加給年金

60歳の誕生日を迎えたら…ケーキ屋よりも「年金事務所」へ。すぐに確認するといい7つの理由

いよいよ60歳!



60歳の誕生日を迎えたとき、どう感じますか?
「いよいよ年金か…」
なんて感じませんか?

もしくは「年金なんてまだまだ。まだまだ働くぞ」と思いますか?

もし年金を考えたなら


何をするか検討したときは
「年金事務所」
「年金定期便」
「ねんきんネット」
確認することをおススメします。

年金をもらう年齢は、職業など、性別、生年月日によっても異なりますが、60歳で年金について「手続き」や「確認すること」は何があるのか確認してみましょう。


1. 59歳の年金定期便を見てみよう

59歳の年金定期便で、年金の見込み額を見てみましょう。


≪画像元:日本年金機構HP


50歳以降の年金見込み額は
「国民年金保険料または今の給与に厚生年金保険料を60歳まで払い込んだ」
ことを前提に年金見込み額が計算されています。

51歳から58歳までの年金定期便は多めに見積もった年金見込み額です。

なので51歳の年金定期便と比べ59歳の年金定期便はより実際にもらえる年金額に近いのです。

「年金見込み額」に考慮されていないもの


年金定期便の年金見込み額には、年金版家族手当である加給年金や被扶養配偶者の振替加算の額は考慮されていません

年金定期版では家族まで考慮されていないので、扶養家族がいて加給年金が付く人だと年金額は少な目に見積もりされています。

また60歳以降の仕事の状況も考慮されていませんし、年金をもらっていると定期便の年金見込み額は表示されません


2. 年金ネットを見てみる



「家で手軽に年金額を確かめよう。」と思った場合の年金ネットですが、できることは以下の内容です。
1. 年金記録照会(主に職歴)
2. 持ち主不明記録検索
3. 年金見込み額試算。
4. 追納・後納等可能月数と金額の確認
5. 電子版「年金定期便」「被保険者記録照会回答票」を出力。
6. 年金支払通知書などを確認
7. 届出書の確認、作成
ちなみに筆者は年金ダイヤルへ電話で照会してみました。

年金見込み額試算は、60歳以降厚生年金加入で働く場合も、給与を入力できるので、一部止まった後の年金額も確認できるとのことです。

ただ、年金版家族手当の加給年金については、年金手続きをした後配偶者情報が登録されたからでないと、年金額には反映されないとのことです。


3. 特別支給の老齢厚生年金

「年金は65歳からもらうもの、60歳から64歳に年金をもらうと損をする」
そんな風に考えてはいませんか?

必ずしもそうではなく、特別支給の老齢厚生年金は60歳から64歳までの間に部分年金が出る人もいます

1年以上厚生年金に加入していた人は性別と誕生日から何歳から厚生年金をもらえるのか、確認しましょう。


≪クリックで拡大 特別支給の老齢厚生年金の支給は60歳から64歳まで≫

≪画像元:日本年金機構HP(pdf)≫


この65歳前に受け取る特別支給の老齢厚生年金は支給開始年齢(60歳から64歳)に年金をもらわず、支給を遅らせたりしても年金額は増えません

それどころか5年の時効が過ぎると5年経過した月から、特別支給の老齢厚生年金がもらえなくなってしまう可能性も高いのです。

厚生年金に1年以上加入している人は、自分の支給開始年齢が60歳から65歳までのどの年齢なのか、しっかり確認をしましょう。


60歳に年金事務所で確認した方が望ましい理由

年金支給の有無に関わらず、60歳に年金事務所で確認した方が望ましい理由があります。

1. 繰り上げて年金をもらえるのは60歳からだから


厚生年金加入が1年未満の人も65歳から年金はもらえ、60歳から繰り上げて年金をもらうことができます

60歳から64歳までの間に特別支給の老齢厚生年金をもらえる人も同様です。

65歳から受給するのと比べると30%(1か月受け取りが早いごとに0.5%分×60か月)年金額は減りますが、60歳から繰り上げて早めに年金を受け取る選択肢があります。

60歳時またはそれ以降64歳までに、年金を受け取ったらどのくらい年金額が減るのか確認してもらうと老後の計画が立てやすいでしょう。

2. 60歳以降働く場合、どのくらい年金が止まるかわかるから


60歳以降、年金をもらいながら働きたい人も「どのくらいまでの給与なら」年金が全額もらえそうか、計算してもらうこともできます。

年金定期便では60歳以降厚生年金加入の場合年金見込み額は確認することができないのです。

3. 保険料を10年間払っていなくても「カラ期間」が見つかれば、年金につながるから


保険料納付済み期間と免除期間が10年以上の人に、「年金裁定請求書」が誕生日3か月前に届くのですが、10年ない人には届きません
「国民年金保険料をそんなに払ってない。」
と感じる場合も60歳に年金事務所で「どのくらいの期間国民年金を払っているか、免除期間はないか、カラ期間はないか」を確認しておいた方がいいでしょう。



4. 10年の年金期間がない人でも60歳から70歳までの期間は救済期間になり得るから


例えば60歳時全く年金期間がない場合でも、受給期間のない人は70歳まで年金保険料を支払うことができるます。

60歳から70歳まで年金保険料を支払えば、70歳で年金をもらう権利を得ることができます

5. 60歳から65歳までは、国民年金に任意加入し年金額を増やせるから


60歳から65歳までは、年金期間が40年(480か月)になるまでは国民年金に任意加入し、年金額を増やすこともできます。

例えば1年間、国民年金に任意加入すると、年金額が約1万9,000円、一生にわたり増額になります。

国民年金を免除されていた期間がある場合は、免除分を追納すると、年金額が増えますし、追納してから60歳以降国民年金に任意加入できます

6. 年金定期便や年金ネットでは計算されない年金額があるから


年金定期便でも年金ネットでも家族手当に該当する加給年金は、年金事務所で手続きを済ませて、加給年金の支給の有無を確かめてからでないと年金額に表示されません

60歳で年金手続きがまだできない誕生日の人も、自分が加給年金または振替加算の対象者であるかを60歳時に確認しておくと65歳以降の年金額がより正確にわかります

7. もし長期加入特例や障碍者特例に該当すればと早めに満額の年金を受け取れるから


通常65歳までは部分年金しか支給されないところですが、
・ 44年以上厚生年金に加入している
・ 障害3級以上
だと支給開始年齢(60歳から64歳までの誕生日)から65歳まで全部の年金(部分年金ではなく)が支給されます。

ところが、全部の年金を享受できるのは退職してからになるのです。

60歳過ぎてから働いている方は、一度退職したとして、年金を試算してもらい、長期加入特例や障害者特例に該当してないか、確かめてもいいのではないでしょうか?


支給年齢(60歳から65歳)になったら、書類をそろえて!

特別支給の老齢厚生年金は、性別・生年月日によって、年金をもらえる年齢が異なります。


≪クリックで拡大 特別支給の老齢厚生年金の支給は60歳から64歳まで≫

≪画像元:日本年金機構HP(pdf)≫


年金の支給を受けられる誕生日の3か月前に「老齢年金の裁定請求書」が日本年金機構から住民票のある住所へ送付されてきます。

25年以上年金期間がある人には緑色の封筒で、10年以上で25年未満の年金期間の人には黄色の封筒です。


≪画像元:日本年金機構HP(pdf)≫



手続きの前に確認すること

すぐに手続きしたくなるかも知れませんが書類を取りそろえるのはちょっと待って!

同封の「年金請求手続きのご案内」(pdf)を見てください。

配偶者や子供がいて加給年金をもらうことのできる人の提出書類は、戸籍・住民票・所得証明は
「戸籍・住民票は、誕生日の前日以降、かつ、年金請求書提出日の6か月前以降 に交付されたものをご用意ください。」
と明記してあります。


≪画像元:日本年金機構HP

お誕生日の前日以降に、

・ 戸籍謄本(全部事項証明)
・ 住民票(全員の記載があるもの)
・ 所得証明(受給権の生じた前年分)

3点を取るのが無難です。

もし、老齢年金の請求手続きを誕生日から1年以上遅れていくときは、所得証明は誕生日前年の古い所得を証明するものが必要になることがあります。

配偶者と生計は同一だけど別居の場合


「生計同一の申立書」が年金事務所にあるので必要事項を記入し、3親等の親族・姻族以外の第3者(民生委員、施設長、友人など)から証明を書いてもらいます。

・ 健康保険証
・ 源泉徴収票
・ 給与明細

などの提示を求められることもあります。

年金事務所の窓口に行くとき




本人が行く場合


・ マイナンバーカード(写真付き)
・ 住基カード(写真付き)
・ 運転免許証
・ 健康保険証
・ 通帳等身分を証明できるもの
・ 印鑑

を持っていきましょう。

代理人にお願いするとき


・ 委任状(年金事務所に書式有)
・ 代理人の身分証明
・ 年金を請求する人の印鑑
・ 年金を請求する人の通帳

などが必要です。

60歳時の確認、誕生日以降の年金手続きが滞りなくいくと、その後は安定的な年金収入が見込まれます。(執筆者:拝野 洋子)

年金受給額を「早見表」で確認! 現在の加入期間と月収ですぐわかる

将来受給できる年金額の大まかな目安



※1円未満の端数については、50銭未満は切り捨て、50銭以上1円未満は1円に切り上げしております。

詳しい説明は後半でしていきます。

早見表を見る前の解説


国民年金の保険料を納付した期間や免除を受けた期間、厚生年金保険に加入した期間などを合算した期間が、原則として10年以上ある場合には、国民年金から支給される「老齢基礎年金」を、原則として65歳から受給できます。

また厚生年金保険に加入した期間が1か月以上ある場合には、この老齢基礎年金に上乗せして、厚生年金保険から支給される「老齢厚生年金」を受給できます。

これらに加えて厚生年金保険に加入した期間が、原則として20年以上ある方に、生計を維持されている次のような家族がいる場合には、老齢厚生年金に「加給年金」が加算されます
・65歳未満の配偶者(ただし厚生年金保険に加入していた期間が、原則として20年以上あり、かつ老齢厚生年金を受給できる配偶者などについては、加給年金は支給停止されます)

・18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子、障害等級1級または2級の障害状態にある20歳未満の子
この他に「経過的加算」も受給できる場合がありますが、それほど金額は大きくはないので、老齢基礎年金、老齢厚生年金、加給年金の3つの金額がわかれば、将来に受給できる年金額の大まかな目安がわかります


国民年金の保険料を1か月滞納すると1,623円ずつ減額



国民年金の保険料を20歳から60歳になるまでの40年に渡り、
一度も欠かさずに納付して、満額の老齢基礎年金を受給できた場合、その金額は2017年度額で77万9,300円です。
また40年(480月)で満額を受給できるので、未納期間が1か月増えるごとに、だいたい1,623円(77万9,300円÷480月)ずつ減額されます。

ただし申請を行って全額免除を受けておけば、この半分の811円くらいの減額で済みます

また4分の1免除は203円、半額免除は406円、4分の3免除は609円くらいの減額で済みます。

こういったデータと、ねんきん定期便などに記載されている「これまでの加入実績に応じた年金額」を活用すれば、将来に受給できる老齢基礎年金の大まかな目安額を算出するのは、決して難しくはないと思うのです。

控除されている厚生年金保険の保険料の一部


給与から控除されている厚生年金保険の保険料の一部は、国民年金の保険料として使われるので、20歳から60歳になるまでの40年に渡り、厚生年金保険に加入していた場合についても、満額の老齢基礎年金を受給できます

厚生年金保険の加入者の被扶養配偶者(20歳以上60歳未満)


厚生年金保険の加入者の被扶養配偶者(20歳以上60歳未満)は、届出を行って国民年金の第3号被保険者になれば、国民年金の保険料を納付しなくても、納付したと取り扱われます


配偶者に対して加算される加給年金には「特別加算」が付いている

配偶者に対して加算される加給年金は、2017年度額で22万4,300円です。

これに加えて老齢厚生年金の受給権者の生年月日(加算対象となる配偶者の生年月日ではない)に応じて、3万3,100円~16万5,500円(2017年度額)が特別加算されるので、両者を併せると次のような金額です。


≪画像元:日本年金機構HP


また子に対して加算される加給年金は、1人目と2人目は1人につき22万4,300円(2017年度額)となり、3人目以降は1人につき7万4,800円(2017年度額)です。


老齢厚生年金は月給と賞与を合算した平均額と加入期間で決まる

ねんきん定期便などを見るとわかるように、2003年4月以降の期間に関する老齢厚生年金は、次のような計算式で算出します。
平均の標準報酬額×生年月日に応じた給付乗率(1946年4月2日以降生まれは「5.481/1,000」)×厚生年金保険に加入した月数
この中の「平均の標準報酬額」とは、月給を元に算出した「標準報酬月額」と、賞与を元に算出した「標準賞与額」を合算した平均額です。

つまり老齢厚生年金の金額は、現役時代に会社から受け取った月給と賞与を合算した平均額と、厚生年金保険に加入した期間で決まります



例)月給が15万円で、賞与(30万円)を年2回支給された方が、1年(12月)で退職した場合


平均の標準報酬額は次のようになります。

・15万円×12月+30万円×2回=240万円(月給と賞与を合算)

・240万円÷12月=20万円(平均額を算出)

そのため「20万円×5.481/1,000×12月」で、老齢厚生年金の金額を算出すると、だいたい1万3,154円くらいになるとわかるのです。

また次の早見表を見ると、この例より平均の標準報酬額が高かった場合や、厚生年金保険に加入した期間が長かった場合などの、老齢厚生年金の目安額がわかります。


※1円未満の端数については、50銭未満は切り捨て、50銭以上1円未満は1円に切り上げしております。

ねんきん定期便を活用


過去に納付した保険料に基づく年金額は、ねんきん定期便などを見ればわかります。

このような早見表を活用して、将来に納付する保険料に基づく年金額を計算すれば、将来に受給できる老齢厚生年金の大まかな目安額がわかります。


≪画像元:日本年金機構HP



2018年以降は150万円や201万円が新たな年収の壁になる

2018年以降は皆さんもご承知のとおり、夫が38万円の配偶者(特別)控除を受けるための妻の年収制限が、従来の「103万円以下」から「150万円以下」に拡大されます。

また年収が103万円を超えたとしても、「141万円以下」ならば減額された配偶者(特別)控除を受けられますが、これも「201万円以下」に拡大されます。

従業員数が501人以上の会社で働いていると、社会保険に加入することになる106万円、2018年以降は新たな年収の壁になる150万円、または201万円まで働いた場合の老齢厚生年金の目安額は、次の早見表を見るとわかります。


※1円未満の端数については、50銭未満は切り捨て、50銭以上1円未満は1円に切り上げしております。

なおそれぞれの標準報酬月額である8万8,000円(106万円)、12万6,000円(150万円)、17万円(201万円)に、上記の給付乗率と厚生年金保険に加入した月数を乗じると、更に詳細な老齢厚生年金の目安額がわかります


女性の平均寿命から考えると払い損になる可能性は低い

目標とする年収を106万円にした場合の、2017年9月以降の月々の厚生年金保険の保険料は8,052円であり、150万円にした場合は1万1,529円、201万円にした場合は1万5,555円になります。

例)年収の目標を106万円にした場合




9万6,624円(8,052円×12月)の保険料を納付すると、上記の早見表の中に記載されているように、65歳から5,788円くらいの老齢厚生年金を受給できるのです。

そうなると受給した年金額が納付した保険料を上回る、つまり元がとれるまでに16年くらいはかかります

ただ厚生労働省の調査によると、2016年の女性の平均寿命は87.14歳ですから、あくまで目安額のうえでは払い損にならないと考えられ、また長生きするほどお得です。(執筆者:木村 公司)

【知らないと損をする】年金分割は離婚後2年以内に請求しないともらえない。損する事例を紹介します。

「加給年金」と「振替加算」



原則65歳から支給される老齢厚生年金の受給権者に、一定の配偶者がいる場合には、「加給年金」が上乗せして支給されます

また加給年金の加算対象となる配偶者が65歳になると、加給年金は振替加算に切り替わり、配偶者が受給する老齢基礎年金に上乗せして支給されます

振替加算が未払い問題は拡大しない理由


最近はこの振替加算の未払い問題が、世間を騒がせておりますが、他の未払い問題と比べると、被害が拡大する可能性は低いと思うのです。

その理由として未払い問題が発生した、主な要因として挙げられているのは、会社員などが加入する厚生年金保険と、公務員などが加入する共済年金の、情報の共有ができていなかったことです。

しかし2015月10月に共済年金は、厚生年金保険に統合されたので、情報の共有ができないということは、今後は発生しにくいと思うのです。

加給年金が振替加算に切り替わらない人が増える


また加給年金の加算対象となる配偶者の生年月日が、1966年4月2日以降の場合には、加給年金は振替加算に切り替わらないため、振替加算が上乗せされる方は、どんどん少なくなっていくのです。

そのため結婚や離婚に関連した年金の知識の中で、振替加算の重要度は低くなっていくと同時に、次のような知識を事前に知っておいた方が、役に立つのではないかと思います。


国民年金の被保険者は3種類

国民年金の被保険者は3種類に分かれ、保険料の納付方法などが違います。

日本国内に住所を有する、原則として20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入しなければならず、その被保険者は保険料の納付方法などの違いによって、次のような3種類に分かれます



第一号被保険者


自営業者、フリーランス、学生、無職などに該当する方は、国民年金の第一号被保険者になり、その保険料は自分で納付します。

第二号被保険者


会社員や公務員などに該当する方は、国民年金の第二号被保険者になり、その保険料は勤務先が給与から控除して納付します。

第三号被保険者


第二号被保険者に扶養されている配偶者は、国民年金の第三号被保険者になり、その保険料は第二号被保険者が加入している年金制度が負担するので、自分で納付する必要はありません。

これを見るとわかるように、会社員や公務員などに該当する方は、厚生年金保険に加入しているだけでなく、第二号被保険者として国民年金にも加入しているのです。

ですから給与から控除されている厚生年金保険の保険料の一部は、国民年金の保険料として使われます


第一号被保険者になる時には、自分で手続きを行う必要がある

例えば大学を卒業してから就職し、結婚後は専業主婦になり、その後に離婚してパートで働き始めた方の国民年金の種別は、次のように変わっていきます。
20歳になってから就職するまでは「第一号被保険者」

就職してから結婚するまでは「第二号被保険者」

結婚してから離婚するまでは「第三号被保険者」

離婚してからは「第一号被保険者」
この中のうちで「第一号被保険者」になる時、つまり20歳になって国民年金に初めて加入する時と、離婚した時については、市区町村の役場などに行って、自分で手続きをする必要があります

この手続きをしないまま、保険料の納付期限(原則として納付対象月の翌月末)から2年が経過し、未納期間と確定することにより、将来に受給できる年金が減ってしまう場合があるのです。

「第三号被保険者」の手続きについて


なお以前は結婚して第三号被保険者になる時も、自分で手続きをする必要があったのですが、これをやらない方が非常に多かったため、2002年4月からは第二号被保険者の勤務先が、手続きをすることになりました。

またこの手続きを忘れていた場合には、「特例届出」を提出することにより、さかのぼって第三号被保険者の期間であったと、認められる可能性がありますので、心当たりのある方は年金記録を調べてみましょう。


離婚の翌日から2年が経過すると、年金分割を請求できなくなる

例えば第二号被保険者である夫と、第三号被保険者である妻が離婚した場合に、夫の厚生年金保険の保険料納付記録が妻に分割される、「離婚時の年金分割」という制度があります。

このように保険料納付記録が分割されると、夫が納付した厚生年金保険の保険料の一部を、妻が納付したという取り扱いに変わるため、妻が受給する年金が増えるのです。

ただ離婚したら自動的に分割されるわけではなく、年金事務所に行って請求手続きを行う必要があるのです。

またこの請求手続きは原則として、離婚の翌日から2年以内に行う必要があります

この期間を過ぎてしまうと、請求できなくなってしまいます

将来に受給できる年金を減らさないため、まず何よりも原則2年という請求期限があることは、事前に知っておいた方が良いと思うのです。




再婚によって受給できる年金が、減ってしまう場合がある

例えば夫の死亡によって受給権が発生した遺族厚生年金と、老齢基礎年金を受給している女性が、再婚(事実婚を含む)した場合には、受給できる年金が減ってしまいます。

その理由として遺族厚生年金の受給権は、婚姻によって消滅するため、再婚後は老齢基礎年金のみを受給することになるからです。

なお再婚した相手と離婚しても、遺族厚生年金の受給権が復活することはありません

再婚後は相手の収入もあるはずなので、遺族厚生年金の受給権が消滅しても、当面の生活には困らないと思います。

ただ遺族厚生年金の受給権が消滅することを知らないで再婚した方は、受給できる年金が減ってしまうことに、驚きを感じるはずです。

ですからこういった知識を、事前に知っておいた方が良く、また再婚するか否かの判断材料のひとつに、加えた方が良いと思うのです。(執筆者:木村 公司)

【読者(65歳)の質問に回答】妻(30歳)が外国人で海外在住であっても、加給年金を受給できますか?

読者の質問

65歳男性
昨年結婚
厚生年金38年間

妻 
30歳 外国人
年金の支払いはなし

子供なし

現在無収入

外国在住


今年で65歳になり加給年金の申請をしようと思っていますが、妻は30歳の外国人で昨年結婚しました。

私は大学卒業後、厚生年金を38年間かけていて妻も日本で年金はかけていません。

現在無収入で条件に該当すると思うのですが、妻が外国籍で外国在住(私と同居)でもだいじょうぶでしょうか。


私の回答

加給年金の加算対象となる配偶者は、日本人に限定されませんので、妻が外国人であっても加算要件を満たしていれば、加給年金を受給できると考えられます。

ただ年金事務所に提出する書類に添付するものが、配偶者が日本人の場合とは違ってくるので、それを準備するための手間や時間がかかるかもしれません。


くわしく解説



家族手当となる加給年金は、配偶者と子に対して加算される


結婚して配偶者や子がいる方については、基本給に上乗せして、会社から家族手当が支給される場合があります。

加給年金とは老齢厚生年金(基本給)に上乗せされる、家族手当のようなものであり、その加算要件は次のようになっております。
「厚生年金保険の加入期間が原則として20年以上ある方が、65歳に到達した時点、または定額部分の支給開始年齢に到達した時点で、その者によって生計を維持されている配偶者や子がいること」
また配偶者に対して加算される加給年金は、年額で22万4,300円(2017年度額)です。

これに加えて老齢厚生年金を受給している方の生年月日(配偶者の生年月日ではない)に応じて、3万3,100円~16万5,500円(2017年度額)が特別加算されるので、両者を併せた合計額は次のようになります。


≪画像元:日本年金機構 加給年金額と振替加算


なお子に対して加算される加給年金は、1人目と2人目は1人につき、年額で22万4,300円(2017年度額)となり、3人目以降は1人につき、年額で7万4,800円(2017年度額)です。

年齢や年収などにより、加給年金の加算対象になるかが決まる


上記の加算要件の中で、今回の読者の質問に関連している、わかりにくい点を説明すると、次のようになっております。

1. 定額部分の支給開始年齢

男性は1961年4月1日以前に生まれた方、また女性は1966年4月1日以前に生まれた方であれば、60歳から65歳になるまでの間に、特別支給の老齢厚生年金を受給できるのです。

・ 特別支給の老齢厚生年金は、65歳になると老齢基礎年金に変わる「定額部分」と、65歳になると老齢厚生年金に変わる、「報酬比例部分」に分かれます。

・ 定額部分が先に65歳まで引き上げされ、それが終わった後に報酬比例部分が、65歳まで引き上げされます。

例えば男性は定額部分の引き上げはすでに終了し、報酬比例部分が引き上げされている最中のため、
「定額部分の支給開始年齢に到達した時点=65歳に到達した時点」
になるので、原則的に65歳にならないと加給年金は加算されません

生計を維持されている配偶者や子

加給年金の加算対象となる配偶者とは、65歳未満の方になり、婚姻期間の長短は問いません。

また加給年金の加算対象となる子とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある方、または障害等級1級または2級の障害の状態にある、20歳未満の方です。

こういった方の年収が850万円(所得では655.5万円)未満で、生計を同一にしている場合には、「生計を維持されている配偶者や子」に該当するのです。

ただ加算対象となる配偶者の厚生年金保険の加入期間が、原則として20年以上あり、かつ老齢厚生年金を受給できる時などについては、加給年金は支給停止です。


配偶者が日本人の場合とは、添付するものが変わってくる


質問の中に記載されている読者のプロフィールを見てみると、これまでに紹介した加算要件を満たしているので、妻が外国籍で外国在住であっても、加給年金を受給できると考えます。

ただこの読者のように、報酬比例部分の支給開始から65歳になるまでの間に結婚した場合、日本年金機構は加算対象になる配偶者がいる事実を把握しておりません

そのため「老齢厚生年金・退職共済年金加給年金額加算開始事由該当届」という書類を年金事務所に提出して、加算対象になる配偶者がいることを、日本年金機構に報告するのです。

これを提出する際は結婚したことや、配偶者や子が生計を維持されていることなどを証明するため、次のような書類を添付します。

・ 老齢厚生年金の受給権者の戸籍抄本または戸籍謄本

・ 世帯全員の住民票の写し

・ 加給年金の加算対象者の所得証明書か非課税証明書

今回のように妻が外国籍で外国在住の場合、国によってはこれと同じものを、用意できない可能性があります

そのため年金事務所に問い合わせをして、代わりに何を添付すれば良いのかを、確認する必要があるのです。



受給権を取得した当時に胎児だった子は、加給年金の加算対象になる


今回の読者の奥様はまだ若いので、将来的には夫婦の間に子が生まれるかもしれませんが、その子は加給年金の加算対象にはなりません

その理由として加給年金の加算対象になるのは、老齢厚生年金の受給権を取得した当時、つまり65歳に達した日に、生計を維持されている配偶者や子になるからです。

ただ老齢厚生年金の受給権を取得した当時に、胎児であった子が生まれた場合には、その受給権を取得した当時に、生計を維持されていた子とみなします。

そのため子が生まれた翌月から加給年金の金額が改定され、二人分を受給できるので、再び手続きが必要です。

妻が65歳になると加給年金は、振替加算に切り替わる


加給年金の加算対象になっている妻が65歳になると、それまで夫に支給されていた加給年金は打ち切られます

しかしその加給年金は振替加算に切り替わり、妻が受給する老齢基礎年金に上乗せされます。

ただ妻の生年月日が1966年4月2日以降だと、加給年金は振替加算に切り替わらないため、加給年金の打ち切りと同時に、いずれも支給されなくなるのです。

今回の読者の奥様は年齢から考えて、このケースに該当すると考えられるので、振替加算の話については、特に覚えておく必要はないと思います。(執筆者:木村 公司)

支給漏れでまた高まる年金不信 現状の問題点を大きく3つに分けて解説

平成29年9月13日、厚生労働省は10万人強、計600億円弱にものぼる年金支給漏れがあったと発表しましたが、過去最大規模の支給漏れとも言われています。

その前には繰り下げ受給の開始年齢を70歳→75歳と後ろ倒し可能な案を検討という話から、受給開始年齢引き上げの懸念を生んでいましたが、この年金不信は様々な次元で存在していると言えますので整理しましょう。



1. 組織体制・情報連携の問題

支給漏れの問題と直結していますが、このようなミスを生んでしまう年金機構等の体制に関する不信です。

年金機構などの前身にあたる社会保険庁時代から、保険料を払っていた期間の年金記録が杜撰だったことは周知の事実ですが、まだ改善し切れていないところがあると言えます。

民間企業の会社員が加入する厚生年金と、公務員・私立学校職員が加入する共済年金との一元化は平成27年10月に行われましたが、今回の支給漏れは共済年金加入者の(主に扶養になっていた)配偶者に対するものであり、一元化によって発覚したものです。

共済年金はもともと何十団体と存在する共済組合が保険料納入と年金支給を取り扱っており、年金記録の取り扱いをめぐって共済組合と旧社会保険庁・年金機構との連携がうまくいっていなかったことも支給漏れの原因となりました


2. 複雑な制度

今回の支給漏れは、平成19年に発覚した誰もがもらえる年金の本体ではなく、基礎年金では不十分と思われる層に対して上乗せした「振替加算」と呼ばれる制度です。

そもそも何の振替か? ですが、「加給年金」と呼ばれる年金上乗せ部分の振替です。現役時代専業主婦世帯だったような場合は、加給年金は大黒柱の夫、振替加算は専業主婦だった妻がもらえます



加給年金をもらうには、過去に厚生年金・共済年金20年以上加入していて、妻側は20年未満の加入という要件があります。

この妻が65歳になれば、老齢年金とともに振替加算がもらえますが、夫側の加給年金が打ち切られます。

妻が年上の場合夫は加給年金がもらえませんが、夫が65歳になり老齢厚生年金をもらうようになってからは振替加算がもらえます。

この制度の説明で、ほとんどと言っていいほど報道機関での説明で上記のイメージ図が使われます。

実際の支給に関してはさらに複雑な要件が絡み、年金機構や共済組合の職員でも理解が大変だと思うような複雑な制度です

ましてもらう人達で制度を理解できるのは少ないのではないでしょうか? これではわからないことをいいことに…という不信感が出てくるのも無理は無いでしょう。

またベーシックインカム賛成論者の論拠の1つとして、このような複雑な年金制度の解消があります。


3. 積み立て方式ではなく賦課(現役世代からの仕送り)方式

民間の個人年金保険であれば、例えば65歳から10年間月5万円もらうという保障内容で契約し、保険料を月1万円払うという流れになります。

しかし老齢年金の場合は、現在では原則65歳から終身でもらえるというものですが、もらえる金額は65歳になった段階での法令上の取り決め、社会情勢によって左右されます。

生年月日に応じて緩和措置を設け、受給開始年齢が60歳から引き上げられてきました。

これは民間の個人年金のような積立方式でなく、現役世代が払う保険料で高齢者に支払う年金を支える仕送り方式になっているからで、少子高齢化が進むと支給するほうを絞り、徴収するほうを多くしていかざるを得なくなります

このいつからもらえるかわからない予測不可能性が、不信につながっていると言えます。


この3点は本当に問題なのか?


1は本来あってはならないことなので不信感につながっても仕方ありません。2のように複雑な制度のために体制に混乱が生じているのであれば、簡素化も考えていかないといけないでしょう。

3の賦課方式は海外でも多く採用され、欧米では受給開始年齢が67~68歳からとなる国もあります。

日本は高齢化のスピードは速く、直近の健康寿命は70歳も超えているため、このぐらいの引き上げは想定の範囲内とも考えられます。

年金制度と雇用慣行・健康寿命がリンクしているかが問題


賦課方式そのものが問題というより、下記2点の関わりで見ていくべき話であると考えられます。

A.仮に年金受給開始年齢が引き上げられたとして、企業が充分な給料でその年齢まで雇ってくれるかが保証されない。
B.高齢化社会で寿命が延びているとしても、受給開始年齢まで健康で働けるかが保証されない。

雇用制度・慣行や健康寿命とのリンクがうまく行かなければ、年金をもらえなくなった高齢者が置き去りにされてしまいます。

雇用制度・慣行が追いついていけるか


高齢者に限らず年齢に大きく縛られた日本型雇用慣行の影響が大きいのでしょうが、現状65歳までの雇用についても多くの企業は定年引上げでなく継続雇用を採用しており、非正規雇用増加の一因にもなっています。

企業側の進まない動きに追い込まれる形で、政府は国家公務員の65歳定年引上げを検討し始めました。

人手不足もあり、結果オーライ的に企業も高齢者のさらなる活用促進を早晩迫られることにはなるでしょう。

置き去りにされて貯蓄を取り崩すことを防止する為の国民の自衛策として、積立方式のiDeCo活用などが現状考えられていますが、雇用慣行変更の担保も無く受給開始年齢引き上げに踏み切るのが変な話です。

踏み切るなら当局が昨今の長時間労働削減ぐらいの追い込みをかけないと、Aの大きな不満は解消されないでしょう。

老後の健康不安を増幅させないよう

また国も受給開始年齢引き上げを匂わせるような不安材料ばかりでなく、繰り上げ受給による開始年齢にもあわせて触れておかないと、Bのような不安につながると思います。

さらに例えば60歳から開始年齢まで「老齢障害年金」というような、受給要件になる障害状態を現役時代の障害年金より緩めた形の制度を導入することも考えられます。(執筆者:石谷 彰彦)

配偶者の「年金支給漏れ」はどうして起きたのか。「振替加算」、「加給年金」とは? 

配偶者の加算年金、「振替加算」支給漏れ!



9月13日に厚生労働省より公表され、世間を騒がせているのが配偶者の年金支給漏れです。

「振替加算」の支給漏れのことですが、日本年金機構では11月上旬から、把握できる対象者(約10万6,000人とのこと)に郵便で伝え、11月15日に未払い額を支払う予定(9月13日朝日新聞より)とのことです。

どうしてこんなことが起きてしまったのか…。

支給漏れのうち96%が夫婦のうちどちらかが元公務員で共済組合に加入していたため、情報の共有ができていなかったことが大きいとのこと

平成27年10月以降厚生年金と共済組合が一元化され、共済組合の情報の1部が年金機構で確認できるようになってから発覚したという事情があるようです。


「振替加算」とは?

振替加算」とは加入期間が短い専業主婦等の年金が低くならないような配慮の元に導入された制度です。

昭和61年4月から日本国民が全員年金制度に加入し、老齢基礎年金を受け取る「国民皆年金」の制度になったのですが、昭和61年4月前の会社員の配偶者(専業主婦・夫など)の年金は「入っても入らなくてもいい」という扱いだったため、国民年金に入っている専業主婦等が少なかったのです。

まずは、どんな要件を満たしていれば振替加算をもらえるのか確認してみましょう。

振替加算の対象者は年金をもらう方(一般的には妻、夫も可)が次の4点を全て満たした方です。

1. 本人・配偶者ともに大正15年4月2日から昭和41年4月1日以前生まれである。
2. 配偶者(一般的に夫)が会社員・公務員(厚生年金・共済年金加入)で原則20年以上勤務している。
3. 本人(一般的に妻)は原則20年未満の会社員・公務員勤務である。
4. 本人(一般的に妻)の年収850万円未満である。

ただし例外もあります。

2.配偶者が20年以上勤務の会社員・公務員(厚生年金・共済年金加入)


2の例外

配偶者の夫が40歳以上(妻は35歳以上)で会社員・公務員をしていた場合15年から19年の勤続でも妻(夫も可)は振替加算の対象者になることがあります。

3.本人が20年未満勤務の会社員・公務員


3の例外

妻が35歳以上(夫が40歳以上)で会社員・公務員をしていた場合15年から19年の勤続でも妻(夫でもあり)は振替加算がもらえないこともあります。



昭和26年4月1日以前生まれの人は、40歳(女性は35歳)以降15年から19年勤めると20年とみなされます

「振替加算」は上記4つの条件を満たした受給者本人の誕生日によって支給額が異なります。

「国民皆年金」になった昭和61年4月時点の年齢が高いほど60歳までの期間が短く、年金額が少なくなる分「年金額を補完」するのが「振替加算」です。

年齢が高いほど「振替加算額」は多くなります。(参考元:日本年金機構HP )


振替加算は年配の方ほど多い。


若くなるほど振替加算は少なくなっていく。


若い人の振替加算額は少額です。

振替加算額は若い方ほど少なく、現在(平成29年10月)50歳から56歳までの会社員妻(夫も可)で年1万5,028円、振替加算額が多いのが現在90歳から91歳の年額22万4,300円です。

昭和41年4月2日以降生まれの方には振替加算は支給されません

「国民皆年金」になった昭和61年4月時点で20歳未満なので、60歳までの期間が40年あり、満額の老齢基礎年金(平成29年 77万9,300円)です。


「振替加算」とセットなの? 「加給年金」って何?



日本年金機構HP、報道、書籍などで「振替加算」と一緒に「加給年金」という言葉が出てくると思います。

「加給年金」とは被扶養配偶者や高校生以下の子供がいる方に支給される、加算年金で「年金版家族手当」とも言えます。

「配偶者の加給年金」が支給される対象者は以下の4つを全て満たした方(一般的に夫、妻も可)です。

1. 会社員・公務員(厚生年金・共済年金加入)で原則20年以上(年齢により15年から19年)勤務している(一般的に夫)。
2. 配偶者(一般的に妻)の生まれ月が1か月でも後である。
3. 配偶者(一般的に妻)は原則20年未満の会社員・公務員勤務である。
4. 配偶者(一般的に妻)の年収850万円未満である。

配偶者の加給年金額は、年金受給者本人(一般的に夫)の誕生日により異なります

年金受給者が若いほど、配偶者の加給年金額は多くなります(振替加算と逆ですね)。

若い方の方が年金をもらえる年齢が遅いので配偶者加給は多くなっています。


若い方ほど配偶者加給は多くなっています。

ちなみに18歳年度末(障害1、2級だと20歳年度末)までの子供の加給年金は、1人目と2人目は年額22万4,300円、3人目は年額7万4,300(平成29年度価格)です。


「振替加算」と「加給年金(配偶者加給)」の関係は?

妻(夫も可)が「振替加算」を受けられる条件の中に、「夫(妻も可)が会社員・公務員(厚生年金・共済年金に加入)を原則20年以上勤務」があります。

年下の妻(夫も可)に配偶者加給(平成29年度 年額25万7,400円から38万9,300円)が支給されます。

妻(夫も可)が65歳になり、妻(夫)自身も老齢年金の支給を受けるようになると、夫(妻も可)の年金から配偶者加給約38万円が減らされ、年1万5,028円から年22万4,300円(平成29年度)までの金額の「振替加算額」が妻(夫も可)の年金に上乗せされて支給されます


≪画像元:日本年金機構


妻が年下の場合、妻が65歳時、夫の加給年金がなくなり、妻に振替加算。

*大黒柱(一般的に夫)に配偶者加給年金が付く年齢は、男性は昭和24年4月2日以降生まれ、女性は昭和29年4月2日以降生まれのケース。大黒柱がそれ以前生まれの場合、生年月日に応じて60歳から64歳に配偶者加給年金が付きます

夫(妻も可)が配偶者加給をもらい、その後、妻(夫も可)が65歳になると夫の配偶者加給が無くなり妻(夫も可)の振替加算になるのですが、これは妻(夫も可)が年下の場合です。

妻(夫も可)が年上で先に65歳になり年金を受けていたり、夫(妻も可)と同じく20年(誕生日により15年から19年)以上勤めていると、原則夫(妻も可)に配偶者加給はつきません。

夫(妻も可)が65歳になったときに、妻(夫も可)には振替加算がつきます。



妻が年上だと、妻が先に65歳からの年金をもらうため、夫に配偶者加給はつかない。夫65歳時に妻に振替加算。


こんな方は「振替加算」を要確認!



上記の説明のように「振替加算」が加算される条件は複雑です。

配偶者(妻でも夫でも)の職業や勤続年数、本人の職業や勤続年数や誕生日、夫婦の年齢差によっても「振替加算」が付く時期や条件、金額が異なります。

妻が65歳になったらコンピュータで自動的に妻の年金に一定額を加算される仕組みにするわけには行かず、漏れが生じてしまった実態があるのでしょう。

では、どんな方の「振替加算」が漏れやすいか、確認してみましょう

漏れやすいのは特に以下の2点と思われます。(夫婦ともに大正15年4月2日以降生まれが条件です。)

1. 大黒柱(一般的に夫)が公務員10年、会社員10年等転職している


会社員・公務員期間を合計すれば20年以上なのに、共済と年金機構の情報が共有しきれず「会社員10年」として被扶養配偶者(一般的に妻)が配偶者加給年金も振替加算も対象になっていないかもしれません。

夫が加給年金対象者になれば、妻も65歳で振替加算の対象者になれるのです。

2. 被扶養配偶者(一般的に妻)が年上


妻が年上だと、夫が65歳の時に妻の振替加算が支給されるのですが、その時に手続き(妻の所得証明、戸籍、住民票提出)が漏れていてそのまま振替加算がついていない可能性があります

現在、年金をもらっている方や死亡した方にも「振替加算」は漏れている方がいらっしゃるそうです。

年金機構では死亡した方の振替加算の未払い分も支払う姿勢を見せています。

最後に

「おばあちゃんの現在の年金が余りに少ない」場合、「おじいちゃん長い間お役所勤めだった割におばあちゃんの年金少なかったわね」と感じる場合、年金事務所や共済組合で確認してみてはいかがでしょうか?(執筆者:拝野 洋子)