健康保険

インフルエンザで健康保険の「傷病手当金」は使えますか?

インフルエンザが流行っている時期になっていますが、皆様はいかがお過ごしですか?

職場でインフルエンザが流行っていると最近ではお聞きすることが多々あります。

インフルエンザで休むとなると1週間など長期間となってしまいます

そこで、健康保険制度の傷病手当金の利用を考えてはいかがでしょうか




「傷病手当金」とは

健康保険に加入している会社員などの方が、病気やケガのために会社を休み、会社から十分な給与などが受けられない場合に支給されます。

「傷病手当金」の支給要件は、以下の4要件が必要です。

【要件1】 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること

【要件2】 仕事に就くことができないこと

【要件3】 連続する3日間(待期期間)を含み4日以上仕事を休んでいること

【要件4】 会社を休んだ期間について給与の支払いがないこと

→ 休んでいる期間中、給与の支払いがある間は、傷病手当金は支給されません。ただし、給与の額が傷病手当金の額よりも少ないときは、その差額が支給されます


仕事に就くことができない判断について

医師が労務不能(仕事に就くことができない)と認めた期間のみが傷病手当金の対象期間となります

例えば、本人が自主的に大事を取って休んだ日は対象となりません。あくまでも、医師が労務不能と判断した場合に限ります。

また、働いているときに発症した場合、仕事に就くことができなった場合は、その日は待期期間となります。


インフルエンザでの傷病手当金は毎年支給されるか



傷病手当金は、同一傷病(病気やケガ)で支給開始日から1年6か月が支給期間と決まっています。

インフルエンザの場合は、病気の性質から昨シーズン感染したインフルエンザと今シーズン感染したインフルエンザは「別の傷病」として取り扱われます

もちろん、傷病手当金の支給決定は保険者(協会けんぽや健康保険組合)が決定するものなので保険者次第というところはあります。

毎年インフルエンザになって会社を休むことになったとしても申請をしてみるとよいでしょう。(執筆者:高橋 豊)

【確定申告】健保組合等からの医療費お知らせで「医療費控除」を申告できるの?

平成29年から改正される医療費控除の大きなものとして、健保組合等から発行される医療費通知(「医療費のお知らせ」など)を添付すると、申告の手間が大きく軽減されるというものです

マイナンバーによる社会保障と税の連携を前提とした改正でしたが、実際に平成29年分の確定申告期が始まって見ると、この点においては残念な状況と言える現実が見えてきました




要件が満たされていない医療費通知もある

添付できる医療費通知には6項目の要件


確定申告の添付資料に使える医療費通知は、現在発行されているものならすべてOKとなるわけではなく、下記6項目の記載が必須とされています

(1) 被保険者等の名前
(2) 治療を受けた年月
(3) 治療を受けた人の名前
(4) 病院・薬局等の名称
(5) 医療費の額
(6) 健保組合等の名称

従来発行されていた「医療費のお知らせ」などは、必ずしも6項目が全部網羅されているとは限りません

また平成29年分の医療費通知においても6項目の記載を健保組合等に義務化しているわけではないので、医療費通知を確定申告の添付に使えない事態も発生しています

医療費通知が添付できない自治体の例


たとえば国民健康保険の保険者である横須賀市は、(5)医療費の額が記載されていないとして、確定申告の添付資料として使えない旨告知しています。

この他、神奈川県の多くの自治体でも同様の注意を呼びかけています。(例えば茅ヶ崎市

医療費通知が確定申告に添付できない場合は、従来通り領収書から集計して計算することになります


医療費通知を添付できる場合の申告書作成方法

領収書からの入力も含め、平成29年分確定申告書等作成コーナーでの入力を紹介します



「医療費通知を利用して入力する」を選ぶのは勿論ですが、利用する医療費通知については「書面の医療費通知を利用して入力する」を選びます。

「医療費通知データを読み込んで入力する」については、次の段落で説明します。



書面での記載と同じ項目ですが、医療費通知は平成29年1~12月という単位で発行されるとは限らないので、平成28年分が混じっている場合などは、医療費通知に記載された分の全額(A)と、平成29年分を抜き出した金額(B)を両方記載します

また(C)に関しては医療費通知に記載されていないケースのほうが一般的ですが、疾病や障がいに応じて自治体から医療費の補助が出ていたり、民間医療保険の保険金がおりていたりする場合は、その金額を記載します。

医療費通知以外にも、自由診療や記載外の医療費がかかっていたり、電車・バスでの通院費があったりする場合は、「医療費通知に記載のない医療費の有無」で「はい」を選び領収書から入力します

通院費を入力する場合




医療費通知に記載されていない医療費を入力する場合





国税庁側はデータの受け入れ体制はできているが…



「医療費通知データを読み込んで入力する」を選択した場合は、XMLの取り込み画面になります。



健保組合等に用意してもらったXMLファイルを取り込むことになります。

しかし書面の医療費通知ですら確定申告に添付できないものが提供されている現状では、XMLを取り込む方法は一般的とは言えません。

マイナポータルを使った電子申請(行政手続き)もそうですが、国の側で手間軽減の体制を整えたにもかかわらず、自治体や組合側が追いついておらず、メリットを享受できる国民が少ない段階と言えます

より多くの国民がメリットを感じられるようになると、低迷するマイナンバーカード交付率が向上するのでは…と思います。(執筆者:石谷 彰彦)

年末調整で申告できる「扶養親族」の範囲 健康保険との違いにも注意

年末調整の扶養控除等申告書にある「B 控除対象扶養親族」の欄ですが、同居している親や16歳以上のお子さんを書いている方が多いでしょう。

配偶者の場合は「A 源泉控除対象配偶者」になりますし、16才未満のお子さんは「○住民税に関する事項」欄に記入します。

控除対象扶養親族は、生計を一にするという要件を満たしていれば同居かどうかは問いませんし、範囲は結構広いです。

ただし年金の扶養(第3号被保険者)は配偶者だけですし、健康保険は控除対象扶養親族より範囲が狭まります。




生計を一にする


所得要件は合計所得金額38万円(所得が給与だけであれば年収103万円)以下であり、これは配偶者に関して「150万円の壁」ができたとしても変わりません。

その他、重要な要件として同一生計(生計を一にする)要件があります。

「お財布が一緒」という言い方もあります。

上記の所得要件に加え、困ったとき・必要なときに生活費・学費等のやりとりを行っていたり、大黒柱が単身赴任で休みの時は家族と暮らしていたりするのであれば、別居であっても同一生計要件を満たします。

この同一生計要件は健康保険の扶養においては「生計維持関係」となり、いわゆる「130万円の壁」と言われる被扶養者の年収基準の他、被扶養者と被保険者が同一世帯の場合は被扶養者の年収が被保険者の半分以下、また別世帯の場合は被扶養者の収入が援助(仕送り)額未満という要件を満たしている必要があります。


6親等内の血族と3親等内の姻族

控除対象扶養親族の範囲がこれです。よく目にする表現ですが、民法上の親族の範囲と同じです。

血族が自分の親戚筋にあたり、姻族が法律婚配偶者の血族、もしくは自身の血族の法律婚配偶者になります。また、この他里子も含まれます。

親等の考え方ですが、親や子のように、1代違う場合は1親等という扱いです。また兄弟姉妹は1代遡って・1代おりてということで2親等に該当します。あとはこの考え方に基づき、家系図を見て親等を足していけばいいのです。



祖父母や孫は2親等、おじ・おば・おい・めいは3親等、曽祖父母・ひ孫も3親等、いとこ・玄孫は4親等にあたります。

こう考えると6親等内の血族は相当に範囲が広いと言えます。

一方3親等内の姻族では、義理の父母・祖父母・おじ・おば・おい・めいなどは含まれますが、配偶者側のいとこなどは含みません。

なお控除対象扶養親族を申告することによって受けられる所得税の扶養控除額は、通常38万円ですが、

・19歳~22歳の特定扶養親族の場合:63万円、
・70歳以上の老人扶養親族の場合:48万円
 (うち同居している父母・祖父母等直系尊属であれば58万円)

と金額が上がります。

健康保険の扶養は範囲が狭まる




一方で、健康保険の扶養(被扶養者の範囲)に関してはここまで広くはありません。3親等内の親族という要件があり、いとこ・玄孫などは除外されます。また

・配偶者
・父母
・祖父母
・曽祖父母
・子
・孫
・兄弟姉妹

のような近親者であれば別世帯でも可ですが、それ以外の親族であれば同一世帯であることも必要です。(執筆者:石谷 彰彦)