ボランティア

日本初のフードバンク「セカンドハーベスト・ジャパン」 食べられる廃棄食品と空腹の人を結ぶ

セカンドハーベスト・ジャパン




日本初のフードバンクとして活動しているセカンドハーベスト・ジャパン。

廃棄されるはずだった食品を引き取り、児童養護施設やDVシェルター、障害者支援施設、そして路上生活をする人たちなどに届ける取り組みです。

食品ロスが大きな社会問題となっている今。

私たちの意識改革のきっかけとしても注目すべきこのシステムを、詳しくご紹介していきます。

セカンドハーベスト・ジャパンとは


セカンドハーベスト・ジャパンという名称は
「すでに収穫された畑から二度目の収穫をする」
という考えに由来して付けられたとのこと。

食品小売店、製造業者、輸入業者が販売できずに廃棄しなければならない食品が増えると、その廃棄費用も大きな負担です。

食品の廃棄は「食べ物を捨てる」というもったいないに加え、無駄な費用まで生み出しています。

まだ十分食べられるのに廃棄される大量の食品。

一方で生活困窮のため食事を満足に摂ることができない人々もいる現実。

この両者を結びつける活動しているのがセカンドハーベスト・ジャパンです。


セカンドハーベスト・ジャパンの活動




路上生活者に定期的に炊き出しを行う「ハーベストキッチン」


毎週土曜日に上野公園で行われている炊き出しです。

この活動の素晴らしさは、たくさんのボランティアの方が協力してくれているという点です。

準備と配給、後片付けの3つのシフトに分けているため、ボランティアの方々の負担もできるだけ軽減するようなシステムになっています。

経済的困窮で食事に困っている人に食品を届ける「ハーベストパントリー」


提供の方法は次の3つ。

1. 宅配便の利用

2. 浅草橋のセカンドハーベスト・ジャパンの倉庫での手渡し

3. 隅田川沿いのモバイル・パントリーでの配布

です。

日本に住む難民、シングルマザーの外国人、そして十分な収入が得られない人たちへの支援を行っています。

廃棄される食品を引き取り福祉施設などへ届ける「フードバンク活動」


食品加工工場、輸入業者、卸業者、スーパー、農家、個人に至るまで、まだ食べられるにも関わらずさまざまな理由で廃棄される食品を引き取っています。

これらの食品を福祉施設やDV被害者のためのシェルター、路上生活者などへ届ける取り組みです。


私たちにもできる「寄付」がある




お金の寄付

・ 25円で1食分
・ 1,000円で40食分
の支援ができます。

銀行や郵便振込み、クレジットカードでの支払いが可能です。

継続的な寄付を希望する場合は1か月に1,000円、3,000円、5,000円、1万円から選べます。

また現金だけでなく小切手やお米券、郵便為替での寄付も受け付けています。

食べ物の寄付




食料品の寄付は企業や店舗に限らず、個人の方でも申し込めます。

特に必要とされる食品は

・缶詰(特に野菜や魚の缶詰)

・フリーズドライ食品

・インスタント、レトルト食品

・ギフトパック(お歳暮、お中元などの贈答品の余剰など)

・調味料各種

・飲料(ジュース、コーヒー、紅茶など)

・お米、パスタ

などです。

注意点


・賞味期限切れ、包装が破損、賞味期限のない食品は受付不可(お米を除く)

・冷凍、冷蔵食品の寄付を希望する場合は事前に連絡が必要

・送料は送り主の負担(着払いは受付不可)

不明な点は直接問い合わせて確認するようにしましょう。

時間の寄付





ボランティアとして協力する場合は次のような内容の仕事です。

・ 食品の引き取り、配送:福祉施設や団体への食品配送。運転に自信があり定期的に参加可能な方を募集中です。

・ お弁当:生活に困っているご家庭にお弁当を作るボランティアです。

・ ハーベストランチ:金曜日は翌日行うハーベストランチ(食事提供)の下ごしらえ、土曜日は上野公園での準備、配給、片付けなどを分担して行います。

・ パントリーパッケージ:食品を必要としている世帯へ発送する食品パッケージの梱包作業です。

・ パントリーピックアップ(火、木、金、土):事務所に食品を取りに来る方の対応をします。英語が話せて定期的に参加できる方を募集中です。

・ 事務ボランティア:簡単な電話対応やデータ入力、書類整理などの業務で定期的に参加可能な方を募集中です。

このほかにも職場や学校、地域のイベントや学園祭などで余っている食品を持ち寄り、セカンドハーベスト・ジャパンを通して生活困窮者に届ける「フードドライブ」。

参加企業や団体・組織が応援したい生活困窮者の世帯数を決め、その世帯の状況や栄養ニーズに合った食品を詰めたパッケージを作る「ADOPT A FAMILY Project」といったかたちでの参加も可能となっています。


忙しい人にもできる支援がある




「セカンドハーベスト・ジャパン」のTシャツを買って支援」


セカンドハーベスト・ジャパンのロゴ入りTシャツ。購入金額のうち1,000円が活動に寄付される仕組みです。

「ジャパンギビング」のチャレンジを応援して支援


さまざまなチャレンジを通じて寄付を募る、チャレンジ寄付のジャパンギビングというサイトがあります。

自己の得意分野でのチャレンジを通じて寄付を呼び掛けることができます。

メルマガへの登録


最新のボランティア募集情報や支援活動での新しい取り組みなどが配信されます。

寄付バナーを貼って応援


自分のサイトやブログなどにセカンドハーベスト・ジャパンの寄付バナーを貼ることで広く認知され、多くの支援へと繋げていきます。


私たち消費者ができること



「もったいない」と分かっていても、さなざまな事情から毎日廃棄されていく大量の食品

「健康への害がないのであれば、見た目が悪くても購入したい」という人も少なくないはずです。

「食品ロス」を無くしていくためには、消費者である私たちが食品に対する正しい知識を持つことが必要
「ついつい買い過ぎて捨ててしまった」

「気付いたら賞味期限が過ぎてしまっていた」
そんな「日常のもったいない」の積み重ねを、少しでもなくすことから始めてみましょう。(執筆者:藤 なつき)

自主夜間中学などで学ぶ人は約7,400名もいる。給食や学校行事もある「夜間中学」の実態とは。

「夜間中学」を知っていますか


≪画像元:政府広報オンライン


定時制の高校は良く知られていますが、「夜間中学」というものがあるのをご存じでしょうか。

さまざまな事情から義務教育を学びなおしたいという人や、日本語を学びたい外国人が通う夜間の学校です。

自治体が設置する夜間中学は非常に少なく、一般のボランティアなどが行う自主夜間中学に頼らざるを得ないという現状があります

今回は文部科学省が行った「中学校夜間学級等に関する実態調査」をもとに、夜間中学の現状について紹介していきます。


夜間中学の学校数と生徒数


夜間中学(中学校夜間学級)とは、市町村が設置する中学校において二部授業が行われる学級のことを指します。

主にさまざまな事情から小学校や中学校を卒業していない人や、日本語を学びたい外国人が対象となっています。

文部科学省が行った「中学校夜間学級等に関する実態調査」によると、平成28年4月の時点では8都府県25市区31校の中学校に夜間学級が設置されています。

都道府県別学校数・生徒数





このうち外国籍の方が1498名で、全体の81%を占めています

年齢別の生徒数





学校数については大阪が最も多く、奈良や兵庫、京都など関西地区の県名が全体の半分を占めています。

しかしその一方で九州や東北の県名が見られないなど、大きな偏りがあることが分かります。

年齢別の生徒数では男女とも60歳以上が最も多くなっており、働き世代の男性30~59歳の人数が少なくなっています。

年齢や国籍の違う人と幅広く交流できるのも夜間中学の大きなメリット

文化や考え方の違いを知ることで、より柔軟な価値観が養われるのではないでしょうか。


授業料や教材費、給食費の負担について

義務教育なので基本的に授業料は無料となっていますが、教材費や修学旅行費などは学校によって違いがあります。

夜間学級のみで特別に使用されている教材


・ 日本語テキスト
・ 漢字練習帳
・ 日本語単語帳
・ 計算ドリル
・ 地理・歴史資料

などで、価格としては300~2,800円程度で平均価格は1,473円という結果が出ています。

夜間学級での給食実施の有無と給食費について




・ 実施している… 55%

・ 実施していない… 45%

給食費の負担についてですが、給食を実施している17校のうち

・ 実費を徴収… 4校(1食あたり310~320円)

・ 自治体からの補助により負担を軽減… 6校

・ 無償…7校

・ 1食あたり実費 110~319円

・ 補助 5~250円

となっています。

給食の時間は「食事を摂る」ということだけではなく、クラスメイトとの大切な交流の時間です。また同じ物を食べることで、不思議と連帯感も湧いてくるもの。

そういった観点からも給食の実施が積極的に行われることを期待したいと思います。

年間の学校行事も充実


・ 入学式
・ 卒業式
・ 体育祭
・ 文化祭
・ 遠足
・ 修学旅行
・ 移動教室

なども行われています。


自主夜間中学・識字講座などで学ぶ人は、約7,400名!

一方で自主夜間中学・識字講座等の生徒数は約7,400名にのぼっていて、夜間中学のニーズが高いことを示しています。

・ 外国人 約60%

・ 義務教育未修了者 約5%

・ 不登校等により義務教育を十分に受けられなかった義務教育修了者等 約4%

となっています。

自主夜間中学とは


市民ボランティア等の有志が中心となって、外国人や義務教育未修了者などに基礎教育等を施すことを目的として、社会教育施設などで自主的に運営する組織です。

自主夜間中学・識字講座などの指導者

一般人のボランティアが最も多く全体の78%で、次は勤務時間外にボランティアなどで参加する現役教員の12%、そして退職教員の8%、学生2%となっています。

場所

公民館やコミュニティセンターなどを中心に行われており、週に1回というペースが多いです。

費用

参加者の経費負担に関しては「非徴収」としているケースが最も多いです

夜間中学のニーズは今後も高まることが予想されます。

ボランティアのみで運営し続けていくことは決して容易ではありません。国や各自治体が積極的な支援を行うことが急務と言えそうです。


夜間学級の一例


・ 東京都世田谷区立三宿中学校 夜間学級

三宿中学校の夜間学級のサイトには、最初に次のような内容が書いてあります。



「事情があって、小学校も卒業していないのですが…」

「不登校で、中学校にほどんど行ってなかったのですが…」

「日本語の勉強がしたいのですが…」

「ひらがなから勉強したいのですが…」

優しく話しかけるように始まる三宿中学校夜間学級のサイト。

いろいろな事情で学べなかった、今後のことも考えて学びたいという人たちの望みを幅広く受け入れようという姿勢が伝わってきます。

夜間学級の時間割は次のようになっています。年間3回の公開授業を行っています。




・大阪府八尾市立八尾中学校 夜間学級

夜間中学の数が一番多い大阪府。

八尾市立八尾中学校のサイトには次のような内容が記されています。



(1) 「あいうえお」から勉強できます。

(2) 16歳以上の人が入学できます。

(3) 卒業した人は、中学校卒業資格があります。

(4) 外国籍の方も入学できますが、大阪府内に住所がある方です。

(5) 入学の受付は年2回あります。

以上のように夜間学級についての詳細は文部科学省のHPからご覧いただけます。


誰もが学びやすい環境を



さまざまな事情から義務教育の内容を学びたい、学びなおしたいという強い思いの人たちが通う夜間中学。

学びたい人の思いを受け入れ、支援してくれる自治体や団体があるものの、その数はまだまだ足りていません。

夜間中学はただ勉強するだけの場所ではなく、年齢や国籍が違う人と積極的に交流できるという大きなメリットもあります。
「年齢や国籍、収入に関係なく、誰もが学びやすい環境をつくる」
それがこれからの日本にとって必要不可欠なことと言えるのではないでしょうか。(執筆者:藤 なつき)