チャート

【株投資】過去からの大きな流れ(トレンド)が掴みやすい「移動平均線」を活用して売買のタイミングを掴もう

ローソク足のチャートと共に一緒に描かれていることの多い移動平均線、皆さんはどのように活用されているでしょうか。

今回は移動平均線の活用方法を簡単にご紹介いたします。




移動平均線とは

終値の平均値を計算して描いた線グラフのことです。

ローソク足のような直近の株価の状況ではなく、過去からの大きな流れ(トレンド)が掴みやすいという特徴があります。

チャートの期間によって平均値を出す日数が変わり、多くのチャートでは下記の日数が採用されています。

日足 : 5日・25日・75日

週足 : 13週・26週・52週

何日あるいは何週の移動平均線を使うかは、投資期間をどれくらいで考えているかなど、人によって異なり正解はありません。

一つ言えることは、期間が短い移動平均線ほどよりローソク足に近い線となり、期間が長い移動平均線ほど緩やかな線となるということです。


覚えやすいゴールデンクロスとデッドクロス

上昇・下降のトレンドを掴みやすい移動平均線ですが、なかでも「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」はトレンドの転換を把握するサインとなります。


ゴールデンクロス


短期の移動平均線が長期の移動平均線を越えて上回るときを指し、下降局面から上昇局面への転換を示します。

デッドクロス


短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下回るときを指し、上昇局面から下降局面への転換を示します。


移動平均線と株価の乖離を利用して動きを予測する

株価が移動平均線と大きく乖離する、つまり急騰あるいは急落すると、いずれは移動平均線に近づいていくという性質があります

理由については心理面から考えると分かりやすいかと思います。

移動平均線よりも株価が上にあるということは、「過去〇日間で買ったほとんどの人が儲かっている状態」と言えます。

急上昇すると「売って利益を確定しよう」という人が出るため売りが出て株価が下落、移動平均線に近づくことになります。

移動平均線よりも株価が下にある時は、「過去〇日間で買ったほとんどの人が損をしている状態」あるいは「過去〇日間で売ったほとんどの人はうまく売り抜けた状態」と言えます。

ですので、急落すると追加買いや、売られすぎと判断されて新たな買いが入りやすくなり、株価が上昇し移動平均線に近づくというわけです。


上記のチャートでは、たびたび株価が大きく上昇しては再び下落し、移動平均線に近づいているのが分かります

期間の長い移動平均線ほど、その動きは顕著になっています

上記のチャートのように、移動平均線の数値を確認することができるチャートもあります。

大きく乖離した時は移動平均線の数値を確認し、「株価がこのあたりまで戻ってくるかもしれない」と予測することができます。


グランビルの法則

移動平均線によるチャート分析は、米国のジョゼフ・E・グランビル氏によって考案されました。

そのグランビル氏の名前のついた8つの売買サインについてご紹介します。


買いサイン


(1) 移動平均線が長期間下落もしくは横ばいで推移した後に上昇を開始し、株価が移動平均線を下から上へ突き抜けたとき

(2) 移動平均線が上昇を続けている状態で、株価が移動平均線を少し割り込むとき

(3) 移動平均線を上回っている株価が足踏みし、上昇中の移動平均線に近づいてきたものの、移動平均線を割り込むことなく再び上昇したとき

(4) 移動平均線が下降状態で、株価が大きく下落したとき

売りサイン


(5) 移動平均線が長期間上昇もしくは横ばい推移した後に下落を開始し、株価が移動平均線を上から下へ割り込んだとき

(6) 移動平均線が下降を続けている状態で、株価が移動平均線を下から上に少し突き抜けたものの再び株価が下げ始めたとき

(7) 移動平均線を下回っている株価が横ばいあるいは上昇し、下降中の移動平均線に接近してきたものの、移動平均線を突き抜けられず再び下落したとき

(8) 移動平均線が上昇状態で、株価が大きく上昇したとき

このように並べ立てると「とても覚えきれない!」となるかと思いますが、このうち4項目についはすでにご紹介したものです。

(4)と(8)は移動平均線と株価が大きく乖離しているタイミング、(1)と(5)についてはゴールデンクロスとデッドクロスです。

(2)・(3)・(6)・(7)の4項目だけをしっかりと覚えておけば良いかと思います


まとめ



ご紹介した移動平均線の活用方法を知っていれば、売買のタイミングを自分なりに判断できるようになります

慣れるまではさまざまなチャートを見て、どこにサインが出ているか確認してみてください。

実際には法則に当てはまっているように見えても、違う動きをすることもあります

そんなときは、「今回は違った」と早めの判断を下して対処することも必要です。(執筆者:高橋 珠実)

【ローソク足の基本】わかりやすい売買シグナル4パターン

覚えきれないローソク足の売買シグナル



ローソク足の売買シグナル、読み取って活用していますか。

売買シグナルとなるローソク足のパターンはいくつもあり暗記するのも大変です。

また、一つひとつパターンに当てはまるかどうかを日々確認するなんて時間的にも難しい方も多いかと思います。

そこで、今回は暗記しやすいパターンを、高値圏・安値圏に分けて厳選してご紹介します。


ローソク足の基本

パターンをご紹介する前に、まずはローソク足の基本について確認しましょう。


ローソク足始値・終値・高値・安値が視覚的に分かるように作られたものです。

始値よりも終値が高いものを「陽線」、始値よりも終値が安いものを「陰線」といいます。


ローソク足からは、取引時間中のおおまかな値動きも読み取ることができます。

例えば上記のローソク足の場合は、高値が先に来るパターンと安値が先に来るパターンが考えられます。

時間軸までは分かりませんので、ローソク足からどちらと限定できません


心理を考える

このローソク足には、例えば上ひげがない陽線といったような、いくつものパターンがあります

一つ一つに名前があり、意味もあります。

全部暗記しなくても、ローソク足の基本さえ理解していれば、心理面からその意味を推測できます。

パターン1



例えば上記のローソク足の場合、スタートしてから大きく下がったものの、安値を付けた後は一気に上昇しています。
投資家心理は明るく、翌日も株価が上がるかも
と期待されている可能性が考えられます。

パターン2



こちらはスタートしてから一度も上がることなく大きく下げています
終わりにかけては少し上がったもののほぼ安値のままで、翌日も引き続き下がるのではないか
という心理状態です。

心理状態から翌日の株価を推測


ローソク足が表している株価の動きから、投資家がどんな心理状態にあるのか、翌日の株価をどのように予測しているのかを推測できます。

もちろん推測通りになるとは限りません。しかしローソク足が2本や3本並んだパターンから、より精度の高い判断ができます


高値圏で注目の売りサイン2つ

サイン1 宵の明星



特徴:長い陽線+窓+短い陽線や陰線+窓+長い陰線

なぜこのサインが「売り」となるのか、投資家の心理面から考えてみましょう。

1. 株価が大きく上がり、まだ上がるという期待が強い

2. 前日終値よりもさらに高くスタート。さらなる上昇の期待があったものの、スタート後はそれほど伸びず。

上昇の勢いはこのあたりが限界かという見方になる。

3. 前日終値よりもさらに下げてスタート。その後は大きく下がる一方で、やはり前日の高値が限界だったとの判断からさらに売りが出る
長い陽線は買い、長い陰線は売りへの力が強いことを表します
このパターンの場合は、上昇から下落へ、急激に方向転換していることが示されています

サイン2 かぶせ線



特徴:長い陽線+長い陰線

1. 株価が大きく上昇し、翌日の上昇への期待も高い

2. 前日終値より高くスタートしたものの、その後大きく下落。上値を追うほどの勢いはないと判断され、さらに売りが出る
大幅な上昇は、継続して上昇するのではという期待とともに、利益確定の売りも出やすくなります
このパターンは、今後の上昇への期待よりも利益を確定したいという心理が現れています。


安値圏で注目すべき買いサイン2つ

サイン1 明けの明星

特徴:長い陰線+窓+短い陽線や陰線+長い陽線

1. 大きく株価を下げ、まだ下がるかもしれないという状態

2. 前日終値よりもさらに下げてスタート。スタート後も大きく下げるかと思いきや、あまり下がらず。

図の場合は、むしろスタートよりもやや上昇し、下げ止まりかとの期待がでる

3. 前日終値よりも高くスタートし、そのまま大きく上昇。下げ止まりを確認してさらに買いが入る

こちらは宵の明星の逆パターンです。
大きく下げた後、下げすぎと捉えられ買いが入っています
下落から上昇への急転換を示しています。

サイン2 つつみ線



特徴:陰線+長い陽線(陰線の上下を包む長さ)

1. 陰線で今後も下落かと思われている状態

2. 前日終値よりも安く始まったにも関わらず、その後株価は上昇、前日の始値(高値)を越えて、流れが変わったと判断されて買いが入る
長い陽線になればなるほど、上昇への力が強まっていると判断できます
このパターンも急激な方向転換を示しています。


図の通りとは限らない

今回ご紹介した4つのローソク足のパターンがそのまま表れるとは限りません

陽線や陰線にひげが付いていることもあります

下記のローソク足チャートで、実際に出ているサインを見てみましょう。


1. 安値圏で注目すべき買いサインの「つつみ線」は、長い陽線になればなるほど、上昇への力が強まっていると判断できます。

2. 高値圏で注目の売りサインの「かぶせ線」は、今後の上昇への期待よりも利益を確定したいという心理のあらわれです。

大幅な上昇は、継続して上昇するのではという期待とともに、利益確定の売りも出やすくなります。


まとめ



実際に日々の株価を見ていると、現状が高値圏なのか安値圏なのか判断が難しいこともあるかと思います。

そんなときは、長いスパンのチャートを見て、現在の位置づけを判断してください。

ローソク足の売買判断にはさまざまなパターンがあり、その中には
「ある一定の条件を満たした場合」にこのパターンが出れば売り・買い
という複雑なサインもあります。

今回はその中でも比較的判断のしやすいものに絞ってご紹介しました。

全てのパターンを使いこなせるとより精度の高い判断ができるのは間違いありませんが、まずは第一歩として今回のサインを使いこなしていただければと思います。(執筆者:高橋 珠実)

「配偶者控除改正」で「パートの壁」はこう変わる 手取り額の変化を世帯パターン別に分類して紹介

「103万円の壁が150万円の壁になるんですか?」

「来年からパートの壁はどうなるんですか?」



そんなご質問を受けることが増えてきました。

平成30年から配偶者控除および配偶者特別控除が改正されますが、改正の影響は世帯により異なります

またパート収入が増加すると税制や社会保険の扶養から外れるため、逆に世帯手取りが減ってしまうという「パートの壁」も世帯によって異なります。

そこで今回は配偶者控除等改正の影響や、気になる世帯手取りの変化について、世帯パターン別に分類して紹介したいと思います。


わが家のパートの壁パターンチェック!

今回の配偶者控除等の改正が増税か減税かと言った影響は世帯主の所得と配偶者の収入によって異なります。

またパート収入と世帯手取りの変化は、

(a) 世帯主の職業
(b) 世帯主の所得
(c) 配偶者の社会保険の加入状況

により異なります。

まずは下記のチャートを使ってわが家はどのパターンに該当するかチェックしてみてください。



≪クリックして拡大≫


なお、「所得」とは、売上から必要経費を引いたもので、「確定申告書の所得金額の合計欄」で確認いただけます。




世帯パターン別税制改正の影響と世帯手取りの変化

では、世帯パターン別に税制改正の影響と世帯手取りの変化をみて行きましょう。

手取額計算の前提条件は下記の通りです。

(※1)税金計算上の夫の控除は、基礎控除、社会保険料控除、配偶者(特別)控除、生命保険料控除(満額)のみとします。

(※2)税金計算上の妻の控除は、基礎控除、社会保険料控除のみとします。

(※3)健康保険は協会けんぽに加入とし、健康保険の保険料率は東京都のものを使用。

なお、便宜上、世帯主を「夫」、パートとして働く配偶者を「妻」として書き進めます。

逆のご家庭では「夫」と「妻」を読み換えてご確認ください。

Aパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,120万円以下、妻は年収が130万円以上になるとパート先で社会保険に加入する、またはパート先で社会保険に加入することができないケースがAパターンです。

下のグラフは夫の年収を500万円とし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

ピンク色の部分は「配偶者控除特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です

妻のパート収入が105万円以上201.6万円未満である場合は改正前より世帯手取りが増加します

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらもパート収入が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じています。

152万円まで働けば社会保険加入前の手取額に回復します。

グラフは妻の収入が130万円でパート先の社会保険に加入することとして試算していますが、パート先が社会保険の適用事業者でない場合、妻は国民健康保険、国民年金に加入することとなります。

その場合、保険料の負担はさらに大きくなり、手取額の減少幅は大きくなると考えられます。

なお、夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります

Bパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,120万円以下、妻は年収が106万円以上になるとパート先で社会保険に加入するケースがBパターンです。

下のグラフは夫の年収を500万円とし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

ピンク色の部分は、「配偶者特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。

妻のパート収入が105万円以上201.6万円未満である場合は改正前より世帯手取りが増加します

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらもパート収入が106万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じています。

124万円まで働けば社会保険加入前の手取額に回復します。

なお、夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Cパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,120万円超1,170万円以下、妻は年収が130万円以上になるとパート先で社会保険に加入する、またはパート先で社会保険に加入することができないケースがCパターンです。

下のグラフは夫の年収を1,150万円とし、妻のパート収入の変化と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

水色の部分は「配偶者控除、配偶者特別控除」の控除額が減らされることにより増税となる部分、ピンク色の部分は「配偶者特別控除」の拡大により減税となる部分です。

妻のパート収入が120万円未満の場合、改正前より世帯手取りが減少しますが、120万円以上201.6万円未満の場合、改正前より世帯手取りが増加します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらもパート収入が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じています。152万円まで働けば社会保険加入前の手取額に回復します。

グラフは妻の収入が130万円でパート先の社会保険に加入することとして試算していますが、パート先が社会保険の適用事業者でない場合、妻は国民健康保険、国民年金に加入することとなります。

その場合、保険料は負担はさらに大きくなり、手取額の減少幅は大きくなると考えられます。

なお、夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Dパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,120万円超1,170万円以下、妻は年収が106万円以上になるとパート先で社会保険に加入するケースがDパターンです。

下のグラフは夫の年収を1,150万円とし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

水色の部分は「配偶者控除、配偶者特別控除」の控除額が減らされることにより増税となる部分、ピンク色の部分は「配偶者特別控除」の拡大により減税となる部分です。

妻のパート収入が120万円未満の場合改正前より世帯手取りが減少しますが、120万円以上201.6万円未満の場合は改正前より世帯手取りが増加します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらもパート収入が106万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じています。124万円まで働けば社会保険加入前の手取額に回復します。

なお、夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Eパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,170万円超1,220万円以下、妻は年収が130万円以上になるとパート先で社会保険に加入する、またはパート先で社会保険に加入することができないケースがEパターンです。

下のグラフは夫の年収を1,200万円とし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

水色の部分は「配偶者控除、配偶者特別控除」の控除額が減らされることにより増税となる部分、ピンク色の部分は「配偶者特別控除」の拡大により減税となる部分です。

妻のパート収入が130万円未満の場合、改正前より世帯手取りが減少しますが、130万円以上201.6万円未満の部分で改正前より世帯手取りが増加します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらもパート収入130万円で妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じています。152万円まで働けば社会保険加入前の手取額に回復します。

グラフは妻の収入が130万円でパート先の社会保険に加入することとして試算していますが、パート先が社会保険の適用事業者でない場合、妻は国民健康保険、国民年金に加入することとなります。

その場合、保険料は負担はさらに大きくなり、手取額の減少幅は大きくなると考えられます。

なお、夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Fパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,170万円超1,220万円以下、妻は年収が106万円以上になるとパート先で社会保険に加入するケースがFパターンとなります。

下のグラフは夫の年収を1,200万円とし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

水色の部分は「配偶者控除、配偶者特別控除」の控除額が減らされることにより増税となる部分、ピンク色の部分は「配偶者特別控除」の拡大により減税となる部分です。

妻のパート収入が130万円未満の場合、改正前より世帯手取りが減少しますが、130万円以上201.6万円未満の部分で改正前より世帯手取りが増加します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらもパート収入が106万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じています。しかし、124万円まで働けば手取額は回復します。

なお、夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Gパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,220万円超、妻は年収が130万円になるとパート先の社会保険に加入する、またはパート先で社会保険に加入することができないケースがGパターンです。

下のグラフは夫の年収を1,250万円とし、妻のパート収入の世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

水色の部分は「配偶者控除」が適用されなくなるため増税となる部分です。妻のパート収入が103万円以下の場合、改正前より世帯手取りが減少します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらもパート収入が130万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じています。しかし、152万円まで働けば手取額は回復します。

なお、夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Hパターン


夫は会社員等給与所得者で年収は1,220万円超、妻は年収が106万円以上になるとパート先で社会保険に加入するケースがHパターンです。

下のグラフは夫の年収を1,250万円とし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

水色の部分は「配偶者控除」が適用されなくなるため増税となる部分です。妻のパート収入が103万円以下の場合、改正前より世帯手取りが減少します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらもパート収入が106万円になると妻の社会保険料負担が発生するため、世帯手取りは減少に転じています。152万円まで働けば社会保険加入前の手取額に回復します。

グラフは妻の収入が130万円でパート先の社会保険に加入することとして試算していますが、パート先が社会保険の適用事業者でない場合、妻は国民健康保険、国民年金に加入することとなります。

その場合、保険料は負担はさらに大きくなり、手取額の減少幅は大きくなると考えられます。

なお、夫の勤め先に「配偶者手当」がある場合は、その支給要件や支給額も考慮して手取額の変化を確認する必要があります。

Iパターン


夫は自営業者等事業所得者で所得は900万円以下、妻はパートで収入を得るというケースがIパターンです。

下のグラフは夫の所得を500万円、妻は収入が130万円になるとパート先の社会保険に加入するとし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

ピンク色の部分は、「配偶者特別控除」が拡大されることにより、減税となる部分です。妻のパート収入が105万円以上201.6万円未満の場合、改正前より世帯手取りが増加します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらも妻のパート収入の増加に伴って世帯手取りも増加する一方で、いわゆる「パートの壁」と言われる逆転現象は生じません

妻のパートの加入要件が106万円の場合やパート先で社会保険に加入できない場合も同様に「パートの壁」は発生しません。

Jパターン


夫は自営業者等事業所得者で所得は900万円超950万円以下、妻はパートで収入を得るというケースがJパターンです。

下のグラフは夫の所得を930万円、妻は収入が130万円になるとパート先の社会保険に加入するとし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

水色の部分は「配偶者控除、配偶者特別控除」の控除額が減らされたことにより増税となる部分、ピンク色の部分は「配偶者特別控除」の拡大により減税となる部分です。

妻のパート収入が120万円未満の場合、改正前より世帯手取りが減少しますが、120万円以上201.6万円未満の部分で改正前より世帯手取りが増加します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらも妻の収入の増加に伴って世帯手取りも増加する一方です。いわゆる「パートの壁」と言われる逆転現象は生じません

妻のパートの加入要件が106万円の場合やパート先で社会保険に加入できない場合も同様に「パートの壁」は発生しません。

Kパターン


夫は自営業者等事業所得者で所得は950万円超1,000万円以下、妻はパートで収入を得るというケースがKパターンです。

下のグラフは夫の所得を980万円、妻は収入が130万円になるとパート先の社会保険に加入するとし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

水色の部分は「配偶者控除、配偶者特別控除」の控除額が減らされることにより増税となる部分、ピンク色の部分は「配偶者特別控除」の拡大により減税となるパート収入の金額です。

妻のパート収入が130万円未満の場合、改正前より世帯手取りが減少しますが、130万円以上201.6万円未満の部分で改正前より世帯手取りが増加します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらも妻の収入の増加に伴って世帯手取りも増加する一方です。いわゆる「パートの壁」と言われる逆転現象は生じません

妻のパートの加入要件が106万円の場合やパート先で社会保険に加入できない場合も同様に「パートの壁」は発生しません。

Lパターン


夫は自営業者等事業所得者で所得1,000万円超、妻はパートで収入を得るというケースがLパターンです。

下のグラフは夫の所得を1030万円、妻は収入が130万円になるとパート先の社会保険に加入するとし、妻のパート収入と世帯手取りの変化を平成29年と平成30年で比較したものです。



税制改正の影響

水色の部分は「配偶者控除」が適用されなくなるため増税となる部分です。妻のパート収入が103万円以下の場合、改正前より世帯手取りが減少します。

パート収入と世帯手取りの変化

グラフの形状はどちらも妻の収入の増加に伴って世帯手取りも増加する一方です。いわゆる「パートの壁」と言われる逆転現象は生じません

妻のパートの加入要件が106万円の場合やパート先で社会保険に加入できない場合も同様に「パートの壁」は発生しません。


パートの壁と働き方



さて、どのタイプになったでしょうか?

「税制改正のおかげで手取がアップしそう」、「このままだったら去年より手取りが減ってしまう」、「思ったほど影響ないわ」などなどそれぞれご感想を持たれたかと思います。

中には「103万円の壁が150万円に!」、「配偶者控除が150万円に拡大」といったキャッチに惑わされて、「150万円まで働いても扶養から外れない、手取りが減らない」と誤解していた方もいらっしゃいました

手取の多寡だけで働き方を考えるべきではありませんが、制度について正しい知識を持って、悔いのない選択をしていただきたいと思います。

「今は家族との時間を優先したいからやっぱり扶養内で働こう。」

「週5時間多く働けば社会保険に入っても手取りが回復できる。だったら1日多く働こう。」

「社会保険に加入すると手取りは減ってしまうけど、数万円のこと。将来に備えて就業調整はやめておこう。」

というようにパターン別の手取変化を参考にしていただきながら、今後のライフプラン、キャリアプランを描いて、あなたらしい働き方を選択していただければと思います。(執筆者:小谷 晴美)