固定費

特別定額給付金10万円のみんなの使い道は?

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食べ放題はモトがとれるか? 食べ放題ビジネスの実態を明かし、本当の「モト」をとる方法を教えます。

「食べ放題ビジネス」について考える

年末年始の宴席や会食で、飲み放題・食べ放題のお店を利用した人は多いのではないだろうか?

また、宴会シーンでなくても、ビュッフェ形式のランチやディナーを提供するレストラン・ホテルは一般的になってきたので、筆者も利用する機会は多い。

筆者も家族でランチビュッフェ





私事で恐縮だが、筆者は家族とともに、2017年10月に名古屋駅近くにオープンした名古屋プリンスホテルの地上140mにあるカフェレストラン「Sky Dining 天空」でビュッフェランチを楽しんだ。

地中海料理をベースとした色とりどりの料理はとてもおいしく、名古屋駅周辺の高層ビル群を平面的に一望できる景色と天井高4m20cmの開放的な空間は素晴らしかった。

ランチビュッフェの料金は大人1人3,000円であり、普通の食事としては決して安くはないが、サービス全体として割高感はなく満足できるものだった。

繁盛してるからこその疑問…


食べ放題のお店や、ビュッフェ形式のレストランは総じて繁盛していて、大柄でかっぷくのいい男性など食欲旺盛な客ばかりが来店したら
「本当に儲かっているのだろうか?」

「お店はつぶれたりしないだろうか?」
と疑問に思う読者もいることだろう。

本記事では、食べ放題店のビジネスモデルの実態と利用者側の行動心理について考えてみたい。


ビジネスにおけるコスト

レストラン事業に限らず、ビジネスにおけるコストは「固定費」と「変動費」に分けられる。

事業が黒字になるために必要な売上高を「損益分岐点」といい、売上がそれを超えれば客が1人増えるたびに利益が増えていくことになる。

変動費とは


売上が増加するとそれに連動して増える費用で。

飲食店やレストランでいえば、食材費が代表的なものだ。

固定費とは


売り上げに関係なく発生する費用であり、レストランでいえば店舗を借りる費用(いわゆる家賃)や従業員の給料などである。


レストラン VS 食べ放題店

「固定費」の代表となる食材費が売上に占める比率は比較的低い(2〜3割程度)といわれている。

売上に占める食材費の割合が30%として、レストランと食べ放題店の「変動費」と「固定費」を比べてみよう。



レストランの場合


1,500円のメニューを提供すると変動費は500円になる。

客が1人も来なければ、レストランは固定費分だけ損失が出て赤字になる。

お客が1人来るたびに、売上1,500円と変動費500円の差額である1,000円分ずつ利益(管理会計では「限界利益」という)が上がっていき、その利益の合計が固定費を上回れば事業は黒字になる。

食べ放題の場合


高めの固定料金を設定する食べ放題の店では、2人で3人分食べたとすると、
料金が3,000円(1,500円×2人分)で変動費は1,500円(500円×3人分)
となり、客が1人来るごとに赤字が1,500円ずつ減っていく

食べ放題店はwin-win

2人分の料金で3人分食べられて客は満足する。

客が来るたびに赤字が大きく減っていくので店側もうれしい。
まさに、win-winの状況になる。

客が3人分の料理を食べたとしても、店の費用は材料費分だけしか増えないことがポイントである。

つまり、客はたくさん食べられて満足し、満足度が高くそれが評判になれば、来店客数が増えることで店側にとってもメリットは大きくなる。

普通のレストランよりも来店客数が多ければ、1人当たりの赤字の減り方が大きいので、それと客数の掛け算で赤字が急速に減っていく。


実は「飲み放題」はもっと儲かる

食べ放題店において、売上が容易に損益分岐点を超えて黒字になるという仕組みをご理解頂けただろうか。

意外と知られていないことだが、飲食店にとっては食べ放題よりも「飲み放題」の方がもっと儲かる。
売上(売値)に占める仕入れコスト(材料費)の比率がかなり低い
からだ。

たとえばビール3杯分の料金でピール5杯飲む客が来店すると、より大きな儲けが期待できる。

大酒飲みの客が「お得感」に惹かれて来店すれば店側にとっては好都合なのである。

アルコールの料金を飲み放題で定額にしたことで、宴会の幹事さんが、酒好き人の会費を多めに徴収するかどうかを考える煩わしさが無くなるので、大人数の団体客の予約が増えるという副次的効果も見込まれる。




店側の「儲け」以外のメリット

レストランの店舗オペレーションの面でも、食べ放題やビュッフェ形式は店側にメリットがある。

1. 人件費削減


普通のレストランでは、客の注文を受けて料理を作るため1品・1皿ずつ作ることになり、規模が大きくなればスタッフの人数も増える。

しかし、ビュッフェ形式の店では大皿に山盛りの料理を一度に作ることができる。

30人分の料理を作っても、手間が30倍かかるというわけではないのでオペレーションが効率的なになる

スケール・メリットが働き、経済学でいう「規模の利益」が出るのだ。

2. 回転率が高い


ビュッフェ形式の店は客席の回転率が高いことも収益面で有利だ。

普通のレストランでは、客は注文してから料理が出てくるまで待つ時間があるから回転率が悪い

ビュッフェ店であれば、客は入店すると直ちにセルフサービスで料理を皿に取って食べ始めるので客席の回転率がいい

3. ミスやロスが少ない


店員が注文を受けるというオペレーション自体がなくなるし、注文を間違えて作り直すといった手間・食材ロスが発生しないこともメリットといえよう。


利用者側の行動心理

筆者も含めて食べ放題の店が好きな人にとって耳の痛い「不都合な真実」についても考えてみたい。

人間は、しばしば合理的な考え方ができない生き物であり、少し考えれば「それは損だ!」と分かるのに、つい誤った選択をしてしまう

食べ放題の店を利用する客の立場で考えると、
「3,000円の料金で、5,000円分の料理が食べられるから、お得な食べ放題の店を選ぶ」
という考え方は必ずしも正しくはない。

なぜなら、5,000円分の料理がもし口に合わなければ、それは苦痛なだけだからだ。

サンクコスト(埋没原価)




既に発生して(支払い済みで)戻ってこない費用のことを、管理会計の専門用語で「サンクコスト/埋没原価」という。

払ってしまった金のことを考えるあまり非合理的な選択をしてしまう人は意外に多い

サンクコストを意識してしまう私たちは、日常のさまざまな場面で非合理な行動や選択をしてしまう。

例えば、借りたレンタルDVD映画が少しみただけで全く期待外れで退屈だった場合、無理して最後までみるのは苦痛だし何より時間がもったいないだろう。

300〜500円のレンタル代よりも2時間の鑑賞時間の方がよほど貴重だ。また、購入した本がつまらなかった場合も同様だ。

払った本代を無駄にしたくないからと、無理してその本を最後まで読むなんてことは愚かであろう。

「レンタル料金や本の代金を損するだけで済ませる」ことの方がより賢明であるのに、なぜか私たちは
「払った代金と時間の両方を損する」
という愚かな選択を取りがちである。


合理的に考える方法

食べ放題の店に入ってテーブルに着席したら、料金3,000円のことは忘れること。

予想外に早くおなかがいっぱいになったとしても「元を取るまで頑張って食べよう」と考えるべきではない。

「食べ放題で元を取ろう!」
と、3,000円の料金を損した上に、口に合わないまずい料理を無理して食べて不愉快になるのでは、まさに愚の骨頂であるといえよう。

無理して食べることでおなかを壊し体調を崩してしまうことにもなりかねない。

店の料理が口に合わなかったら、無理して食べずに店を出て自宅でお茶漬けでも食べる方がむしろ合理的ともいえる。

一番の幸せはなにか?




料理を十分に食べて満腹になり、すでに料金の元を取ったにもかかわらず、少しでも多く食べて得をしようと無理をして食べ続ける人をよく見かける。
無理して頑張っても払った料金は返ってこないのだから、料金のことは忘れて、その時点で自分が一番幸せになれる行動を取るべき

である。

人間はどうしても非合理な行動・選択をしてしまう傾向があるのだが、長い人生において
「サンクコストは無視して考えるべき」
ということを理解していれば、日常生活はもとより資産運用やビジネス上の判断においても、合理的で賢明な選択ができるはずである。(執筆者:完山 芳男)