得者で年収は1,220万円超、夫の勤務先の健康保険の扶養の認定基準が「所得130万円未満」であるケースがです。

下のグラフは夫の年収を1,250万円とし、妻の事業所得と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

水色の部分は「配偶者控除」が受けられなくなるため増税となる部分です。

妻の事業所得が38万円以下である場合は改正前より世帯手取りが減少します。妻の所得が38万円を超える場合は改正による影響はありません

扶養の壁

改正前後ともに所得が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じます。

夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Hパターン


夫は会社員など給与所得者で年収は1,220万円超、夫の勤務先の健康保険の扶養の認定基準が「所得」以外の基準であるケースです。

下のグラフはHパターンの一例として、健康保険の扶養の認定基準を「売上」とした場合で、
・ 夫の年収1,250万円
・ 妻の事業所得80万円
・ 売上が130万円
になると仮定した場合の世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

水色の部分は「配偶者控除」が受けられなくなるため増税となる部分です。

妻の事業所得が38万円以下である場合は改正前より世帯手取りが減少します。妻の所得が38万円を超える場合は改正による影響はありません

扶養の壁

改正前後ともに所得が80万円、つまり売上が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じます。

ここでは所得80万円に社会保険の壁がありますが、社会保険料の認定基準、事業の利益率により社会保険の壁の位置は異なります

夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Iパターン


夫も妻も個人事業者で、夫の所得が900万円以下のケースです。

下のグラフは夫の所得を500万円とし、妻の事業所得と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻の事業所得が40万円超123万円未満である場合は、改正前より世帯手取りが増加します。

扶養の壁

グラフの形状から分かるように、扶養の壁は存在しません

夫が個人事業者の場合、妻に所得がなくても国民年金保険料を納めています。

また国民健康保険料は世帯の所得に応じて計算されるため、妻の所得が増えることにより世帯手取りが減少するような逆転現象は生じません

Jパターン


夫も妻も個人事業者で、夫の所得が900万円超950万円以下のケースです。

下のグラフは夫の所得を930万円とし、妻の事業所得と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

水色の部分は「配偶者控除等」の控除額の減額により増税になる部分、ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻の事業所得が55万円以下である場合は改正前より世帯手取りが減少し、56万円から123万円である場合は、改正前より世帯手取りが増加します。

扶養の壁

グラフの形状から分かるように、扶養の壁は存在しません

夫が個人事業者の場合、妻に所得がなくても国民年金保険料を納めています。

また国民健康保険料は世帯の所得に応じて計算されるため、妻の所得が増えることにより世帯手取りが減少するような逆転現象は生じません

Kパターン


夫も妻も個人事業者で、夫の所得が950万円超1,000万円以下のケースです。

下のグラフは夫の所得を980万円とし、妻の事業所得と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



改正の影響

水色の部分は「配偶者控除等」の控除額の減額により増税になる部分、ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻の事業所得が65万円以下である場合は改正前より世帯手取りが減少し、66万円から123万円である場合は、改正前より世帯手取りが増加します。

扶養の壁

グラフの形状から分かるように、扶養の壁は存在しません

夫が個人事業者の場合、妻に所得がなくても国民年金保険料を納めています。

また国民健康保険料は世帯の所得に応じて計算されるため、妻の所得が増えることにより世帯手取りが減少するような逆転現象は生じません

Lパターン


夫も妻も個人事業者で、夫の所得が1,000万円超のケースがです。

下のグラフは夫の所得を1,030万円とし、妻の事業所得と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。


改正の影響

水色の部分は「配偶者控除」が受けられなくなるため増税となる部分です。

妻の事業所得が38万円以下である場合は改正前より世帯手取りが減少します。妻の所得が38万円を超える場合は改正による影響はありません

扶養の壁

グラフの形状から分かるように、扶養の壁は存在しません

夫が個人事業者の場合、妻に所得がなくても国民年金保険料を納めています。

また国民健康保険料は世帯の所得に応じて計算されるため、妻の所得が増えることにより世帯手取りが減少するような逆転現象は生じません


しなやかな働き方、暮らし方のために

「今の働き方だと来年は手取が減りそう。」

「利益が130万円になるまでは手取が減ることはないのね。」
など参考にしていただけたら幸いです。

「社会保険料は妻への投資」




プチ起業、ママ起業という働き方を選択している方から、夫から
「仕事をするのはいいけれど、扶養から外れないように!」
と釘をさされているというお話をお聞きすることがあります。

多くの場合、社会保険の扶養から外れることを懸念されてのようですが、「社会保険料は妻への投資」と考えてみてはいかがでしょうか?

子育てや家事の合間を活用して、得意な事で社会とつながると、自分自身の成長の喜びも感じることができます。

小さな事業をコツコツ育むことで、子どもの手が離れた頃、あるいは夫が定年になる頃には大きく成長しているかもしれません。

ブレーキをかけるか、アクセルをふむか




年間30万円~40万円にも及ぶ社会保険料の負担は確かに少額ではありませんが、健康保険の扶養から外れてしまう程に利益が出て来たら、仕事をセーブするよりのびのびと活躍される方がいいかもしれません。

事業収入が増えるということは、それだけ誰かを幸せにして、価値を生み出している事に他なりません。そんな素晴らしい活動にブレーキをかけるのはもったいないとも思います。
「今年は子どもが受験だから」
「しばらく親の手伝いをしたいから」
とその時々に大切にしたい事を優先するために、ブレーキをかけるのは良しとして、社会保険料の負担が理由であれば、ブレーキではなくアクセルを踏むことで将来十分に戻ってくる可能性があります

まずは税制や社会保険についてのモヤモヤを解消して、不安なく、自分らしくしなやかな働き方、暮らし方を選択していただけたらと思います。(執筆者:小谷 晴美)